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第1章:第4節
退院と話のやり取り
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入院して四日経ち、時間帯の昼過ぎに退院した私は荷物を整えて病院の出入り口を出る。
「藤野さん、学生寮まで送ってあげよう。」
病院前に私を待っていたのは、スーツ姿の風雅さんが黒い車に体を寄りかかっていた。
「風雅さん、大丈夫です。一人で帰れますから。」
「此処から学生寮まで車で行った方が早いと思うんだがね。女の子一人だと色々物騒だから。」
「…………この姿のどこが、女の子に見えますか?」
車に寄りかかる風雅さんに私は怪訝な眼差しをした。今の私の姿は一つ縛りで眼鏡を掛けていた。すると風雅さんは、分かってないんだね、と半ぱ呆れ混じりに言われる。
「わたしみたいにパッとみただけで分かる人いるからね!」
(いやいや風雅さん、貴方は心を読んだからでしょう!?)
自信満々に述べる風雅さんに私は心の中でつかさず、突っ込みを入れる。
「それにいくら藤野さんがヴァンパイアハンターでもね、ヴァンパイアならともかく…人間相手だと使えないだろ、違うかい?」
「うっ……」
風雅さんに悪戯っぽい笑みで、核心を突かれた私は思わず言葉を詰まる。
確かに風雅さんの言う通り、このヴァンパイアハンターの能力はあくまでヴァンパイアのみ使うことが出来る。純粋のヴァンパイアやヴァンパイアになりかけてる人間ならともかく……ただの人間ではこの能力は無に等しかった。
「話の続きは、車の中で。」
そう言って風雅さんは助手席のドアを開けて、乗るように誘導する。
「…………お言葉に甘えて。」
警戒していたが、病院前に車を待機させているのだ。他の人に迷惑掛ける可能性があったので私は助手席を乗る。
助手席を乗ったことを確認した風雅さんはくるっと周り、運転席側に座り、エンジンを入れて発車した。
「早速、わたしが渡した臭い消し使ってるみたいだね。」
「……私自身は分からないんですが。」
発車して数分後、風雅さんは臭い消しを気付いたようで私は、疑問を抱きながら自分の匂いを嗅ぐ。
「そりゃ自分の匂いが分かる人なんて、この世じゃいないから当然だよ。ヴァンパイアだって、自分の匂いなんて分かるわけないさ。」
「……確かに、そうですね。」
「安心しなさい。君自身の匂いも消えてるから、そこは保証するよ。」
「は、はぁー…………」
風雅さんは運転しながら、冗談交じりに話しかける。
「冗談はさておき、学生寮まで時間かかるから少し寝てなさい」
「あの、話があるのでは………」
「ああでも言わなきゃ、君絶対一人で帰ってたでしょう?さっきも言ったと思うけど、女の子一人だと物騒だからね。」
そう言って風雅さんは、画面をタッチして操作をする。流れてきたのはヒーリングクラシックだった。
(この音楽、凄く心地いいな………)
暫くヒーリングクラシックを聴いていると、瞼が重くなりうとうとし始める。
「寝ててもいいよ。学生寮着いたら、起こしてあげるから。」
風雅さんの優しい声に私は眠りに就いた。
※※※※※※※※※※
数時間後、一台の車が学生寮の門の前に止まる。学生寮には来客用の駐車場があるのだが、風雅は敢えて使わなかった。
