スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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1話・プロローグ

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 今日も、ラスの訓練をする為、孤児院へとラスを迎えに来ていた。
 ここ最近では、スキルの訓練ではなく、体術や普通の肉体トレーニングなど中心にやってきた。
 なぜ急にと思うかとしれないが、ラス曰く、鬼神化についての話を、鬼神様に聞いたようで、使いこなす為にまず肉体強度を上げるのがいいそうだ。
 まぁ、訓練2日目に迎えに行った際、鬼神様… 半神との事だが、その人と話をしたと聞いた時は、どこか頭でも打ったのではないかと心配になったが、詳しく話を聞いて納得した。

「お待たせしてすみません、セウンさん」

 孤児院からやって来たラスは、革鎧を身に纏い腰には短剣、両腕には、アダマンタイト製の手甲を装備していた。
 初めてのダンジョンという事で、革鎧と短剣は、フィア婆様から、手甲は俺からのプレゼントだ。

「いや、構わないよ。じゃあ、行こうか?」

「はい!! 今日は、お願いします!!」

「了解」

 今日は、ラスとダンジョンへ行く予定となっている。
 シエルたちは、用があるようで、今日は、2人だけだ。

「セウンさん。ここには、3つもダンジョンがあると聞いたんですが、どこのダンジョンに行くんですか?」

「一応、ラスは色々初めてという事だし、人型のモンスターは避けて、虫系かスライムを相手にしてモンスターとの戦闘に慣れて貰おうと思ってるよ」

 やっぱり、むこうでの記憶があると、人型のモンスターを相手にするのは抵抗があるだろうし、獣系だと動きが早い場合が多い為、虫系かスライムの2択となった。

「あ!! でもラスは、虫は平気か?」

 確認するのを忘れていた為、今聞いておく。
 じゃないと、虫がダメだと言われてしまうと、相手がスライム1択になるからだ。

「苦手と言う訳ではないですが、そのやっぱりモンスターになると体が大きかったりするんですか?」

「あぁ…」

 やっぱりそこが気になるよなと思いながら答える。

「ラスの予想通り、大きくなってるな」

「そうですか… なら、まずはスライムからでお願いしていいですか?」

「了解」

 相手も決まったので、スライムのいるダンジョンにむかって、歩き出す。

「セウンさんは、虫系を相手にする時、そのぞわっとしたりしなかったんですか?」

 ダンジョンへむかっている途中、ラスがそんな事を聞いてきた。

「俺の場合は、記憶が戻る前から相手にしていたせいもあってか、記憶が戻った後も、虫系モンスターはそういうもんだと慣れてしまったからそこまではないかな」

 慣れとは少し怖いものだなと思いながら、そう答える。
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