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深夜の電話
しおりを挟む覚えている。
キミが居なくなってから、10年が経ったよ。
僕が、キミが居ない10年を過ごしてきた。もうすぐ、キミの所に行ける。
10年前のセリフの返事をするよ。
あの時には返事が出来なかったからね。
”僕は、キミが今でも好きだ”
ねぇキミ達は、なんで僕から彼女を奪ったの?
ねぇこの10年。キミ達は幸せだった?
ねぇ僕はこの10年。充実していたよ。キミ達を探していたからね。
ねぇ何で黙っているの?キミたちが彼女を僕から奪ったのだよ?
キミたちを探すのは簡単だったよ。
僕は彼女と電話していたからね。
彼女は、10年前に僕に聞いたよ。
”ねぇ今でも私のことが好き?”
僕はね。彼女の問いに答えられなかった。キミたちが邪魔したからだよ。彼女の悲鳴が、僕の返事をかき消した。
ねぇなんとか言ってよ。黙っていたらわからないよ?
腕の一本くらい気にならないでしょ?だって、僕は10年間苦しんだよ。彼女を助けられなかった。お義母さんを助けられなかった。お義姉さんを助けられなかった。すぐに、キミたちを殺したかったよ。でも、出来なかった。僕では力が足りなかった。
10年もかかってしまったよ。体力を付けた。
ほら、キミの腕くらいなら簡単に折れるよ。いい音だね。そんな叫ばないでよ。彼女やお義母さんが止めてと言って止めた?止めてないよね。
なんで、キミたちがしなかったことを、僕がしてあげる必要があるの?
キミたちを助けても僕の10年は戻ってこないよ?彼女を返してくれるの?お義母さんを返してくれるの?お義姉さんを返してくれるの?
ほらここをよく見てよ。キミの汚い鼻血で、10年前に彼女に貰ったズボンが汚れちゃったよ。どうしてくれるの?
後9時間。
まだまだ楽しめそうだね。
キミたちに、僕が苦しんだ10年間を味わって貰うよ。
そのための準備もしてきたよ。10年は長かったけど、短いね。
キミたちが楽しめるように、遊びの方法を考えるのは楽しかったよ。
え?ただ、腹を思いっきり蹴っただけで泣きそうなの?
キミはお義母さんに何をしたの?彼女を逃がそうとしただけで、刺したのだよね?
キミはお義姉さんを犯したのだよね?
彼女が、自殺したのを誤魔化すために火を付けたのだよね?
大丈夫。最後は、彼女とお義母さんとお義姉さんと同じようにしてあげる。ゆっくり、煙が出ないように焼き殺してあげる。
ハハハ。
10年だよ。僕は、やっと彼女の所に行ける。
やっとだよ。
”ねぇ今でも私の事が好き?”
”好きだよ。僕は、何でもキミを好きになる”
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