何故なら、学生寮の門の前には一人の青年が立っていたからである。
青年の姿を捉えた風雅は運転席の窓を開けて、顔を出した。
「門の前で待っていたということは君が、この子の同室者かな?香月ミナト君?」
風雅は黒髪のアクアマリンの瞳を持つ青年…ミナトに声をかけた。
「……あんたが、七海のおっさんか。」
ミナトは助手席にて眠ってるスピカを確認して、風雅を定めるようにみる。
「七海と全然似てねぇな。」
「息子は母親似だからね。」
ミナトに似てないと言われた風雅は苦笑いした。
「頼みがあるんだけどね、香月ミナト君。この子をさ、部屋まで運んでくれないかい?」
「……チッ、なんで俺が野郎を運ばなきゃいけねぇんだ?そいつを起こせばいいだけじゃねぇか。」
ミナトが怪訝そうに言うと風雅は悪戯っぽい笑みでこう言った。
「隠さなくていいから。君は、この子が女の子だと知ってるようだからね。」
「…っ!?なんでそれを……」
「学生寮の門の前で待ってる時点で同室者である君が、この子の性別を知らないはずないと思ったんだ。もしこの子を本当に男とおもってたのなら、自分の部屋にいるはずだとね。」
予想外のことを言われたミナトは目を見開き、驚愕する。その反応をみた風雅はフフッと笑いを溢れる。
「それに、この子を治療したのわたしだから。分かって当然だと思うけどね。」
「七海のおっさん、あんた…………」
「風雅と言う名前があるから、それで呼んでくれないかい?」
「……………」
ミナトは暫く黙り込み、風雅をジッとみる。そしてハァーとため息を吐き、頭を掻く。
「風雅、さん………」
「もしかして、凪君から聞いてるのかな?わたしの性格のことを。」
「……なんでもお見通しってわけかよ。」
ミナトはバツが悪そうな顔つきで頭を抱え、風雅は満面の笑みを浮かべた。
「そういうことだから、この子を運んでくれないかい?」
ミナトはくるりと助手席まで行き、寝ているスピカを横向きに抱き抱える。
「…………ん?」
「この子自身の匂い、他のヴァンパイア達に気付かれないように消してあるからね」
「……そんなことが、可能なのか?」
「わたしがこの子に渡した瓶で、甘い匂いは消えるよ。」
ミナトはスピカから匂いしないことに気付き、疑問に思っていると風雅が流暢に答えてくれる。
「風雅さん、なんでそこまで……」
「それは教えない。」
なんでそこまでこいつのことを気にかけんだと言おうとしたら、風雅により遮られて満面の笑みで断られた。
「さて藤野さんを学生寮に送り届けたことだし、わたしは病院に戻るよ。」
そう言って風雅は車のエンジンをかけて発車し、辿った道へと戻って行く。
風雅を見送ったミナトはスピカを抱きかかえながら、507号室へと戻って行った。
「藤野さん、学生寮まで送ってあげよう。」
病院前に私を待っていたのは、スーツ姿の風雅さんが黒い車に体を寄りかかっていた。
「風雅さん、大丈夫です。一人で帰れますから。」
「此処から学生寮まで車で行った方が早いと思うんだがね。女の子一人だと色々物騒だから。」
「…………この姿のどこが、女の子に見えますか?」
車に寄りかかる風雅さんに私は怪訝な眼差しをした。今の私の姿は一つ縛りで眼鏡を掛けていた。すると風雅さんは、分かってないんだね、と半ぱ呆れ混じりに言われる。
「わたしみたいにパッとみただけで分かる人いるからね!」
(いやいや風雅さん、貴方は心を読んだからでしょう!?)
