スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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特別閑話・くりすます 4

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 起き上がったコカトリスは、怒気を帯びた様子で、叫んできた。
 その叫びからは、先程のコカトリスよりも、ビリビリと肌をつくような圧を感じた。
 理由は単純に、そのコカトリスが、顔も尾の蛇も2つある、ツインヘッドコカトリスというレアモンスターだからだろう。

「こいつで、試してみるか…」

 後で、シエルたちと試そうと思っていたが、先程と同じ状況で試せるという事をかんがみて、ここでやってみようと思う。

「「コケェェェェ!!」」

 腹を膨らませ、くちばしを開き、ブレスを吐いてきた。
 右の鶏顔は、先程のコカトリスと同じ灰色のブレスだったが、左の鶏顔は、紫色のブレスと別々のブレスを吐いてきていた。
 何があってもいいように、エリクサーを準備し、両方のブレスをその身で受けた。
 ただ、どちらのブレスも、睡眠の霧に無効化され、効果をなさない。

「?」

 てっきり、同時攻撃を受けた場合、どちらかが睡眠の霧を突破してくるのかと思っていたのだが、どうやら違うみたいだ。

「でも確かあの時は、肩が石化した事から、嘴の攻撃と石化の同時攻撃をされたと考えたんだが違うのか?」

 ブレスがはれるまでの間、再び考えを巡らせる。

「嘴と石化…」

 丁度はれたタイミングで、新たな考えが浮かんだ。
 それを試す為、少し驚いているツインヘッドコカトリスに近寄ると、驚きから回復したツインヘッドコカトリスは、嘴で攻撃しつつ尾の蛇でも噛みついてきた。
 だけど、嘴の攻撃も蛇の噛みつきも、睡眠の霧に阻まれる。
 それを確認した後、そっと近い方の嘴に、ツンと触れてみると、触れた部分からゆっくり石化が始まっていく。

「やっぱり、そうなのか…」

 嘴に触れないように蹴り飛ばし、1度距離をとり、すぐエリクサーを飲まずに、ブレスを誘うような動きをする。
 ツインヘッドコカトリスは、俺の誘い通りにブレスを吐いてくれる。
 それを睡眠の霧で無効化しながら近付くと、蛇の尾を振るように攻撃してくる。
 俺の予想が正しいのならと、腕をクロスさせ防御体勢をとった瞬間、蛇の尾が俺の体をぶっ飛ばした。
 ふっ飛ばされながら、体勢を整え着地する。
 そして、着地後すぐ、拡がった石化部分にエリクサーを振りかけ、残りを飲み干し、全回復する。

「ふぅ… やっぱり、予想通りみたいだな」

 久しぶりに攻撃を受けたなとも思いつつ、やりたかった検証を終えたので、そろそろ終わらせようと思う。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者より(捕捉)

 上記の話では、伝わりにくかったと思い、捕捉させて頂きます。
 今回判明した睡眠の霧の弱点

・睡眠の霧で睡眠させる事の出来るのは、1度で、物理攻撃・魔法攻撃・スキルでの攻撃のどれか1種類のみ

 ですから、ブレスは、スキル攻撃判定で、石化と毒の2種類を無効化出来ましたが、ブレス中に受けた物理攻撃は、無効化出来ませんでした。
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