スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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100話・更なる強化

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 愚図のサイクロプスは、先程同様に眠っていたので、再び殴ってみると目を覚ました。
 罵倒でも浴びせようかとも思ったが、あの男がいつやって来るのか分からない為、すぐ準備に取りかかる。
 魔法鞄からある効果のある宝玉を取り出し、

「口を開けろ」

 と指示を出す。
 指示通りサイクロプスは口を開けたので、開けた口に宝玉を放り込み飲み込ませる。

 ごくっ

「ガァァァァァァァァァ!!」

 飲み込んだ瞬間、絶叫を上げるながら、地面を転がり出す。
 そして、少しの間その場でもがいていたサイクロプスがピタリと止まり、今度はボコボコと全身の筋肉が一回り程膨れ上がり、皮膚の色も変化する。

「フーフーフー…」

 立ち上がったサイクロプスは先程より更に目が血走っていた。

「無事成功したみたいですね。なら、これを使いなさい」

 魔法鞄から、ある効果のある両手斧を取り出してからサイクロプスに渡した所で、

「いったい何をしてるんだ?」

 とあの男が追い付いてきた。

「貴方の怪しげな力でサイクロプスを無力化したので、この役立たずの愚図を強化してあげただけですよ」

「そうかよ」

「さぁ、行きなさい」

「ゴルァァァァァァァァァ!!」

 更に強化したサイクロプスをけしかける。





 クソ野郎を蹴り飛ばすが、腕で塞がれてしまう。
 次の攻撃をする前に、何かを投げてきた。
 その投げられた何かは、当たる軌道出なかったが、突如として爆発しだす。
 爆発事態でのダメージはないが、視界が悪くなる。
 そして、その爆煙の中、複数の気配が突然現れる。

「また同じ手か…」

 気配察知の反応するまま、襲ってくるモンスターを倒し終えた時には、爆煙の向こうでクソ野郎はサイクロプスに何かをしていた。
 そして、強化したというサイクロプスをけしかけてきた。

「ゴルァァァァァァァァァ!!」

眠れスリープ

 サイクロプスを相手にしている間に、クソ野郎が逃げないように、次もすぐ眠らせようとスキルを発動したのだが、

「ガァ!!」

 先程までと違い、サイクロプスは眠る事なく、斧を振り下ろしてきた。

 ドシンッ

 振り下ろされた斧は、地面を砕き、辺りに礫を飛ばす。

眠れスリープ

 礫を睡眠の霧で防ぎつつ、再度スキルを発動する。

「ガァ!!」

 だけど、やはりサイクロプスは眠る事なく斧をがむしゃらに振り回してきた。

「効かなくなってるな…」

 斧を捌きながら、クソ野郎チラッと見ると、俺を見ながらニチャと笑っていた。

「強化した効果のせいか…」

 こうなったら、時折クソ野郎が逃げていないか確認しながら、サイクロプスを倒す方向へと考え直す。
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