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はじまり
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まだ、現れぬもう一人の部屋の主を瑞波は待った。
瑞波の脳裏に、寮母の背後で小さくなっていた深苑が甦った。
話とは、何だったのだろうか。
深苑は、誰と一緒の部屋なのだろうか。
もし、同じ部屋だったらと、瑞波は考えた。
同じ部屋に、深苑と二人きりなんて、緊張してしまう。深苑のことで頭が一杯になり、常に生活のどこかに、深苑が存在する。
考えただけで、頭の中が痺れた。
「誰と一緒だろ…いいな…」
ぽつりと溢れた自分の声に、瑞波は驚いた。
なんで、そう思うのか。
あの笑顔を見ると、心に重い何かが広がっていくのに。
「なに?わたし…どうしたっていうの」
ひとりごちていると、ドアをノックする音が部屋に響いた。
続けて二度、ノックがされる。
「はい、どうぞ」
返事を返すと、ドアはゆっくりと開いた。
小柄な影が、部屋の中を覗く。
「瑞波…?いる?」
遠慮がちに問いかける声は、深苑だった。
「深苑?どうしたの」
瑞波は驚いて声を上げると、部屋を覗きながら俯きがちに陰っていた深苑の顔が、上がる。
白い頬に、笑顔が浮かび上がった。
「瑞波」
深苑の傍へ寄ると、よほど嬉しかったのか深苑は瑞波の腕を掴んで、その顔を傾げるようにして瑞波を覗き込んだ。
「わたし、この部屋なの。瑞波と、同じ、この部屋」
「え…」
瑞波は、突然の言葉に次の声を失った。
嬉しそうな深苑は、続けた。
「さっき、言えなくて。ずっと、言おうと思ってたのに、チャンスを失ってしまって」
嬉しそうに破顔する深苑を、見て、瑞波は、ただ頷いた。
「うん、よろしくね、深苑」
改めて微笑んだ瑞波を見た深苑は目を丸くした。
緊張が解けたことと、舞い上がってしまったことに気づいたのか、深苑は口を閉じた。
「よろしくね、瑞波」
そして数度、頷いて、恥ずかしそうに、深苑は微笑んだ。
瑞波の脳裏に、寮母の背後で小さくなっていた深苑が甦った。
話とは、何だったのだろうか。
深苑は、誰と一緒の部屋なのだろうか。
もし、同じ部屋だったらと、瑞波は考えた。
同じ部屋に、深苑と二人きりなんて、緊張してしまう。深苑のことで頭が一杯になり、常に生活のどこかに、深苑が存在する。
考えただけで、頭の中が痺れた。
「誰と一緒だろ…いいな…」
ぽつりと溢れた自分の声に、瑞波は驚いた。
なんで、そう思うのか。
あの笑顔を見ると、心に重い何かが広がっていくのに。
「なに?わたし…どうしたっていうの」
ひとりごちていると、ドアをノックする音が部屋に響いた。
続けて二度、ノックがされる。
「はい、どうぞ」
返事を返すと、ドアはゆっくりと開いた。
小柄な影が、部屋の中を覗く。
「瑞波…?いる?」
遠慮がちに問いかける声は、深苑だった。
「深苑?どうしたの」
瑞波は驚いて声を上げると、部屋を覗きながら俯きがちに陰っていた深苑の顔が、上がる。
白い頬に、笑顔が浮かび上がった。
「瑞波」
深苑の傍へ寄ると、よほど嬉しかったのか深苑は瑞波の腕を掴んで、その顔を傾げるようにして瑞波を覗き込んだ。
「わたし、この部屋なの。瑞波と、同じ、この部屋」
「え…」
瑞波は、突然の言葉に次の声を失った。
嬉しそうな深苑は、続けた。
「さっき、言えなくて。ずっと、言おうと思ってたのに、チャンスを失ってしまって」
嬉しそうに破顔する深苑を、見て、瑞波は、ただ頷いた。
「うん、よろしくね、深苑」
改めて微笑んだ瑞波を見た深苑は目を丸くした。
緊張が解けたことと、舞い上がってしまったことに気づいたのか、深苑は口を閉じた。
「よろしくね、瑞波」
そして数度、頷いて、恥ずかしそうに、深苑は微笑んだ。
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