397 / 453
75話・相手の思惑
しおりを挟む
目の前の男、カロー・ダイヤは、こちらが尋ねていない事まで笑みを浮かべながら答え出す。
だけど、笑みを浮かべている割に、何故か少し焦っているように見えてしまう。
「そう。情報をありがとうとでも言ったらいいのかしら?」
「いえいえそれ程の事でもありませんので気にしないで下さい。それより、私に気にせず貴方のいう継ぎはぎの討伐にむかってはどうですか?」
「それをしたいのは山々なんだけど、貴女を放置しておくのもそれはそれで危険ではないかしら?」
「確かにそれはありますね。ですが、私は特に貴女たちに敵対するつもりはありませんので、気にしなくても大丈夫ですよ」
カロー・ダイヤは、少し早い口調でそう答える。
「そう…」
聞いてない事まで答えたり、今の早い口調なので、相手がどうしたいのか何となく察する。
カロー・ダイヤに見えないように、後ろにいるラスに合図を送る。
「なら、お言葉に甘えて、継ぎはぎの相手に行かせて貰おうと思うけど、その前にもう一つだけ尋ねてもいいかしら?」
「はい、何でしょうか? 私が答えられる範囲なら今回は特別にお答え致しますよ。その質問を聞かせてくれませんか?」
口角を更にあげながら、特別を強調しつつ質問を促してくる。
「貴女が継ぎはぎと入れ替わった際、貴方は傷を負っていたと思うんだけど、その傷はいったい誰にやられたのかしら?」
「…」
カロー・ダイヤは、苦虫を噛み締めたような顔を浮かべる。
「あら、どうしたの? 自分の事だから、そんなに難しい質問ではないと思うのだけど答えられないのかしら?」
「…いえ、そういう訳ではないですよ」
「なら、答えてくれるわよね?」
「出来ればこの国の王女である貴方に、こんな事を言いたくはなかったのですが、お答えしましょう。あれは、街中を歩いている際に、何もしていないのに野蛮な暴漢に襲われてしまったんです。それで命からがら逃げる為に、とある魔道具を使用しました」
カロー・ダイヤは、白々しくそう答える。
「そう。それが本当なら、この国の王女として謝罪させて貰うわ。今後そんな事がないように注意するわ」
「えぇ、そうして貰えると私としても助かります」
「ならそろそろ継ぎはぎの元に行かせて貰うわ」
「はい、どうぞどうぞ」
「あ、でも最後に私のパーティーメンバーからの話を聞いて貰ってもいいかしら?」
後ろから近寄ってきたマオを横目で確認しそう話を振る。
「話ですか? それは構いませんが、手短にお願いしますね」
そう答えるカロー・ダイヤから少し苛立ちが伺える。
だけど、笑みを浮かべている割に、何故か少し焦っているように見えてしまう。
「そう。情報をありがとうとでも言ったらいいのかしら?」
「いえいえそれ程の事でもありませんので気にしないで下さい。それより、私に気にせず貴方のいう継ぎはぎの討伐にむかってはどうですか?」
「それをしたいのは山々なんだけど、貴女を放置しておくのもそれはそれで危険ではないかしら?」
「確かにそれはありますね。ですが、私は特に貴女たちに敵対するつもりはありませんので、気にしなくても大丈夫ですよ」
カロー・ダイヤは、少し早い口調でそう答える。
「そう…」
聞いてない事まで答えたり、今の早い口調なので、相手がどうしたいのか何となく察する。
カロー・ダイヤに見えないように、後ろにいるラスに合図を送る。
「なら、お言葉に甘えて、継ぎはぎの相手に行かせて貰おうと思うけど、その前にもう一つだけ尋ねてもいいかしら?」
「はい、何でしょうか? 私が答えられる範囲なら今回は特別にお答え致しますよ。その質問を聞かせてくれませんか?」
口角を更にあげながら、特別を強調しつつ質問を促してくる。
「貴女が継ぎはぎと入れ替わった際、貴方は傷を負っていたと思うんだけど、その傷はいったい誰にやられたのかしら?」
「…」
カロー・ダイヤは、苦虫を噛み締めたような顔を浮かべる。
「あら、どうしたの? 自分の事だから、そんなに難しい質問ではないと思うのだけど答えられないのかしら?」
「…いえ、そういう訳ではないですよ」
「なら、答えてくれるわよね?」
「出来ればこの国の王女である貴方に、こんな事を言いたくはなかったのですが、お答えしましょう。あれは、街中を歩いている際に、何もしていないのに野蛮な暴漢に襲われてしまったんです。それで命からがら逃げる為に、とある魔道具を使用しました」
カロー・ダイヤは、白々しくそう答える。
「そう。それが本当なら、この国の王女として謝罪させて貰うわ。今後そんな事がないように注意するわ」
「えぇ、そうして貰えると私としても助かります」
「ならそろそろ継ぎはぎの元に行かせて貰うわ」
「はい、どうぞどうぞ」
「あ、でも最後に私のパーティーメンバーからの話を聞いて貰ってもいいかしら?」
後ろから近寄ってきたマオを横目で確認しそう話を振る。
「話ですか? それは構いませんが、手短にお願いしますね」
そう答えるカロー・ダイヤから少し苛立ちが伺える。
11
あなたにおすすめの小説
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~
白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」
マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。
そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。
だが、この世には例外というものがある。
ストロング家の次女であるアールマティだ。
実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。
そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】
戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。
「仰せのままに」
父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。
「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」
脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。
アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃
ストロング領は大飢饉となっていた。
農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。
主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。
短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。
敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。
この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。
「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」
無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。
正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。
魔法筆職人の俺が居なくなったら、お前ら魔法使えないけど良いんだよな?!
川井田ナツナ
ファンタジー
俺は慈悲深い人間だ。
だから、魔法の『ま』の字も理解していない住民たちに俺の作った魔法筆を使わせてあげていた。
だが、国の総意は『国家転覆罪で国外追放』だとよ。
馬鹿だとは思っていたが、俺の想像を絶する馬鹿だったとはな……。
俺が居なくなったら、お前ら魔法使えなくて生活困るだろうけど良いってことだよな??
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる