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12話・いざ秘密の部屋へ
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先も真っ暗で見えず、入った瞬間、別々の場所に転移されられる可能性を考慮し、ラスと手を繋ぐ。
しっかりと手を繋いだのを確認して、中へと入っていく。
入ってすぐ、隣を確認する。
隣には、入る前と変わらずラスが俺の手を握っていたので、とりあえずひと安心する。
「セウンさん、あれ!!」
「ん、どうした?」
少し興奮したような声色のラスが、指差す方を見てみると、
「あれは、宝箱か?」
何度も見た覚えのある宝箱が、この広い部屋の丁度真向かいに、ポツンと置かれていた。
「やっぱり、そうなんですね!! じゃあここは、宝部屋って事なんですかね?」
すぐにでも飛び出して確認したそうな雰囲気を纏わせながら、そう聞いてくる。
「…どうだろうな?」
「え? 違うんですか?」
「いやな、ちょっとここ不自然じゃないか?」
「不自然ですか?」
「あぁ」
初めてのダンジョンで、ここの不自然さに気付いていないラスに、俺が感じた不自然な所を話す。
「あそこに宝箱があるだろ?」
「ありますね。だからここは、セウンさんの言っていた宝部屋じゃないんですか?」
「まぁ、そうはそうなんたが、こんなに広い部屋でなくていいと思わないか?」
「!? 確かに、言われてみればそうですね…」
「だろ?」
「はい。まるで、大きい何かや大勢の何かが出てきそうな気がしてきました」
「ありえそうだな… まぁ、とりあえず、ここまで来たんだし、あれを開けてみようか」
「そうですね」
一応、手を繋いだまま宝箱へと近づこうと1歩前に進んだ所で、
ゴゴゴゴゴゴゴッ
と先ほど聞いた音と同じ音がし、振り返った時には、入ってきた場所がなくなっていた。
「セウンさん…」
ラスが、不安げな様子で見上げてくる。
それに、繋いでいる手には、先程より力がこもっていた。
「あぁ、完全に閉じ込められたみたいだな。とりあえず、開くかどうか確認してみようか?」
安心させるというより、これ以上不安にさせないように心掛け話しかける。
「そ… そうですね」
開いていたと思われる壁周辺を調べてみるが、壁が開く事がなかった。
「開きませんでしたね…」
「そうだな。たぶん、ここで起こる何かを乗り越えたら開くんだろうな」
「やっぱり、そうなりますよね…」
更に不安げになっているラスの頭に、空いていた手を乗せ撫でる。
「!?」
「なぁ、ラス。何があっても俺がどうにかするから、安心しろとまでは言わないが、そう不安になるな」
「は、はい… あの、もう少しだけこのままでもいいですか?」
「あぁ、いいよ」
そのラスのお願いに、了承し、そのままラスの頭を撫でてあげる。
しっかりと手を繋いだのを確認して、中へと入っていく。
入ってすぐ、隣を確認する。
隣には、入る前と変わらずラスが俺の手を握っていたので、とりあえずひと安心する。
「セウンさん、あれ!!」
「ん、どうした?」
少し興奮したような声色のラスが、指差す方を見てみると、
「あれは、宝箱か?」
何度も見た覚えのある宝箱が、この広い部屋の丁度真向かいに、ポツンと置かれていた。
「やっぱり、そうなんですね!! じゃあここは、宝部屋って事なんですかね?」
すぐにでも飛び出して確認したそうな雰囲気を纏わせながら、そう聞いてくる。
「…どうだろうな?」
「え? 違うんですか?」
「いやな、ちょっとここ不自然じゃないか?」
「不自然ですか?」
「あぁ」
初めてのダンジョンで、ここの不自然さに気付いていないラスに、俺が感じた不自然な所を話す。
「あそこに宝箱があるだろ?」
「ありますね。だからここは、セウンさんの言っていた宝部屋じゃないんですか?」
「まぁ、そうはそうなんたが、こんなに広い部屋でなくていいと思わないか?」
「!? 確かに、言われてみればそうですね…」
「だろ?」
「はい。まるで、大きい何かや大勢の何かが出てきそうな気がしてきました」
「ありえそうだな… まぁ、とりあえず、ここまで来たんだし、あれを開けてみようか」
「そうですね」
一応、手を繋いだまま宝箱へと近づこうと1歩前に進んだ所で、
ゴゴゴゴゴゴゴッ
と先ほど聞いた音と同じ音がし、振り返った時には、入ってきた場所がなくなっていた。
「セウンさん…」
ラスが、不安げな様子で見上げてくる。
それに、繋いでいる手には、先程より力がこもっていた。
「あぁ、完全に閉じ込められたみたいだな。とりあえず、開くかどうか確認してみようか?」
安心させるというより、これ以上不安にさせないように心掛け話しかける。
「そ… そうですね」
開いていたと思われる壁周辺を調べてみるが、壁が開く事がなかった。
「開きませんでしたね…」
「そうだな。たぶん、ここで起こる何かを乗り越えたら開くんだろうな」
「やっぱり、そうなりますよね…」
更に不安げになっているラスの頭に、空いていた手を乗せ撫でる。
「!?」
「なぁ、ラス。何があっても俺がどうにかするから、安心しろとまでは言わないが、そう不安になるな」
「は、はい… あの、もう少しだけこのままでもいいですか?」
「あぁ、いいよ」
そのラスのお願いに、了承し、そのままラスの頭を撫でてあげる。
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