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至近距離での胸の内
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「なにこれ......」
窓を閉めるついでに奏汰くんの水を取ろうとしていた静華さん、そこで夏凛のスマホを発見し手に取って画面を見てみると、そこには神崎さんと夏凛が何かのやり取りをしているメッセージ画面が表示されていた。
「理事長から連絡来た?」
「ああ来たよ、11月2日に央光《おうこう》で会議をすることにしたってな」
「半休使って行くのか?」
「いや、有給使って丸1日、夏凛も有給使ってよ」
「別にいいけど......なんで?」
「灰羽さんの誕生日プレゼントを買っておこうと思ってさ、11月10日だし、もうすぐだから」
「感謝も込めてか」
「その通り」
ここでやり取りは終わり、メッセージ時刻を見てみると昨夜の会話だった。
「夏凛ちゃん既読無視してるし......」
それはそうとなんで2人は央光の会議に出ようとしてるんだろ? あれは学校内の十二光《じゅうにこう》と理事長が出る会議だから、いくら卒業生だからって出られないはず......
「直接聞いた方が早いかぁ......」
「静華さんどうかしたんですか?」
「ううん、今行く!」
そう言い静華さんは夏凛のスマホをバックポケットに入れ、奏汰たち3人と朝食を食べに食堂へ向かった。
「あっそうだ、今日の夜のハロウィンパーティーに院長先生が来る予定だったんだけど、なんか用事で来られないみたいよ」
「そう......なんだ......」
「るなちゃんちょっと安心した?」
「うん......まあ......」
人と話すの緊張するし......奏汰のおかげで少しは話せるようになったけど......まだ不安......
「慣れていけば大丈夫よ──ってうわ!」
窓際に座っている患者さんが窓を開けた瞬間、力強い風が入り込んできた。
「風強いな」
そう言いながら神崎さんは自分の髪を束ね、左手に持っていたヘアゴムで髪を結んだ。
「雪希子《ゆきこ》さんとるなちゃんは髪長いもんねー、お手入れ大変そう......」
「私......お手入れっていうの......意識したこと......ない......かも......」
「凄いな、今のままでも十分すぎるぐらい綺麗」
るなちゃんの髪に魅了《みりょう》された神崎さんの左手は、手入れが入っているかのようなサラサラな髪へ伸びていった。
「いつ見ても綺麗」
神崎さんがるなちゃんの髪に触れ、隠され散りばめられた綺麗な金色が姿を現した。
「るなちゃんって少し金色も混ざってるんだ」
いつも外側の髪しか見えないから分からなかった、内側に綺麗な金色が......これ本当に地毛なの......?
「綺麗......」
「もっと近くで見てみる?」
「十分近いですよ」
僕はそう言いながら静華さんの方へ顔を向けると......そこには不敵な笑みを浮かべている静華さんの顔があった。
嫌な予感がする......
「じゃあ──」
「うわぁっ!」
急に車椅子をるなちゃんの隣まで押して、静華さんは何をするんだろうと思った途端、静華さんは行動を開始した。
「少し触っても......いい?」
「......うん......別に......いいよ」
なんだ......静華さんがるなちゃんの髪の毛触りたかったから、僕の車椅子を移動させただけか......ちょっと安心。
「本当に綺麗ね」
「遺伝......ってやつ......だよ......フィンランドに居るおばあちゃんも......元々白髪で......髪綺麗だし......」
「ほら、めっちゃ綺麗だよ? 奏汰くん」
「はい......綺麗ですね......」
ははーん、さては奏汰くんるなちゃんの髪の毛に見惚れてるなぁ......しょうがない、私がるなちゃんにお願いして触れるよう協力してあげ──
「奏汰も......触ってみる......?」
可愛い......ただその一言に限る......だって何今の! 奏汰くんの方に顔近づけて、少し恥ずかしそうに自分の髪を持っていく......ものすごく可愛い! 小動物が特定の人間にだけ心を開いてくれたみたいな感じだったよ今の!
「えっ......いやぁ......」
冗談なのか本当に触っていいのか分からなかった僕は、神崎さんと静華さんに目を向ける。
「ん? 助けを求めても無駄だよ灰羽さん、触りたければ触ればいいよ、本人が言ってるんだし」
「冗談とかでは......」
「ほら奏汰くん、るなちゃんの顔を見てみな」
「えっ?」
静華さんにいきなりそう言われ、反射的に僕はるなちゃんの顔を見た。
「別に......嫌なら......いいけど......」
なんでそんな顔するんだよ......触りたくなってしまうじゃないか! ......いや? 触ってもいいのか。
「......触らせていただきます」
僕は精一杯手を伸ばし、車椅子に座りながら髪の毛を触ろうとしたが届かなかった。だから僕は立ち上がろうとし、手を引っ込め車椅子の肘掛けに手を置いた。
「ちょっと......私が......行く......から」
「あっ......ありがとう」
気を利かせてくれた、るなちゃん優しい......
「これくらいで......触れ──あっ待っ!」
「ちょ! 危な......!」
足を滑らせ奏汰に覆いかぶさってしまったるなちゃん、なんだか満更でもない表情で......
「あっぶな......」
顔近......色々と危なかった......
「え待って、傾いてきてない!?」
「でも......もう少し......このまま......」
お互いの息が顔にかかるほどの至近距離、自分でも意味が分からないぐらい高鳴っている......この胸の音。
この時間が......1秒でも長く......続けばいいのに......
