賢者

コン太

文字の大きさ
1 / 4

モノクロ

しおりを挟む
 ~モノクロ~

 (あれ、さっきまで仕事の話をしていたのにどうして屋上に…。え、空??
なんだか暗い。正確にはって感じかな。
モノクロ写真みたいだ。)

「…!せん…!」

(声が聞こえる…。)

「先輩!先輩!」

「?」

「どうしたんですか先輩、さっきからずっとボケーっとして!」

「あぁ、ごめん。」
(仕事の疲れかな。。。)

見えた光景は、高層ビルが立ち並んだ、都心部と思われる街並みだった。
きっと昨日の残業が頭に響いたんだろう。そう思い、僕は早めに布団に入った。


またあの光景だ。
太陽の光を反射させる高層ビルの窓
足元を動く小さな粒
小さな四角い箱も止まったり動いたり。
全てがモノクロだ。
白と黒の抑揚。なんて曖昧な世界だろう。
箱や粒の違いなんて分かりもしない

意味を持たない集合体。

ただ足元を動き回る不規則な粒たち。

風の音が聞こえない

身体を押す風の感覚もない

何も感じない

灰色の雲

灰色の太陽

ただ見える

灰色の世界

妙に身体が軽い。動かせない

この身体は一体…

僕は。


誰だ?


ピピピピピ…!
目覚まし時計が僕を起こす。
少し汗をかいていた僕はシャワーを浴びて会社に行った。

ヤバい。遅刻する。
部長に怒られる。
電車に遅れ、僕はタクシーを捕まえて
薄っぺらの財布と共に乗った。
(今日の昼は無しだな。ハハっ)

 僕は新聞社の社員として働いている。
入社してもうすぐ5年で、
素人ともベテランとも言えないご身分だ。
こんな微妙な地位でありながら来年には昇格。
それに部長が気に入らないのか、何かしら僕に嫌がらせをしてくる。
大量の書類。責任の押し付け。
飲み会の時間を微妙にズラしたり
しょうもない事だが、続けばストレスも溜まる。
増える溜め息。
嫌悪感。
自分よりも優れた人間を目の前にすると、人は何とか蹴り落とそうとする。
それが人の性
それらを全て受け止めてきた。

「おい!聞いてるのか!先輩として恥ずべきことだ!」

「あ、はい!すみませんでした!今後このようなことが無いように気をつけます!」

最近、考え事が多いな。
そのせいで人の話も全く頭に入ってこない。
あの光景が頭に焼きつく。

モノクロの世界

自分に何かしらの変化が起きていることは、
薄々だが気づいた。

あの光景は一体…
あの身体は。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

奪った代償は大きい

みりぐらむ
恋愛
サーシャは、生まれつき魔力を吸収する能力が低かった。 そんなサーシャに王宮魔法使いの婚約者ができて……? 小説家になろうに投稿していたものです

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

離婚すると夫に告げる

tartan321
恋愛
タイトル通りです

処理中です...