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3 日課と狩猟
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まだ暗い中、ライナルトは目を開いた。
深々と息をつき、赤ん坊のへばりつく左腕をそっと引き抜く。
小さく口を開いてくうくうと息を漏らす寝顔を確かめ、その全身を改めて毛皮で包み直す。
暖炉に薪を足して火を落ち着けたところで、戸口を開いた。山際がわずかに明るみ出した朝の気配に、この日は雪も止んでいた。
もう一度赤子の寝姿を振り返り、大きな木桶を二つと天秤棒を持って外に出る。
一夜の積雪はわずかで、雪かき道具はいらないだろう。棒の両端に桶を下げ、肩に担いでライナルトは北への小道を辿った。
村の西端を流れる川を五百ガターほど上流に登った箇所が、村人たちの水汲み場になっている。そこより少し下で西の森からの小川が合流して、その先ではどうしても寄生虫が残るので、これだけ登らなければならないのだった。
桶二つに水を汲んでいると、同じ道を若い男が登ってきた。
「やあお早う、ライナルト。いつも早いな」
「おう、お早う」
このケヴィンは子どもを除くと村の最若手で、無愛想なライナルトにも親しく口を聞いてくる男だ。
村を挙げての害獣狩りではこれまで最も当てにされている戦力だったが、新しく加わる元魔狩人に期待を寄せて興味津々らしい。
「あんたが村に来て、三月を超えたところか。いつも先に雪をかいて道を空けてくれてるんで、水汲みが助かってるぜ」
「ああ」
「ようやく雪も減り出してきたみたいださ。例の準備、そろそろ始めるか?」
「ああ。そうだな、明日からうちに来てくれ」
「じゃあ、イーヴォにも声をかけとくぜ」
「ああ、頼む」
「よっしゃ、腕が鳴るぜ」
ライナルトより頭一つ背は低いががっしりした体格の若者は、一度右腕に力瘤を作るポーズを見せて、笑いながら桶を川に入れていた。
頷いて、ライナルトは水を満たした桶二つを担いで帰路を辿る。
土間に桶一つを運び入れながら覗くと、娘はまだすやすやと眠っていた。
安堵して、再び外に出る。
残りの桶一つを手に提げて、村の入口近くまでは二百ガターほどの距離だ。端の家の戸を叩くと、すぐに老婆が顔を出した。
「お早う、ロヴィーサ婆」
「やあやあ、お早うさん。毎日済まないねえ」
「お安いご用だ」
土間の中まで桶を運び、瓶に水を注ぎ入れる。
このヨッヘムとロヴィーサ夫婦の家だけは老人以外人手がなく、夫が腰を痛めている現状なので、自宅のついでに水汲みを引き受けているのだ。
「ありがとうよ」
「おお」
奥から礼の声をかけてくる老爺にも手を挙げ、空の桶を担いで家に戻った。
家では、変わらず赤ん坊が眠り続けていた。
その寝顔に安堵して、朝の支度を始める。
この日も、水汲み作業は三十ミーダ(分)以内に収まった見当だ。
ここに住み始めてからライナルトの外出は、娘の熟睡を確かめた上で三十ミーダ以内にするようにしている。時計のようなものはないので、体感に頼ってのことではあるが。
朝の水汲み以外は、午過ぎの昼寝時を見計らって近場での薪集めや野鼠狩り程度に限られる。どれも積雪の中では当てにならない用事だが、ライナルト自身の身体を鈍らせない目的もあってのことだ。
ヤギの乳を搾って、竈で加熱。鍋を下ろして冷ましていると、寝台から声が上がった。
「あーー、わうーー」
「おお、目が覚めたか」
ライナルトとしてはあまり数多くない、声をかけながら足速に寄っていく。
「よしよし、よく眠れたか」
「きゃきゃきゃ」
抱き上げると、機嫌よく両手を振り動かし。
それからやや顔をしかめて、娘は自分の腰をぽんぽんと叩いた。
「ばあーーううーー」
「そうか、おむつを替えるか」
最近は何となくだが声の調子や動作で赤ん坊の要求が分かる気がしてきて、世話も捗るようになってきた。
