スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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57話・知りたい事

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 笑顔で帰ってきたフィア婆様にも、ラスのスキルなどの事を伝える。

「鬼神化かねぇ…」

 スキル名を聞いたフィア婆様の口角があげる。

「何か知ってるんですか?」

 少し期待を込めて聞いてみるが、

「いや、知らないね」

 その返答に、前のめりにずっこけそうになる。

「…そうですか。じゃあ、何で笑ってるんですか?」

「そりゃあ、育てがいのありそうな子が面白そうなスキルを持っていたら自然と笑顔になってしまうのは仕方ない事だよ」

「そうですか?」

「そうさ」

「はぁ… ならもうそれでいいので、何かあった際は力を貸して下さいね」

「もちろん構わないよ」

「ありがとうございます。なら話は終わったので、俺はちょっと、行きたい所があるので、また明日来ますね」

「了解」

 ラスやシエルたちには、先程話していたので、フィア婆様との話を終えると俺は孤児院を後にする。





「セウンは帰ったけど、シェーンたちはどうするつもりなんだい?」

「私たちは、特に予定はないので、子供たちの相手をしようと思ってます」

「そうかい。それは助かるよ。なら、私は残っている書類を片付けるから、夕食の時間になったら呼びに来て貰ってもいいかい?」

「分かりました。なら、私たちも失礼しますね。ほら、ラスちゃんも行こうね」

「はい」

 シェーンたちがラスを引き連れて、子供たちの所へ行くのを見送り、私も残っていた書類に手をつける。





 孤児院を後にした俺は、そのままある場所へむかった。その場所につき、中へと入る。
 中は、この前片付けたと思うのに、本が積み重なって少し散らかっていた。

「いらっしゃい、セウン君」

「お邪魔します、マレンさん」

「今日はどうしたの? 例の事について?」

「はい、そうです。鬼人について何か新しい情報はないですか?」

「一応こまめに調べているけど、今のところ新しい情報はないわね…」

「そうですか…」

 少しでも鬼人の行動を知れれば、対策がとれやすいんだがこればかりは仕方ないか。

「ごめんなさい…」

「気にしないで下さい。マレンさんのせいじゃありませんから」

「うん…」

 何だか、少し落ち込んでいるように見えたので、この話はここまでにして話を変える。

「マレンさんは、近々あるオークションの事は知ってますか?」

「知ってる…」

「そのオークションでどんな品が出るか知ってますか?」

「全部とまではいかないけど知ってる…」

「なら、それについて聞いてもいいですか?」

「任せて…」

 もう一度確認してみるとの事で、目を閉じる。
 俺は、マレンさんが確認してくれている間に、回復ポーションを準備しておいた。
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