上 下
173 / 390

157話・正体

しおりを挟む
 僕は、ソフィアに聞かれた事に、少し言葉につまりながらも、そう答える。
 そう、1度書かれていた本を読んだ事がある… その本は、魔法の事について調べている時、制限がかかってある本をソフィアが持ってきてくれて、読ませても貰った時に見た。
 その本には、様々な魔法の事について書かれており、植物魔法についても書かれていた。その魔法を、唯一使える種族についてもだ。
 ソフィアのアードちゃん誉めが終わった所で、

「ありがとう、アード。それじゃあ、座りましょうか?」

「はい…」

 僕たちは、アードちゃんの用意した椅子に座る。
 その椅子も、何気に僕たちの家にある椅子とデザインが似ていた事から、形などもある程度思い通りなんだろう。
 丸いテーブルに対し、椅子が四脚。僕の左右に、ソフィアとアードちゃんが座り、僕の正面に、ドリさんが座る。テーブルの準備をして貰った代わりに、飲み物などは、僕のアイテムボックスに入ってあった分を出した。
 飲み物のお礼を言われ、ちゃんとした自己紹介を終えた所で、話が始まる。

「それでは、話を始める前に、改めてお礼を言わせて下さい。アードを助けてくれて、ありがとうございました。」

 ドリさんは、そう言いながら、テーブルすれすれまで頭を下げる。

「お礼はもういいので、頭を上げて下さい。」

「…分かりました。」

「それより、話をしましょう。」

「そうですね。では、私たちの話をする前に、アード。貴方にあった事を話してくれる?」

「うん、分かった…」

 アードちゃんが、自分に起こった事を話し始める。
 簡単に、アードちゃんに起こった事の話を聞いていたが、改めて、しっかりと話を聞くと、本当に助けられて心から良かったと思う。

「そんな事があったのね… もう、危ない事はしないでね、アード…」

「うん…」

 その後は、僕がアードちゃんに会った時の話をする。話を終える。
 話終えた所で、ソフィアから、その後に起こった話も聞きたいと言われたので、商会に乗り込んだ話まで話すはめになった。





 僕たちの話しは終わったので、

「それじゃあ、ドリさんやアードちゃんの事を聞いていいですか?」

 何となく、予想は出来てるが、ドリさんに尋ねる。

「分かりました。ちゃんと、話します。ですが、ノーリさんは、私たちの正体に気づいているのではないですか?」

「アードちゃんたちの正体? どういう事、お兄ちゃん?」

「そのままの意味だよ。たぶん、ドリさんとアードちゃんは、人ではないんだよ。」

「え!! そうなの、アードちゃん?」

「うん…」

「そっか…」

「黙ってて、ごめんね… ソフィアちゃん…」

「気にしないで、アードちゃん。だって、友達だと言うことに変わりはないんだから!!」

「ありがとう、ソフィアちゃん…」

「それで、アードちゃんたちは、何者なの、お兄ちゃん?」

「僕の予想になるんだけど…」

 僕は、ドリさんたちを1度みた後、

「2人は、たぶんドライアドだと思う。」

 そう答える。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

運命は、手に入れられなかったけれど

恋愛 / 完結 24h.ポイント:347pt お気に入り:2,816

異世界転生したけどチートもないし、マイペースに生きていこうと思います。

児童書・童話 / 連載中 24h.ポイント:10,884pt お気に入り:1,035

不本意な転生 ~自由で快適な生活を目指します~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:3,224pt お気に入り:3,652

余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:40,022pt お気に入り:29,874

月が導く異世界道中

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:50,509pt お気に入り:53,716

処理中です...