窓を閉めるついでに奏汰くんの水を取ろうとしていた静華さん、そこで夏凛のスマホを発見し手に取って画面を見てみると、そこには神崎さんと夏凛が何かのやり取りをしているメッセージ画面が表示されていた。
「理事長から連絡来た?」
「ああ来たよ、11月2日に央光《おうこう》で会議をすることにしたってな」
「半休使って行くのか?」
「いや、有給使って丸1日、夏凛も有給使ってよ」
「別にいいけど......なんで?」
「灰羽さんの誕生日プレゼントを買っておこうと思ってさ、11月10日だし、もうすぐだから」
「感謝も込めてか」
「その通り」
ここでやり取りは終わり、メッセージ時刻を見てみると昨夜の会話だった。
「夏凛ちゃん既読無視してるし......」
それはそうとなんで2人は央光の会議に出ようとしてるんだろ? あれは学校内の十二光《じゅうにこう》と理事長が出る会議だから、いくら卒業生だからって出られないはず......
「直接聞いた方が早いかぁ......」
「静華さんどうかしたんですか?」
「ううん、今行く!」
そう言い静華さんは夏凛のスマホをバックポケットに入れ、奏汰たち3人と朝食を食べに食堂へ向かった。
「あっそうだ、今日の夜のハロウィンパーティーに院長先生が来る予定だったんだけど、なんか用事で来られないみたいよ」
「そう......なんだ......」
「るなちゃんちょっと安心した?」
「うん......まあ......」
人と話すの緊張するし......奏汰のおかげで少しは話せるようになったけど......まだ不安......
「慣れていけば大丈夫よ──ってうわ!」
窓際に座っている患者さんが窓を開けた瞬間、力強い風が入り込んできた。
「風強いな」
そう言いながら神崎さんは自分の髪を束ね、左手に持っていたヘアゴムで髪を結んだ。
「雪希子《ゆきこ》さんとるなちゃんは髪長いもんねー、お手入れ大変そう......」
「私......お手入れっていうの......意識したこと......ない......かも......」
「凄いな、今のままでも十分すぎるぐらい綺麗」
るなちゃんの髪に魅了《みりょう》された神崎さんの左手は、手入れが入っているかのようなサラサラな髪へ伸びていった。
「いつ見ても綺麗」
神崎さんがるなちゃんの髪に触れ、隠され散りばめられた綺麗な金色が姿を現した。
「るなちゃんって少し金色も混ざってるんだ」
いつも外側の髪しか見えないから分からなかった、内側に綺麗な金色が......これ本当に地毛なの......?
「綺麗......」
「もっと近くで見てみる?」
「十分近いですよ」
僕はそう言いながら静華さんの方へ顔を向けると......そこには不敵な笑みを浮かべている静華さんの顔があった。
嫌な予感がする......
「じゃあ──」
「うわぁっ!」
急に車椅子をるなちゃんの隣まで押して、静華さんは何をするんだろうと思った途端、静華さんは行動を開始した。
「少し触っても......いい?」
「......うん......別に......いいよ」
なんだ......静華さんがるなちゃんの髪の毛触りたかったから、僕の車椅子を移動させただけか......ちょっと安心。
「本当に綺麗ね」
「遺伝......ってやつ......だよ......フィンランドに居るおばあちゃんも......元々白髪で......髪綺麗だし......」
「ほら、めっちゃ綺麗だよ? 奏汰くん」
「はい......綺麗ですね......」
ははーん、さては奏汰くんるなちゃんの髪の毛に見惚れてるなぁ......しょうがない、私がるなちゃんにお願いして触れるよう協力してあげ──
「奏汰も......触ってみる......?」
可愛い......ただその一言に限る......だって何今の! 奏汰くんの方に顔近づけて、少し恥ずかしそうに自分の髪を持っていく......ものすごく可愛い! 小動物が特定の人間にだけ心を開いてくれたみたいな感じだったよ今の!
「えっ......いやぁ......」
冗談なのか本当に触っていいのか分からなかった僕は、神崎さんと静華さんに目を向ける。
「ん? 助けを求めても無駄だよ灰羽さん、触りたければ触ればいいよ、本人が言ってるんだし」
「冗談とかでは......」
「ほら奏汰くん、るなちゃんの顔を見てみな」
「えっ?」
静華さんにいきなりそう言われ、反射的に僕はるなちゃんの顔を見た。
「別に......嫌なら......いいけど......」
なんでそんな顔するんだよ......触りたくなってしまうじゃないか! ......いや? 触ってもいいのか。
「......触らせていただきます」
僕は精一杯手を伸ばし、車椅子に座りながら髪の毛を触ろうとしたが届かなかった。だから僕は立ち上がろうとし、手を引っ込め車椅子の肘掛けに手を置いた。
「ちょっと......私が......行く......から」
「あっ......ありがとう」
気を利かせてくれた、るなちゃん優しい......
「これくらいで......触れ──あっ待っ!」
「ちょ! 危な......!」
足を滑らせ奏汰に覆いかぶさってしまったるなちゃん、なんだか満更でもない表情で......
「あっぶな......」
顔近......色々と危なかった......
「え待って、傾いてきてない!?」
「でも......もう少し......このまま......」
お互いの息が顔にかかるほどの至近距離、自分でも意味が分からないぐらい高鳴っている......この胸の音。
この時間が......1秒でも長く......続けばいいのに......
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