【R18】SM学園

ましゅまろ

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僕の喜び

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 「玲、今日は客が来る。」

 夕方、聖弥さんからそう告げられた瞬間、僕の背中に冷たい汗が流れた。

 (……客……?)

 「お前には、その客にお茶を出してもらう。もちろん、そのままの姿でな。」

 「……はい……」

 反射的に返事をしていた。でも、心臓がドクンと跳ねて、呼吸が浅くなる。

 “そのまま”――つまり、裸のまま。

 今やこの部屋での全裸生活は当たり前になりつつあった。
 けれど、それを他人に晒すというのは、また別の次元の羞恥だった。

 「表情が曇ったな。」

 「……い、いえ……大丈夫です……」

 「嘘は下手だな。だが構わない。これは“お前にしかできない任務”だ。」

 (僕にしか……)

 その一言だけで、身体がほんの少し、軽くなった気がした。

    ◇ ◇ ◇

 来客は、聖弥さんと同じく調教師見習いの中でも上位に入る男性だった。
 年齢は二十代後半。細身の体格に眼鏡、理知的で冷ややかな雰囲気をまとっていた。

 僕はリビングの隅で跪き、緊張でかすかに震えながら、指先に注意を集中させていた。

 (どの角度で盆を持てば、最も見苦しくないか……)

 (脚はどこまで開いていい? 視線は下げすぎず、でも、見返しはしない……)

 羞恥と理性がせめぎ合う中、頭の中は“聖弥さんに喜んでもらう”ことだけでいっぱいだった。

 「……では、玲。客人に茶を運べ。」

 「……はい、聖弥さん。」

 僕は深く一礼して、静かに立ち上がる。

 その瞬間、部屋の空気が変わった。

 脚の内側を風が撫でる感覚。胸元、尻、太もも、すべてが晒されている。
 だけど僕は、一歩ずつ、ゆっくりと茶を運んだ。

 (失敗しない。誇りを持って……)

 相手の前に盆を差し出し、跪いて差し出す。

 「お茶をお持ちしました。どうぞお召し上がりください。」

 声が震えないよう、必死だった。

    ◇ ◇ ◇

 「……面白い。」

 客人は、冷ややかに笑った。

 「ずいぶんと従順に育てたな、結城。」

 「当然だ。俺の手で仕込んだんだからな。」

 聖弥さんがそう答えるのを聞いて、全身がじわっと熱くなった。
 まるで商品を誇るような会話。それなのに、嬉しくて泣きそうになる。

 「立て、玲。」

 「はい。」

 裸のまま立ち上がる。客人の目線が全身を這うのがわかる。

 「恥ずかしいか?」

 「……はい。でも……ご主人様の役に立てて、光栄です。」

 自分でも驚くほど、自然にその言葉が出た。

 (羞恥があることが、むしろ“喜び”になっている……)

    ◇ ◇ ◇

 来客が帰ったあと、僕は床に膝をついたまま、じっと聖弥さんの前に座っていた。

 「玲。」

 「……はい。」

 「今日のお前は、良かった。」

 その一言が、全てだった。

 「俺の喜びが、お前の喜びだろう?」

 「……はい。僕の存在は、すべて聖弥さんのためにあります。」

 「じゃあ、その証を今夜――もう一度、身体に刻んでやる。」

 僕は深く頷いた。
 羞恥も、痛みも、悦びも――すべてがこの人のためならば、意味を持つ。
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