他所の育児も同じようなものなのか知る由もないが、自分が少し慣れてきたということか、子どもの成長の証なのか、いずれにしてもありがたい話だ。
交換を終えると、いかにも嬉しそうに娘は明るい声を上げた。
「きゃきゃきゃ」
「そうかそうか、気持ちいいか」
片手で胸元に抱きしめ、揺すりながら室内を歩き回る。
ひとしきり赤ん坊の喜声を聞いて、炊事場に降りた。置いていた鍋で、ヤギの乳はほどよく冷めていた。
暖炉近くの椅子で膝に載せ、木匙で乳を飲ませる。不器用な給仕で円滑に進むとは言い難いが、それでも娘はいつもながらの量を休みなく飲み干した。
食の進みや排泄の具合を見ても、健康に問題はなさそうだ。
安心して胸に抱き寄せると、満足そうに柔らかな重みが凭れてくる。
「わあーー、ああーー」
少し休ませた後、毛皮の敷物の上に座らせた。
最近はようやく自力で座ることができるようになっている。初めのうちは一度座ったかと思うと立ちどころに前やら横やらへ傾き転がってしまい、慌てて支えるのに難渋したものだが、今は背中に宛がうものも要らなくなったところだ。
いくつもの木片を磨いた玩具を出してやると、赤子は喜々としてそれを掴み上げる。角を丸めた直方体や半球形など、さまざまな形を転がしたり積み上げたり、慣れた独り遊びを始めている。
その様を見守りながら、ライナルトは自分の朝食を済ませた。
こんな時間も、娘はここのところ急速に聞き分けよく大人しくなった印象だ。突然泣いたりぐずったりと、こちらの作業を邪魔することがほとんどなくなっている。
そんな点にも安心して、食器洗い、洗濯など、家事をこなしていく。
「わうわう、わあーー」
午近く、声が少し変わったなと覗いてみると、娘の手はしきりと胸から腹を撫でていた。空腹を訴えるときによく見せる動作だ。
予想して少し前から用意していた乳を、持ち上げる。
膝に載せると、赤子はさも嬉しそうに旺盛な食欲を見せていた。
満腹すると、木片遊びに戻る。
ライナルトも座を落ち着けて、弓矢の手入れを始めた。魔狩人時代から主な武器は大剣だが、駆け出しの頃に先輩から弓の扱いを教わり、自作の術も身につけて必要に応じて使用している。
森での野鼠や野兎狩りにはこの道具の方が勝手がいいし、春からの村人たちとの共闘に備えて、明日から若手のケヴィンとイーヴォに教授を始める約束にしているものだ。
木の枝から矢を作るべく小刀で削っていると。
傍らから、ごとりという鈍い音が聞こえた。
わずか数ミーダ前には元気よく木片を転がしていた娘が、横倒しになって目を閉じていた。すうすうと穏やかな息が聞こえる。
こうした一瞬で何かが切り替わったような唐突な寝入りは、日常のことだ。起こさないように慎重に抱き上げて、ライナルトは小さな身体を寝台に運んだ。
いつもの昼寝で、数アーダ(時間)は目覚めないのが常だ。
「よーく眠れよ」
まだ薄い金髪の頭を撫で、しばらくその寝息の鎮まりを確かめ。
そっと足音を忍ばせて、ライナルトは弓矢を手に外に出た。
この日は往復三十ミーダで行けるだけ森の奥に入り、獣たちの様子を確かめるつもりだ。
まだ深い雪の中を進むと、ところどころに動くものの気配が感じとれた。
バサリと木立の間を駆け出すタイミングを捉えて、矢を射る。短い時間で、野兎を一羽、野鼠を二匹、狩ることができた。
さらに森の奥の気配を窺い、足速に引き返す。
里に戻ると、中央付近で薪割りをするケヴィンの姿が見えた。手を振ると、刃物を置いて駆け寄ってくる。
「森へ入っていたのかい。様子はどうだ?」
「浅いところじゃ、野兎と野鼠がちらほらしているくらいだな。もっと深いところでは落ち着かない気配も感じられた。そろそろ、大きい獣が動き出しているのかもしれん」
「そうか、そいつらがこっちに出てくる前に、減らしておきたいもんだな」
「ああ。明日から少しずつ、そのつもりで訓練をしていこう。ああこれ、村の者で分けてくれ」
「おお、ありがてえ」
いずれも食用になる獲物を渡すと、若者は破顔した。
