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174話・手料理

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 僕が声をかける前に、3人が振り返る。アードちゃんとドリさんは、そのままだったが、ソフィアは、僕の後ろにいる人型のアコを見て、表情が固まった。

「夕食を作ってくれてるんだね、ありがとう3人とも。あ、それで改めて紹介したいんだけど…」

 僕は、そう言いながらアコを前に出そうとした所で、

「お… お兄ちゃん、誰なんですかその人は!!」

 頬を膨らませた状態のソフィアが迫ってきた。

「落ち着いて、ソフィア。今から、紹介するから。」

 ソフィアの頭を優しく撫でてやりながらそう言うと、しぶしぶ納得してくれる。その間に、アードちゃん・ドリさんもこっちに来たので、

「さて、それじゃあ前に出て、自己紹介してくれるかい?」

「は… はい!!」

 アコは、僕の前に出て来て、

「私は、アコと言います。先ほども申し上げましたが、ドリさん、アードさん、ソフィア様、そしてマスター、改めてよろしくお願いします。」

 アコは、深々と頭を下げた。
 アードちゃんとドリさんは、普通に返事を返したが、2人よりアコとの付き合いが長いソフィアは、またしても固まってしまった。その為、アコが人の姿になっている経緯を説明すると、納得してくれた。

「驚いたけど、これからよろしくね、アコ。それで、お兄ちゃんに料理を作ってあげたいと聞いたけど、アコは、料理出来るの?」

「やった事がないので、分からないです… すみません、ソフィア様。」

「ううん、いいよ。なら、私が教えようか?」

「いいんですか、ソフィア様!!」

「うん。任せて!!」

「ありがとうございます!!」

 何故か、トントン拍子に話が進んでいきソフィアがアコに料理を教える事になった。

「それじゃあ、続きからだけど、今から一緒にやろうか?」

「はい!!」

「アードちゃんもドリさんもいいですよね?」

「大丈夫だよ…」

「私も、教えて貰う身なので、大丈夫です。一緒に頑張りましょう、アコさん。」

「はい!!」

 受け入れて貰えるか少し心配だったけど、そんなやり取りをみて、上手くやっていそうだなと思い、安心する。
 僕も手伝おうかと思ったのだが、

「私たちだけで大丈夫だから、お兄ちゃんは待ってて。」

 そう言われたので、僕は待つ事になった。
 待っている間、暇なので、アードちゃんたちの寝具を作る事にした。
 丁度、作り終えた所で、アコが呼びに来てくれた。
 僕たちが、食卓についた所で、食事が始まった。
 今回、ドリさんやアードちゃんが食材を切り、アコは、サラダ用の野菜を切り、盛り付けをしてくれたようだ。
 アコがじーと見ているなか食べるのは少し恥ずかしかったが、

「美味しいよ、アコ。」

 そう言ってあげると、アコはとても嬉しそうに笑った。
 食後、アコからこれからも料理の勉強をするので、食べてくれますかと聞かれたので、それを了承しながら、今度、料理関係の本でも買ってあげようかなと密かに思ったりした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より(捕捉)

 アコの種族は、ホムンクルスです。
 食事やその他様々な事が出来ますが、そこまで強さはありません。
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