189 / 390
173話・嬉しい
しおりを挟む
大きめのタオルを巻いたアコの方をむいた瞬間、バサッと音をたて巻いていたタオルが落ちたので、僕はそのまま一回転した。
「アコ、もう一度タオルを巻いてくれないか?」
「分かりました。」
巻くのを待っていたけど、
「すみません、マスター。やはり上手くいかないので、手を貸しては頂けませんか?」
初めての体で上手く動かせないのかもしれない…
「…手を貸してって、どうすればいいの?」
「このタオルとやらを、私に巻いてはくれませんか?」
やっぱり、そうなるよな…
さて、どうしたものかと考えていると、
「駄目でしょうか、マスター?」
アコが聞き返してきた。
こんな事で、時間を使うのもあれかと覚悟を決め、目を閉じたまま振り返ると、
「分かったよ、アコ。タオルを貸してくれる?」
「はい、マスター!!」
アコからタオルを受けとる。
「それじゃあ、アコ。僕に、背をむけてくれる?」
「はい。むきました!!」
「わ… 分かった。」
僕は、見えるか見えないくらいの範囲で目を開け、アコに腕をあげて貰い、タオルを巻いてあげる。
何だか、モンスターと戦うより緊張した。
「終わったよ、アコ。それで、その体の調子はどう?」
「はい、今の所問題なく動かせております。この通り。」
そう言って、腕を回したり、その場で飛び跳ねたりしてくれる。
「そ… それくらいでいいよ、アコ。タオルが落ちるからね。それで、本体のアコの方はどう? こっちのアコを操ってみて、何か変わった事とか分かった事とかある?」
『そうですね… 初めての感覚ばかりで、とても新鮮です。それに…』
「ど… どうしたのアコ?」
側にいた人型のアコが、そっと僕に身を寄せてくる。
「マスターに触れる事が出来て、何て言うか… 嬉しいです!!」
「そっか…」
そう言って貰えると、あまり頑張った訳ではないが、僕も嬉しくなる。
「これで、アコのお願いも叶えられそうかな?」
「はい!!」
「なら、良かったよ。それじゃあ、アコ。上に戻ろうか?」
「はい!!」
僕は、人型のアコの手をとり、ダンジョン移動で階段前に移動する。すると、ダンジョン内は、既に暗くなり始めていた。思ったよりも、ダンジョンルームに籠っていたようだ。僕は、そのままアコの手を引いて、上へと戻っていき、部屋を出た所で、いい香りが漂ってきた。
キッチンの方へ行くと、3人で料理をしていた。音でも聞こえたのか、僕が声をかける前に、3人が振り返る。アードちゃんとドリさんは、そのままだったが、ソフィアは、僕の後ろにいる人型のアコを見て、表情が固まった。
「アコ、もう一度タオルを巻いてくれないか?」
「分かりました。」
巻くのを待っていたけど、
「すみません、マスター。やはり上手くいかないので、手を貸しては頂けませんか?」
初めての体で上手く動かせないのかもしれない…
「…手を貸してって、どうすればいいの?」
「このタオルとやらを、私に巻いてはくれませんか?」
やっぱり、そうなるよな…
さて、どうしたものかと考えていると、
「駄目でしょうか、マスター?」
アコが聞き返してきた。
こんな事で、時間を使うのもあれかと覚悟を決め、目を閉じたまま振り返ると、
「分かったよ、アコ。タオルを貸してくれる?」
「はい、マスター!!」
アコからタオルを受けとる。
「それじゃあ、アコ。僕に、背をむけてくれる?」
「はい。むきました!!」
「わ… 分かった。」
僕は、見えるか見えないくらいの範囲で目を開け、アコに腕をあげて貰い、タオルを巻いてあげる。
何だか、モンスターと戦うより緊張した。
「終わったよ、アコ。それで、その体の調子はどう?」
「はい、今の所問題なく動かせております。この通り。」
そう言って、腕を回したり、その場で飛び跳ねたりしてくれる。
「そ… それくらいでいいよ、アコ。タオルが落ちるからね。それで、本体のアコの方はどう? こっちのアコを操ってみて、何か変わった事とか分かった事とかある?」
『そうですね… 初めての感覚ばかりで、とても新鮮です。それに…』
「ど… どうしたのアコ?」
側にいた人型のアコが、そっと僕に身を寄せてくる。
「マスターに触れる事が出来て、何て言うか… 嬉しいです!!」
「そっか…」
そう言って貰えると、あまり頑張った訳ではないが、僕も嬉しくなる。
「これで、アコのお願いも叶えられそうかな?」
「はい!!」
「なら、良かったよ。それじゃあ、アコ。上に戻ろうか?」
「はい!!」
僕は、人型のアコの手をとり、ダンジョン移動で階段前に移動する。すると、ダンジョン内は、既に暗くなり始めていた。思ったよりも、ダンジョンルームに籠っていたようだ。僕は、そのままアコの手を引いて、上へと戻っていき、部屋を出た所で、いい香りが漂ってきた。
キッチンの方へ行くと、3人で料理をしていた。音でも聞こえたのか、僕が声をかける前に、3人が振り返る。アードちゃんとドリさんは、そのままだったが、ソフィアは、僕の後ろにいる人型のアコを見て、表情が固まった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
862
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる