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14話・邪魔じゃない
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セウンさんの私の事を考えてくれていた発言に少し嬉しくなってしまう。
その後も、話を続けながら、宝箱を目指し半分程来た所で、足元から何かが突然現れた。
「せ… セウンさん…」
これがいったい何なのか分からず、セウンさんに声をかける。
だけどその瞬間、今まであった手の温もりが消え、その代わりとばかりに浮遊感が襲ってくる。
突然の事過ぎて、叫び声をあげてしまうが、目の前にセウンさんの顔があり、それどころではなくなってしまう。
そしてすぐ、セウンさんは焦った様子で舌を噛まないようにとだけ伝え、急に走り出したので、私は言われた通り舌を噛まないよう気を付けながら、振り落とされないように、ギュッとセウンさんにしがみついた。
「ラスの予想があたったな…」
走っていた事で伝わってきていた振動が止まり、そう聞こえたので、顔をあげる。
当たり前の事なんだが、またしても近くにあるセウンさんの顔にドキッとしてしまいながら、どうしたのか尋ねようとした所で、視界の端に何が動いているのに気付く。
自然とその方へ視線をむけると、セウンさんの言っていた意味を理解し、これがフラグ回収かとあの時あんな事を言った私をぶん殴りたい気持ちに駆られる。
そんな事を思っていると、
「ラス、悪いけど降ろすぞ」
「え、あ、はい」
急に話しかけられ、咄嗟に返事する。
そしてセウンさんは、私を床に降ろしてから、
「少しそこで待っててくれ」
そう言い、1人で前に出ようとしたから、
「え、セウンさん」
咄嗟に服の端を掴んでしまう。
「ちょっと、あいつらの相手してくるよ」
服を掴んでいた私の手を優しく離しながら、増え続けているあいつらを前に、何でもない風に言ってくる。
「なら、私も一緒に… 「いや、ラスはまだ疲れていると思うから、休んでいて大丈夫だぞ」」
戦いますと言い終わる前に、断られてしまう。
私の事を心配して言ってくれていると思うのだが、まだ残っている不安からか、何だか遠回しに、邪魔だと言われているような気さえしてきた。
「…分かりました。邪魔にならないようにしておきます」
少し不貞腐れながら、そう答えると同時に、頭の上に何かが置かれる。
顔をあげると、笑顔のセウンさんから伸びる手が、私の頭の上に乗っていた。
「ここまで来るのに頑張ってたラスの事を、邪魔と思う訳ないだろ?」
ガシガシと力強く撫でながら、そう言ってくれる。
「そう… ですかね」
「あぁ、そうだよ… っと、敵も出尽くしたみたいだし、そろそろ行ってくるよ」
先程まであった気持ちが失くなり、
「はい、頑張って下さい!!」
そう送り出す。
その後も、話を続けながら、宝箱を目指し半分程来た所で、足元から何かが突然現れた。
「せ… セウンさん…」
これがいったい何なのか分からず、セウンさんに声をかける。
だけどその瞬間、今まであった手の温もりが消え、その代わりとばかりに浮遊感が襲ってくる。
突然の事過ぎて、叫び声をあげてしまうが、目の前にセウンさんの顔があり、それどころではなくなってしまう。
そしてすぐ、セウンさんは焦った様子で舌を噛まないようにとだけ伝え、急に走り出したので、私は言われた通り舌を噛まないよう気を付けながら、振り落とされないように、ギュッとセウンさんにしがみついた。
「ラスの予想があたったな…」
走っていた事で伝わってきていた振動が止まり、そう聞こえたので、顔をあげる。
当たり前の事なんだが、またしても近くにあるセウンさんの顔にドキッとしてしまいながら、どうしたのか尋ねようとした所で、視界の端に何が動いているのに気付く。
自然とその方へ視線をむけると、セウンさんの言っていた意味を理解し、これがフラグ回収かとあの時あんな事を言った私をぶん殴りたい気持ちに駆られる。
そんな事を思っていると、
「ラス、悪いけど降ろすぞ」
「え、あ、はい」
急に話しかけられ、咄嗟に返事する。
そしてセウンさんは、私を床に降ろしてから、
「少しそこで待っててくれ」
そう言い、1人で前に出ようとしたから、
「え、セウンさん」
咄嗟に服の端を掴んでしまう。
「ちょっと、あいつらの相手してくるよ」
服を掴んでいた私の手を優しく離しながら、増え続けているあいつらを前に、何でもない風に言ってくる。
「なら、私も一緒に… 「いや、ラスはまだ疲れていると思うから、休んでいて大丈夫だぞ」」
戦いますと言い終わる前に、断られてしまう。
私の事を心配して言ってくれていると思うのだが、まだ残っている不安からか、何だか遠回しに、邪魔だと言われているような気さえしてきた。
「…分かりました。邪魔にならないようにしておきます」
少し不貞腐れながら、そう答えると同時に、頭の上に何かが置かれる。
顔をあげると、笑顔のセウンさんから伸びる手が、私の頭の上に乗っていた。
「ここまで来るのに頑張ってたラスの事を、邪魔と思う訳ないだろ?」
ガシガシと力強く撫でながら、そう言ってくれる。
「そう… ですかね」
「あぁ、そうだよ… っと、敵も出尽くしたみたいだし、そろそろ行ってくるよ」
先程まであった気持ちが失くなり、
「はい、頑張って下さい!!」
そう送り出す。
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