僕と看護師さんのゆるい入院生活

まどうふ

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可愛い来訪者

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「よいしょっと」

 神崎さんは当初の目的通り、るなちゃんが作るハロウィン料理の材料が有るか確認しに来ていた。

「確かこの冷蔵庫に......あ、あったあった」

 看護師のみんなも作る予定だったから1人だけなんで? とか思われる事もないし、気楽に作れるから良かった。

「じゃ、戻りますか」

 在庫確認も終わり、神崎さんは奏汰たちのいる休憩室へと足を向けた。


「ただいま──って、寝てるじゃん」

 神崎さんが目を向けた先には机に突っ伏して幸せそうに寝ているるなちゃんと、静華さんの肩を借りながら寝ている奏汰の姿があった。

「あっ雪希子《ゆきこ》さんおかえりー、仲良く2人で話してたら寝ちゃったみたい」

「静華さんも話してたんじゃないの?」
「話についていけなくてずっと聞いてたよ」

 私も2人ほどアニメは見てないから居たら絶対静華さんみたいになってたな......

「とりあえず部屋に戻りますか」
「そうですね、これは朝までぐっすりコースそうですし」

 こうして2人はそれぞれの看護師と共に、暖かな布団の中で幸せそうに眠っていった。


「おはようございまーす、朝ですよー」

「あっ静華さん、おはようございます」
「起きてたんですね」
  
「昨日かなり早めに寝ちゃいましたからね」

 休憩室でるなちゃんと話してたら寝ちゃったんだよな、るなちゃんはどうしたんだろう?

「奏汰くんどうする、清拭《せいしき》でもしとく? それとも頭だけ洗うとか、昨日早めに寝ちゃったから出来てないし」

「じゃあ頭だけ洗ってもらってもいいですか?」

「りょうかーい! 頭洗ってないと気持ち悪いもんねー、じゃあちょっと準備してくるね!」

「分かりました」

  あっそういえば、ママいつ来てくれるんだろ。
 そろそろ来てくれてもいい頃だと思うんだけどな~、まぁ静華さんたちと一緒だから寂しくなることはないとは思うけど。

 そんなこと思っていたら部屋のドアが軽くノックされた。

「静華さん......はちょっと早いな」

 誰だろ。

「はーい」

「奏汰......」
「るなちゃんか、びっくりした。どうしたの?」
「朝ご飯......一緒に......食べ......よ......」
「いいよ! でもちょっと待ってね、先に頭だけ洗ってもらうことになったから」

「分かった......ここで......待っても......いい?」
「うん、いいよ! 一緒に食堂行こ」

 るなちゃんと一緒に行くってことは多分神崎さんも来るよね、じゃあ安心だ。

「奏汰くん入るよーってるなちゃん! どしたの」
「静華......さん......朝ご飯......一緒......に......食べよう......と......思って......」

「あっそうなの? じゃあちょっと待っててね、奏汰くんの頭だけ洗うから」

 そう言いながら静華さんはベッドの奥にある机にシャンプーなど洗髪に必要な物を置いて、奏汰の方に寄る。

「確かこの部屋ってシャワー室の横に洗髪台あったよね」

「ありましたねそういえば」

「じゃあそこ行こっか、支えててあげるからゆっくりね」
「はい、ありがとうございます」

 静華さんの支えとベッドの起き上がる機能もあり、奏汰は痛みなく起き上がることが出来た。
 その時、るなちゃんが何やら不安そうに口を開いた。

「......じゃあ......シャンプー......とか......洗髪台......の方に......持って......いっても......いい......?」

「ありがとう! 助かる!」

 それを聞いて安心したのか、るなちゃんは胸を撫で下ろしながら静華さんが机に置いたトイレタリー用品やタオル、ケープや耳キャップを持った。

「うん......良かった......じゃあ......洗髪台......の方......持って......いくね......」

「ありがとう」
「奏汰......うん......」

 そう言ったあとるなちゃんはそそくさと洗髪台の方へ歩いていった。

「じゃあ奏汰くんはとりあえず車椅子乗ろっか」
「はい」

 静華さんがずっと支えてくれたおかげで車椅子も痛みなく無事乗れ、そのまま静華さんが洗髪台の方へと押してくれた。

「ここで......大丈夫......?」
「うん、大丈夫! ありがとね」

 シャワー室の隣にある少し広いスペースには、大人用の洗髪台と子供用の洗髪台があった。子供用洗髪台の横に繋がっている折りたたみ式テーブルには、るなちゃんが持っていってくれたシャンプーやタオルなどが置かれてあった。

「よし! じゃあ首にタオルとケープ巻くね」

 そう言って首元にタオルを巻き、そのタオルが隠れるようケープを巻いてくれた。

「キツくない?」
「はい大丈夫です」

「じゃあ次に耳キャップ付けよっか」

 特に違和感もなく、僕は静華さんに任せて耳キャップを付けた。

「それじゃあ奏汰くんはここにうつ伏せっぽく前に倒れてくれる?」

「分かりました」

「一応ビニールの柔らかいやつ置いてるけど、辛かったら言ってね」

 そう静華さんが言ったら奏汰は軽く頷いた。

「それじゃあ初めていくよ」

 静華さんは難なく洗髪を進めていた。奏汰はうつ伏せ状態だったので、静華さんがどんな顔をして頭を洗っていたかは奏汰はまだ知らない。
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