スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ～今度から新たに出来た仲間と頑張ります～

７７話・配下召喚について

　まだ少ししか話を聞いていないのだが、生前のシュテンさんの力がぶっ壊れであったんだなという事は分かった。

「そうなんですね…」

　少し呆れながら返事をした後に、

「そう言えば、神通力とか三明の剣なんかは何となく分かるんですが、最終解放した際の配下召喚って、実際のシュテンさんの配下を召喚するんですか？」

　少し気になった事を尋ねてみる。

「違うよ。ん、いや今は違わないのかな？」

「どういう事なんですか？」

「えっとその前に、もともと最終解放の効果は、鬼神召喚といって、ごく短時間だけ私を召喚する効果だったんですよ。それが何故か２人目に発現した際に、配下召喚に変わってしまったんですよね」

「そうなんですね」

　よくは分からないけど、そんな事もあるのかと思いながら、

「それで、その配下ってどんな方なんですか？」

「それはですね、その配下召喚で呼ばれる５人は、ラス君と同じく鬼神化スキルを授かった事のある５人の事なんですよ」

「え、そうなんですか！！」

　まさか、その５人の事とは思わなかった。

「そうですよ。何故か、このスキルを授かった者が亡くなると、私の配下になるかどうかを選べるみたいで、その例の５人は、皆私の配下を選んでここで暮らしているんですよ」

「え、じゃあ今ここにいるんですか？」

「いや、今は５人で遠征に行ってて、ここにはいないですね」

「え…　遠征ですか？」

「そうですよ。今より少しでも強くなる為みたいですね」

「そうなんですね…」

　なにその部活動的な理由はと思ってしまう。

「あ、因みに、配下召喚をする為には、その５人に力を認めさせないと召喚に応じてくれないから頑張って下さいね」

「え…　今、何て言いました？」

　ちゃんと、聞こえてはいたけど、間違っていてという気持ちで聞き返してみる。

「だから、その５人一人一人に力を認めさせないと召喚に応じてくれないと思うから頑張って下さいね」

　シュテンさんは、爽やかな笑顔を浮かべながらもう一度言ってくれる。
　やっぱり、聞き間違いではなかったみたいだ。

「因みにそれは、どうやってやればいいんですか？」

「そのままですよ。倒すまでは無理でも、ラス君の持てる力を使って、その実力を示せばいいんですよ」

「そうなりますよね…　因みに、皆さんの強さはどのくらいなんですか？」

「そうですね…　今の５人の力は、鬼神化のスキルをもう使えないとしても、今のラス君では、手も足も出ないと思いますよ」

「ですよね…」

　そうだろうと思っていたけど、改めて言われると自分の無力さを感じた。