冬の間には貴重な蛋白質源だ。
娘の様子が気になるライナルトは、その分配を任せて忙しなく家に戻った。幸い、寝台では穏やかな寝息が続いていた。
深々と息をつき、赤ん坊のへばりつく左腕をそっと引き抜く。
小さく口を開いてくうくうと息を漏らす寝顔を確かめ、その全身を改めて毛皮で包み直す。
暖炉に薪を足して火を落ち着けたところで、戸口を開いた。山際がわずかに明るみ出した朝の気配に、この日は雪も止んでいた。
もう一度赤子の寝姿を振り返り、大きな木桶を二つと天秤棒を持って外に出る。
一夜の積雪はわずかで、雪かき道具はいらないだろう。棒の両端に桶を下げ、肩に担いでライナルトは北への小道を辿った。
村の西端を流れる川を五百ガターほど上流に登った箇所が、村人たちの水汲み場になっている。そこより少し下で西の森からの小川が合流して、その先ではどうしても寄生虫が残るので、これだけ登らなければならないのだった。
桶二つに水を汲んでいると、同じ道を若い男が登ってきた。
「やあお早う、ライナルト。いつも早いな」
「おう、お早う」
このケヴィンは子どもを除くと村の最若手で、無愛想なライナルトにも親しく口を聞いてくる男だ。
村を挙げての害獣狩りではこれまで最も当てにされている戦力だったが、新しく加わる元魔狩人に期待を寄せて興味津々らしい。
「あんたが村に来て、三月を超えたところか。いつも先に雪をかいて道を空けてくれてるんで、水汲みが助かってるぜ」
「ああ」
「ようやく雪も減り出してきたみたいださ。例の準備、そろそろ始めるか?」
「ああ。そうだな、明日からうちに来てくれ」
「じゃあ、イーヴォにも声をかけとくぜ」
「ああ、頼む」
「よっしゃ、腕が鳴るぜ」
ライナルトより頭一つ背は低いががっしりした体格の若者は、一度右腕に力瘤を作るポーズを見せて、笑いながら桶を川に入れていた。
頷いて、ライナルトは水を満たした桶二つを担いで帰路を辿る。
土間に桶一つを運び入れながら覗くと、娘はまだすやすやと眠っていた。
安堵して、再び外に出る。
残りの桶一つを手に提げて、村の入口近くまでは二百ガターほどの距離だ。端の家の戸を叩くと、すぐに老婆が顔を出した。
「お早う、ロヴィーサ婆」
「やあやあ、お早うさん。毎日済まないねえ」
「お安いご用だ」
土間の中まで桶を運び、瓶に水を注ぎ入れる。
このヨッヘムとロヴィーサ夫婦の家だけは老人以外人手がなく、夫が腰を痛めている現状なので、自宅のついでに水汲みを引き受けているのだ。
「ありがとうよ」
「おお」
奥から礼の声をかけてくる老爺にも手を挙げ、空の桶を担いで家に戻った。
家では、変わらず赤ん坊が眠り続けていた。
その寝顔に安堵して、朝の支度を始める。
この日も、水汲み作業は三十ミーダ(分)以内に収まった見当だ。
ここに住み始めてからライナルトの外出は、娘の熟睡を確かめた上で三十ミーダ以内にするようにしている。時計のようなものはないので、体感に頼ってのことではあるが。
朝の水汲み以外は、午過ぎの昼寝時を見計らって近場での薪集めや野鼠狩り程度に限られる。どれも積雪の中では当てにならない用事だが、ライナルト自身の身体を鈍らせない目的もあってのことだ。
ヤギの乳を搾って、竈で加熱。鍋を下ろして冷ましていると、寝台から声が上がった。
「あーー、わうーー」
「おお、目が覚めたか」
ライナルトとしてはあまり数多くない、声をかけながら足速に寄っていく。
「よしよし、よく眠れたか」
「きゃきゃきゃ」
抱き上げると、機嫌よく両手を振り動かし。
それからやや顔をしかめて、娘は自分の腰をぽんぽんと叩いた。
「ばあーーううーー」
「そうか、おむつを替えるか」
最近は何となくだが声の調子や動作で赤ん坊の要求が分かる気がしてきて、世話も捗るようになってきた。
他所の育児も同じようなものなのか知る由もないが、自分が少し慣れてきたということか、子どもの成長の証なのか、いずれにしてもありがたい話だ。
