愚かなる思考回路

基ノ國遊鶴堂

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改札

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駐輪場に自転車を停め改札に向かう。

数年前に流行った伝染病のせいで、
以前は電車でも何処でも、
マスクが必要だったが、
ワクチンの普及で今やマスクは
必要なくなり煩わしさが減った。

今朝の改札は20代そこそこの
女性の駅員だ。

健康的なショートカットで
愛嬌がありかわいい。

男は少しだけスキであった。

だが男は、
どうせ同僚か上司と
付き合っているのだろうと思っていた。

が、

実は男のその予感は
見事に当たっていた。

女性駅員は1つ上の同僚とデキていた。

そして上司ともデキていた。

この話は長くなる。

男の話に戻る。

おはようございます!

改札を通る利用客達に、
元気に挨拶をしている。

男もICカードをタッチし、
改札を抜ける。

おはようございます!

と、挨拶を受ける。

フオファヨフォザイハフ。

と男は口を開けずに言い返す。

男はここで密かに、
腹話術の実践練習をしていた。

口を開けずに声が出ているので、

この駅の駅員達の間では
噂になっており、
ついたあだ名は、
いっこく堂であった。

時間は7時57分である。
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