スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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16話・力の差

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 まさか、現実でスライムの合体を目に出来るとは思わなかったので、少し感動してしまう。

「って、感動している場合じゃなかった!!」

 パンパンッ

 自分の頬を叩き、すぐ動けるように、気合いを入れ直す。
 その間に、セウンさんめがけて、火の玉や石の塊が飛んできていた。
 てっきりそれを躱す物だと思っていたのだが、セウンさんは躱す素振りもみせずに直撃してしまった。

「セウンさん!!」

 私はすぐセウンさんの元へ駆け出しそうになったが、

「大丈夫だから、休憩していていいぞ、ラス!!」

 すぐに待ったをかけられる。
 魔法が直撃したセウンさんは、かすり傷一つ負った様子もなくそのまま2本目の刀を振り下ろしていた。
 その後も、セウンさんが怒涛どとうの勢いで、変わった色のスライムを倒していく。
 セウンさんのちゃんとした戦闘を見たのは始めてだったが、その凄さに唖然あぜんとしてしまう。
 しばしの間、その光景に目を奪われてしまい、

「やっぱり、私とは比べ物にならないくらい凄いな…」

 私との力の差を改めて感じ、少し落ち込んでしまう。
 だけど、すぐに、

「ダメダメッ!!」

 と弱気な気持ちをかき消すように、更に力を込め、自分の頬を叩く。

「ここに来た理由を思い出すのよ、ラス!! 私だって、少しずつでも強くなってるんだから!!」

 そう自分を鼓舞する。

「よし、もう大丈夫!!」

 今は、落ち込んでいる暇じゃないと、気持ちを切り替える。
 それよりも、少しでもセウンさんの動きを見て、何か学べる事はないかと、セウンさんに視線を移した所で、

「悪い、ラス。1匹そっちに行ったから、相手を頼めるか!!」

 とセウンさんの声が耳に届く。
 それが、今の私にとって、何だか頼られているような気がして、

「はい、任せて下さい!!」

 何としても、それに答えるという意思を込め、そう返事する。
 そして、すぐ目の前に、紫色のスライムが現れた。





 俺は刀を引き抜き、瞬動術で、1番近くにいた上位種のスライムに近付き、剣を振り下ろした。
 普通のスライムならその一撃で、倒す事が出来るのだが、上位種になると、核をずらし避けてくる。
 俺はすぐ、ずらした核めがけて、逆の手の刀で二撃目を与えようとしたのだが、他の上位種のスライムから、毒液や魔法が一斉に飛んでくる。
 本来なら、避けたり躱したりしないといけないのだが、俺には睡眠の霧がある為、それらを無視して、刀を振りかぶった。
 振り下ろす前に魔法が当たり、それを見たラスが叫び、俺の方へ向かって来ようとした為、それを止めてから、刀を振り下ろし、1匹目の上位種スライムを倒した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より(訂正)

剣 → 刀 に訂正してます。
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