スキルが芽生えたので復讐したいと思います~スライムにされてしまいました。意外と快適です~

北きつね

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第四章 スライムとギルド

第二話 鑑定石

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 円香さんが、少女主殿から渡された魔石を見ている。

 円香さんやギルドの皆には伝えていないが、少女主殿が着ていたのは制服だ。市内の高校が”今年から採用した”制服だ。少女主殿が、高校に通っているのかは、判断ができない。でも、高校の制服を入手できる立場だった。

 いとこが、同じ高校に通っている。
 調べれば、解るかもしれない。でも、調べてどうするのか?あの少女主殿が何を望んでいるのか解らない。

”にゃ!”

「どうしたの?」

 クロトが、足下にやってくる。
 鳴き声で、クロトかラキシか判断ができる。

 二匹にも変化があった。アトスも同じような変化が発生したから、3匹に同じような変化だ。
 最初は解らなかった。少女主殿と会ってから、ギルドに戻ると3匹が明らかにスキルを使い始めた。蒼さんは”身体強化”と言っていたが、私と千明が確認したら、”身体強化”のスキルではない。単純に、基礎体力?能力?が上がったようだ。数値で示されないから判断は難しい。魔石が、身体に馴染んだから、魔石の力をうまく使えるようになったと、考えれば納得ができる。

 そして、目の色が変わった。
 猫らしい茶色だった目が、藍色に変わった。そして、ラキシだけが、スキルを使う時に栗色に変わる。
 どうやら、3匹の中で、ラキシだけが特別な存在のようだ。なんで、そうなったのか、ラキシたちにも解らないらしい。少女主殿やライ殿が”何か”を行ったわけではない。よね?

「茜!」

「はい?」

 円香さんに呼ばれてびっくりした。
 急に大きな声を出して、名前を呼ばれた。何もしていない。

「茜?気が付かない・・・。の?」

「え?なに?」

 今度は、千明だ。
 千明は、ハンドバッグから手鏡を取り出して、私に見せる。

「え?」

 私の目の色が、ラキシと同じになっている。

”ニャウ!!”

 膝の上に乗ってきたラキシを撫でると、ラキシの意思が伝わってきた。

「え?ラキシ!本当?」

”ニャウン”

 可愛く鳴くラキシを撫でる。

「円香さん」

「なんだ?」

「主殿から貰った。今、手に持っている魔石を貸してください!」

 扱いに困る魔石だ。
 ラキシの言葉が本当なら・・・。

/// 鑑定石(350/350)
/// 蟻のスライムから獲れた魔石を集めた物に、鑑定の力が付与された物
/// 持つことで、”鑑定”のスキルが発動できるようになる