交換を終えると、いかにも嬉しそうに娘は明るい声を上げた。
「きゃきゃきゃ」
「そうかそうか、気持ちいいか」
片手で胸元に抱きしめ、揺すりながら室内を歩き回る。
ひとしきり赤ん坊の喜声を聞いて、炊事場に降りた。置いていた鍋で、ヤギの乳はほどよく冷めていた。
暖炉近くの椅子で膝に載せ、木匙で乳を飲ませる。不器用な給仕で円滑に進むとは言い難いが、それでも娘はいつもながらの量を休みなく飲み干した。
食の進みや排泄の具合を見ても、健康に問題はなさそうだ。
安心して胸に抱き寄せると、満足そうに柔らかな重みが凭れてくる。
「わあーー、ああーー」
少し休ませた後、毛皮の敷物の上に座らせた。
最近はようやく自力で座ることができるようになっている。初めのうちは一度座ったかと思うと立ちどころに前やら横やらへ傾き転がってしまい、慌てて支えるのに難渋したものだが、今は背中に宛がうものも要らなくなったところだ。
いくつもの木片を磨いた玩具を出してやると、赤子は喜々としてそれを掴み上げる。角を丸めた直方体や半球形など、さまざまな形を転がしたり積み上げたり、慣れた独り遊びを始めている。
その様を見守りながら、ライナルトは自分の朝食を済ませた。
こんな時間も、娘はここのところ急速に聞き分けよく大人しくなった印象だ。突然泣いたりぐずったりと、こちらの作業を邪魔することがほとんどなくなっている。
そんな点にも安心して、食器洗い、洗濯など、家事をこなしていく。
「わうわう、わあーー」
午近く、声が少し変わったなと覗いてみると、娘の手はしきりと胸から腹を撫でていた。空腹を訴えるときによく見せる動作だ。
予想して少し前から用意していた乳を、持ち上げる。
膝に載せると、赤子はさも嬉しそうに旺盛な食欲を見せていた。
満腹すると、木片遊びに戻る。
ライナルトも座を落ち着けて、弓矢の手入れを始めた。魔狩人時代から主な武器は大剣だが、駆け出しの頃に先輩から弓の扱いを教わり、自作の術も身につけて必要に応じて使用している。
森での野鼠や野兎狩りにはこの道具の方が勝手がいいし、春からの村人たちとの共闘に備えて、明日から若手のケヴィンとイーヴォに教授を始める約束にしているものだ。
木の枝から矢を作るべく小刀で削っていると。
傍らから、ごとりという鈍い音が聞こえた。
わずか数ミーダ前には元気よく木片を転がしていた娘が、横倒しになって目を閉じていた。すうすうと穏やかな息が聞こえる。
こうした一瞬で何かが切り替わったような唐突な寝入りは、日常のことだ。起こさないように慎重に抱き上げて、ライナルトは小さな身体を寝台に運んだ。
いつもの昼寝で、数アーダ(時間)は目覚めないのが常だ。
「よーく眠れよ」
まだ薄い金髪の頭を撫で、しばらくその寝息の鎮まりを確かめ。
そっと足音を忍ばせて、ライナルトは弓矢を手に外に出た。
この日は往復三十ミーダで行けるだけ森の奥に入り、獣たちの様子を確かめるつもりだ。
まだ深い雪の中を進むと、ところどころに動くものの気配が感じとれた。
バサリと木立の間を駆け出すタイミングを捉えて、矢を射る。短い時間で、野兎を一羽、野鼠を二匹、狩ることができた。
さらに森の奥の気配を窺い、足速に引き返す。
里に戻ると、中央付近で薪割りをするケヴィンの姿が見えた。手を振ると、刃物を置いて駆け寄ってくる。
「森へ入っていたのかい。様子はどうだ?」
「浅いところじゃ、野兎と野鼠がちらほらしているくらいだな。もっと深いところでは落ち着かない気配も感じられた。そろそろ、大きい獣が動き出しているのかもしれん」
「そうか、そいつらがこっちに出てくる前に、減らしておきたいもんだな」
「ああ。明日から少しずつ、そのつもりで訓練をしていこう。ああこれ、村の者で分けてくれ」
「おお、ありがてえ」
いずれも食用になる獲物を渡すと、若者は破顔した。
冬の間には貴重な蛋白質源だ。
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