自信満々に述べる風雅さんに私は心の中でつかさず、突っ込みを入れる。
「それにいくら藤野さんがヴァンパイアハンターでもね、ヴァンパイアならともかく…人間相手だと使えないだろ、違うかい?」
「うっ……」
風雅さんに悪戯っぽい笑みで、核心を突かれた私は思わず言葉を詰まる。
確かに風雅さんの言う通り、このヴァンパイアハンターの能力はあくまでヴァンパイアのみ使うことが出来る。純粋のヴァンパイアやヴァンパイアになりかけてる人間ならともかく……ただの人間ではこの能力は無に等しかった。
「話の続きは、車の中で。」
そう言って風雅さんは助手席のドアを開けて、乗るように誘導する。
「…………お言葉に甘えて。」
警戒していたが、病院前に車を待機させているのだ。他の人に迷惑掛ける可能性があったので私は助手席を乗る。
助手席を乗ったことを確認した風雅さんはくるっと周り、運転席側に座り、エンジンを入れて発車した。
「早速、わたしが渡した臭い消し使ってるみたいだね。」
「……私自身は分からないんですが。」
発車して数分後、風雅さんは臭い消しを気付いたようで私は、疑問を抱きながら自分の匂いを嗅ぐ。
「そりゃ自分の匂いが分かる人なんて、この世じゃいないから当然だよ。ヴァンパイアだって、自分の匂いなんて分かるわけないさ。」
「……確かに、そうですね。」
「安心しなさい。君自身の匂いも消えてるから、そこは保証するよ。」
「は、はぁー…………」
風雅さんは運転しながら、冗談交じりに話しかける。
「冗談はさておき、学生寮まで時間かかるから少し寝てなさい」
「あの、話があるのでは………」
「ああでも言わなきゃ、君絶対一人で帰ってたでしょう?さっきも言ったと思うけど、女の子一人だと物騒だからね。」
そう言って風雅さんは、画面をタッチして操作をする。流れてきたのはヒーリングクラシックだった。
(この音楽、凄く心地いいな………)
暫くヒーリングクラシックを聴いていると、瞼が重くなりうとうとし始める。
「寝ててもいいよ。学生寮着いたら、起こしてあげるから。」
風雅さんの優しい声に私は眠りに就いた。
※※※※※※※※※※
数時間後、一台の車が学生寮の門の前に止まる。学生寮には来客用の駐車場があるのだが、風雅は敢えて使わなかった。
何故なら、学生寮の門の前には一人の青年が立っていたからである。
青年の姿を捉えた風雅は運転席の窓を開けて、顔を出した。
「門の前で待っていたということは君が、この子の同室者かな?香月ミナト君?」
風雅は黒髪のアクアマリンの瞳を持つ青年…ミナトに声をかけた。
「……あんたが、七海のおっさんか。」
ミナトは助手席にて眠ってるスピカを確認して、風雅を定めるようにみる。
「七海と全然似てねぇな。」
「息子は母親似だからね。」
ミナトに似てないと言われた風雅は苦笑いした。
「頼みがあるんだけどね、香月ミナト君。この子をさ、部屋まで運んでくれないかい?」
「……チッ、なんで俺が野郎を運ばなきゃいけねぇんだ?そいつを起こせばいいだけじゃねぇか。」
ミナトが怪訝そうに言うと風雅は悪戯っぽい笑みでこう言った。
「隠さなくていいから。君は、この子が女の子だと知ってるようだからね。」
「…っ!?なんでそれを……」
「学生寮の門の前で待ってる時点で同室者である君が、この子の性別を知らないはずないと思ったんだ。もしこの子を本当に男とおもってたのなら、自分の部屋にいるはずだとね。」
予想外のことを言われたミナトは目を見開き、驚愕する。その反応をみた風雅はフフッと笑いを溢れる。
「それに、この子を治療したのわたしだから。分かって当然だと思うけどね。」
「七海のおっさん、あんた…………」
「風雅と言う名前があるから、それで呼んでくれないかい?」
「……………」
ミナトは暫く黙り込み、風雅をジッとみる。そしてハァーとため息を吐き、頭を掻く。
「風雅、さん………」
「もしかして、凪君から聞いてるのかな?わたしの性格のことを。」
「……なんでもお見通しってわけかよ。」
ミナトはバツが悪そうな顔つきで頭を抱え、風雅は満面の笑みを浮かべた。
「そういうことだから、この子を運んでくれないかい?」
ミナトはくるりと助手席まで行き、寝ているスピカを横向きに抱き抱える。
「…………ん?」
「この子自身の匂い、他のヴァンパイア達に気付かれないように消してあるからね」
「……そんなことが、可能なのか?」
「わたしがこの子に渡した瓶で、甘い匂いは消えるよ。」
ミナトはスピカから匂いしないことに気付き、疑問に思っていると風雅が流暢に答えてくれる。
「風雅さん、なんでそこまで……」
「それは教えない。」
なんでそこまでこいつのことを気にかけんだと言おうとしたら、風雅により遮られて満面の笑みで断られた。
「さて藤野さんを学生寮に送り届けたことだし、わたしは病院に戻るよ。」
そう言って風雅は車のエンジンをかけて発車し、辿った道へと戻って行く。
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