スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ～今度から新たに出来た仲間と頑張ります～

４１話・作る料理

　フィアンマ様への報告を終えたので、私は部屋を後にする。
　部屋をでた後、お祝いの準備をしようと思ったが、料理はセウンさんたちが戻ってこないと出来ないし、何を作るのかも聞いていなかったので、準備の仕様もない事に気づいたので、せめて今やれる事をしようと、シビルさんのもとへむかう。
　シビルさんもとへ行き、この後行う予定のお祝い件の話を伝えると、シビルさんも快く手伝ってくれるとの事だった。


◆


　路地裏から出て、料理の腕前の話になった。
　ラスは、ひと通りの調理は出来るとの事だった。

「え…　セウンさんって、料理出来るんですか？」

「まぁな。これでも、小さい頃から、育て親の手伝いをしていたし、前世でもちゃんと料理をやっていたからな」

　より正確に言うなら、作って貰う相手がいなかっただけなんだけどな…　まぁでも別に、料理が嫌いって訳でもなかったから別にいいんだけどね…　いいんだけどね！！
　そっとラスから顔をそむけ、気づかれないように、心の涙を拭った。

「そうなんですね。だから、セウンさんが買い出しにきたんですね」

「そうだな」

「それで、セウンさん。何を作るかは、決まっているんですか？」

「いや、まだ決まってないな。ラスは、何か食べたいものとかあるか？」

　一応、ラスの為のお祝いなので、食べたいものを聞いてみる。

「食べたいものですか？」

「あぁ、何かないか？」

「う～ん…」

　ラスは少し考えた素振りを見せた後、

「お肉とか？」

「お肉？」

　まさか、そんなアバウトな答えが返ってくるとは思わなかったので、自然と口角があがってしまう。

「ちょっと、そんなに笑わなくてもいいじゃないですか！！」

　それにいち早く気づいたラスから怒られる。

「悪い悪い。ちょっと以外だったもんでな。でも、何でお肉なんだ？」

「だって前世で好きだったから…」

　ラスは、ぼそっと答える。

「なるほどな」

　何のお肉料理を作るか考えた結果、

「なら、バーベキューをするっていうのはどうだ？」

「バーベキュー！！　賛成です！！　ぜひやりましょう！！」

　ラスも乗り気で賛成してくれたので、早速バーベキュー用の食材を買っていった。

「食材はこんなもんでいいかな」

「そうですね、大丈夫だと思います。なら、シェーンさんたちも待っていると思いますから帰りましょうか」

「そうだなと言いたい所だが、まだ買うものがあるから、それを買ってから戻ろうか」

「買うものですか？」

「網とか串とかだな」

　納得してくれたラスを連れて、商店へとむかいそれらを買ってから孤児院へと戻った。