【R18】SM学園

ましゅまろ

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僕だけの調教師

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彼――僕の専属調教師になった青年の名前は、結城聖弥(ゆうき せいや)と言った。

 初めて名前を聞いた時、少し意外だった。冷たい灰色の瞳や鋭い横顔から想像していたより、ずっと柔らかい音の名前だったから。

 けれどその名前を呼ぶたびに、僕の身体は小さく震えた。
 聖弥さんは、もう僕のすべてを管理する人。ここでは絶対に逆らえない存在だった。

    ◇ ◇ ◇

 専属指導が始まった最初の日、僕は簡素な個室に呼び出された。
 四方を黒いカーテンで覆われ、中央に革張りの椅子が一つだけ置かれた空間。息が詰まるほど静かで、緊張で手が冷たくなる。

 「……失礼します……」

 小さく声を出して部屋に入ると、奥で書類を読んでいた聖弥さんが顔を上げた。

 「来たか。玲」

 その視線だけで心臓が強く跳ねる。怖いはずなのに、どこか安心してしまう自分がまた嫌だった。

 「脱げ」

 短く告げられ、僕はびくりと体を震わせた。

 「……ここで、ですか……?」

 「ここはお前の調教室だ。恥ずかしいのは当然だが、その羞恥も含めて今日からお前は管理される。それが嫌なら出て行け。ただし出て行った先は廃棄場だがな」

 その声は決して大きくないのに、ぐっと胸の奥を掴まれるような冷たさがあった。

 「……いえ……」

 僕は俯いて、小さく頷く。
 そしてゆっくりと制服のボタンを外し、足元に置いた。やがて下着も脚に引っ掛けて外し、完全に裸になる。

 (また……見られてる……)

 全身がぞわりと粟立つ。羞恥で身体の奥がじんと熱い。

 「いい子だ。ほら、そこへ」

 聖弥さんが革張りの椅子を指さした。

 「足を広げて座れ」

 「……はい……」

 僕は恐る恐る座り、言われた通りに脚を開く。冷たい革の感触が下腹に伝わり、どうしようもなく落ち着かなくなる。

 「両手を後ろに組め」

 「っ……はい……」

 背もたれのない椅子だったので、腕を後ろに組むと自然と胸が張り出し、さらに秘所が無防備に晒された。

 (いやだ……見ないで……)

 そう思うのに、聖弥さんの視線がそこに留まっているのが分かる。恥ずかしくて目を閉じそうになるのを必死で堪えた。

    ◇ ◇ ◇

 「玲、お前は自分が何を求められているか分かっているか?」

 「……聖弥さんに従順でいること……」

 「そうだ。だが従順というのは単に命令を聞くだけではない。お前自身が羞恥や恐怖を自覚し、それを乗り越えて俺に全てを明け渡すことだ」

 聖弥さんは机の上から何かを取った。細いスティックのような器具。先端には冷たい金属球がついていた。

 「これは快感を測るための道具だ。安心しろ、痛くはない。だが嘘はつけなくなる。身体が感じた分だけ正確に数値が出るからな」

 「……っ……」

 器具を脚の付け根に軽く当てられただけで、ビクリと身体が跳ねた。

 「怖いか?」

 「……はい……」

 小さく答えると、聖弥さんは微かに笑った。その笑みが優しさなのか残酷さなのか、僕には分からなかった。

    ◇ ◇ ◇

 「じゃあ始めるぞ」

 器具がそっと秘所に触れる。冷たさに息が詰まる。
 そのまま金属球が少しだけ押し込まれ、内部に微かな電流のようなものが走った。

 「ひ……あ……!」

 小さな声が勝手に零れた。顔が一気に熱くなる。

 「ほう、反応がいいな。数値も悪くない」

 「……やだ……そんなの……」

 涙声になると、聖弥さんは顎を掴んでこちらを向かせた。

 「嫌か? だがここにいる以上、お前は俺に管理されるんだ。お前がどれだけ感じてしまうのか、きちんと確かめなければならない」

 「っ……」

 目を合わせた瞬間、胸がぎゅっと締め付けられる。怖いのに、離れたくなかった。

    ◇ ◇ ◇

 器具がゆっくり動くたび、下腹がずんと疼く。僕は思わず脚に力を入れて閉じようとした。

 「駄目だ、玲。開いてろ」

 「……無理……もう……」

 「じゃあ、力づくでだな」

 聖弥さんが合図すると、後ろから黒服の補佐官が来て僕の両膝を革ベルトで固定した。脚を閉じられなくなった途端、恐怖で喉がひゅっと鳴る。

 「ほら、よく見ろ」

 聖弥さんが僕の顎を掴んで視線を下げさせた。そこには、いやらしく晒された僕自身と、その根元に押し当てられた器具があった。

 「お前がどれだけ従順か、どれだけ感じやすいか、ここが全部証明するんだ」

 「……っ……」

 もう顔から火が出そうだった。それでも視線を逸らさなかった。逸らしたら駄目だと思った。
 聖弥さんに褒めてもらいたい。見ていて欲しい。

    ◇ ◇ ◇

 やがて器具が止まった。データを確認している聖弥さんの横顔を、僕はじっと見つめていた。

 「……悪くない。いや、むしろ優秀だな」

 「……僕……優秀ですか……?」

 言った瞬間、自分で驚いた。こんな状況で、褒められることを求めているなんて。

 聖弥さんは顎を外して髪を撫でた。その手のひらがとても熱く感じられて、涙がまた出そうになった。

 「優秀だよ、玲。お前はとても素直だ。俺に管理されるために生まれてきたような身体だ」

 「……よかった……僕……」

 ぐしゃぐしゃの顔で笑ったら、聖弥さんは珍しく小さく微笑んだ。それがたまらなく嬉しかった。

    ◇ ◇ ◇

 調教が終わり、脚の拘束を外されると、僕は力が抜けてその場に座り込んでしまった。

 「ほら、立てるか?」

 「……大丈夫です……」

 言いながらも膝が笑って立ち上がれない。聖弥さんが溜息をついて、その腕で僕の身体を抱え起こした。

 「お前はこれから、もっと深く俺に調教される。それが嫌なら、今のうちに拒絶しろ。もう二度と引き返せなくなるからな」

 「……嫌じゃ、ないです……」

 泣きながら、でもはっきりとそう言った。

 「僕……聖弥さんにちゃんと調教されたいです……」

 自分でも信じられない言葉だった。だけど本音だった。

 聖弥さんは僕の頬をそっと撫で、それから小さく呟いた。

 「――いい子だ」

 その一言に胸が焼けるほど熱くなり、涙が止まらなかった。
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