スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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112話・1度目より

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 セウンさんに声をかけられ、かなりの時間がたっていた事に気付く。
 すぐに謝るが、セウンさんは、気にしなくていいと言ってくれ、そろそろ孤児院へ戻るとの事なので、スピカちゃんをお返しする。
 返す際、仲良くなれたスピカちゃんと、今後も機会があれば、お話をしたかったので、お願いしてみると、スピカちゃんが了承したならいいと言ってくれた。
 その後、スピカちゃんがあの黒い渦を出して戻ろうとしていたので、声をかけようとする前に、スピカちゃんが私の方を見てくれ、

"ラス… おやすみ…"

 先に声をかけてくれる。
 それが嬉しく、私もすぐに返事をし、それを聞いたスピカちゃんは、小さな欠伸あくびをしつつ渦の中へと戻っていった。

「それじゃあ、スピカも戻った事だし、ラスもスキルを解除しようか」

「はい」

「まぁでも、その前に、シェーンこっちに来てくれ」

「はい、分かってます」

 セウンさんに呼ばれたシェーンさんが駆け寄ってくる。たぶん、私の為だろう。

「お待たせしました。ラスちゃん、いつでもスキルを解除しても大丈夫ですよ」

「分かりました。もしもの時は、お願いします」

「任せて頂戴!!」

「それじゃあ、いきます!!」

 私は、鬼神化を解除する。

「うっ!!」

 すると、すぐにまたあの痛みが襲ってくる。
 しかも、最初に感じた時より、痛みが強くなっているような気がする。
 だけど、すぐに私の体を暖かい何かが包み込み、痛みが和らいでいく。
 そして、少しすると、体を動かせるまで回復する。
 私は、自ら体を起こし、お礼を伝える。

「ありがとうございます、シェーンさん。もう大丈夫です」

「そう? 何かあったら、またすぐに言ってね」

「はい、ありがとうございます」

 シェーンさんと入れ替わるように、セウンさんが前に出てくる。

「本当に大丈夫か、ラス?」

 セウンさんはそう言いながら手を差し出してくれるので、

「ありがとうございます。はい、シェーンさんのおかげで大丈夫です」

 手を借りながら、立ち上がる。

「それにしても、やっぱり痛みが襲ってきたみたいだな」

「そうみたいです。しかも、1度目より何だか痛みが強かった気がするんですよね」

「マジか? …もしかして、スキルを使う時間か何かで痛みが変わるのかも知れないな?」

「時間ですか? 確かに、ありそうな話ですね」

「そうだろ? まぁでも、他にも原因があるかもしれないし、明言は出来ないけどな」

「そうですね」

 それなら、今日の夜にでも、シュテンさんに話を聞いてみようと思う。
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