 本当だ!
 机とか、鑑定しようとしてもダメだ。人も鑑定ができない。

「茜?」

「あっ。ごめんなさい。”鑑定”が使えるようです」

「え?本当か?」

「はい。でも、魔物由来の物だけです。人や机とか解りません」

 鑑定結果を紙に書きだす。

 少女主殿から貰った他の魔石も鑑定してみる

/// 魔石(480/500)
/// ウォー・ゴブリン・ソルジャーの魔石

/// 魔石(750/800)
/// ウォー・ゴブリン・メイジの魔石

/// 魔石(495/500)
/// ウォー・ゴブリン・ソルジャーの魔石

 残りの二つも、ソルジャーの魔石だ。
 数値の違いがある。数値も書き出して、円香さんに渡す。

 円香さんが、鑑定石を持って、”鑑定”と唱えている。

「茜。確認してくれ」

「はい」

 鑑定石を渡される。

「数値が変わっています。347」

「そうか・・・。鑑定、一回で魔力?が、”3”減るのか?」

「茜嬢。この魔石を鑑定して欲しい」

 孔明さんが、小さい魔石を持ってきた。

/// 魔石(7/20)
/// ゴブリンの魔石

 鑑定結果を書き出して、孔明さんに渡す。

「ありがとう。ゴブリンと出ましたか?」

「はい」

「これは?」

 渡された魔石は、少しだけ大きな魔石だ。少しだけ色が付いている。赤色?っぽく見える。

/// 魔石(11/30)
/// ゴブリン・ソルジャーの魔石

「孔明さん?」

 書き出した魔石のデータを渡す。
 難しそうな表情をする孔明さん。

「茜嬢。もう一つだけ鑑定を頼みたい」

「はい。いいですよ?」

「疲れませんか?」

「え?」

「円香の話では、1回の鑑定の実行で、魔力を”3”使うようです。茜嬢は、先ほどから連続で、10回近い鑑定をしています」

「そうですね?大丈夫だと思いますよ?」

 どうやら、私の魔力を心配してくれているようだけど、魔力の総量が解らない。疲れては居ないし、頭痛や倦怠感もないと伝える。

”ニャウ”
”にゃにゃにゃ!”

「え?本当?」

 膝の上に乗っていた、ラキシとクロトが同時に鳴いた。
 そして、”魔力”に関しての情報を私に伝えてきた。

「どうしました?」「なんだ?」

「クロトとラキシからの情報です。今は、調べるのが難しいのですが・・・」

「構わない」「教えてくれ」

 二人が、前のめりになっている。
 千明に助けを求めようと思うが、千明は蒼さんと一緒に少しだけ離れた所で、こちらを見ている。完全に、傍観者だ。アトスも退避している。千明の肩に乗っている。

「孔明!」

 蒼さんに目線を向けると、孔明さんの名前を呼んでくれた。
 助かったと思ったら・・・。甘かった。

「なんだ!」

「孔明から依頼された魔石を取って来たぞ?茜に渡せばいいのか?」

 ダメだ。使えない。

「孔明さん。次は、その魔石を鑑定すればいいのですか?」

「その前に、”魔力”に関して、知りえた情報を教えてくれ、もしかしてステータスがあるのか?」

”ニャニャウ”

「・・・」

 ラキシ。
 余計な事を・・・。

「茜!」

 はい。はい。
 無駄な努力ですね。解っています。

「魔力ですが、私の鑑定と鑑定石の鑑定は、違うようです。あっ理由は聞かないでください。そういう物だと思ってください」

 円香さんと孔明さんの反応を見ながら、クロトとラキシから聞いた話を伝える。

「私の鑑定は、私とクロトとラキシの魔力が使われるようです。鑑定程度なら、”まばたき”をする程度の疲労で、殆ど魔力を必要としないようです。鑑定レベルが上の場合には、人や魔物由来以外の鑑定ができるようですが、その時には、全力で走るくらいの疲労を感じる魔力が必要らしいです。あっ距離はわかりません。ただ、全力で走るのと同じくらいだと言っています」

 ふぅひとまず、魔力の説明ができた。
 忘れていたことがあった。

「魔石を鑑定した時に、鑑定石では数字が一つだと思います。私の鑑定では、二つです」

「そうだな」

 円香さんが、私の書いた鑑定結果をみながら頷いてくれた。

「私の鑑定結果の数値で、前の物が魔石に蓄えられている魔力の量で、後ろが魔石の限界値らしいです。魔物は、魔石の限界値で強さが決まるようです」

「・・・」「そうか・・・。茜嬢は、鑑定の負担はないのだな?」

「そうですね。ないようです。よくわかりません」

「わかった。それで、ステータスは?」

 忘れてくれていなかった。
 説明が面倒だ。

 ステータスは、あるけど・・・。ステータスとして、表示されることはない。

「はぁ・・・。ステータスは、あるようです。ただ、数値で表せるような物ではないようです。RPGの様に、HPやMPがあるわけではなく・・・。うまく説明ができませんが、戦闘力のように、全体的な強さを示す目安はあるようですが、二匹から聞いても、要領を得ない状況です」

「わかった。ステータスは、横に置いておこう。いいな。孔明。お前が気になるのはわかるが、大事なのはそこではない」

「あぁ・・・。解っている」

「茜。スキルを使うと、疲れる場合があるのだな?」

「そうみたいですね」

「蒼。お前は、スキルの使用回数を把握しているか?」

「俺か?もちろん、把握しているぞ?孔明も円香も、限界は解っているのだろう?」

”にゃにゃ!”
”ニャニャニャウ”

 え?
 はぁ・・・。そうなのね。

「茜?」「茜嬢!」

 もう・・・。もしかして、この情報は、魔物の中では常識なの?
 それとも、少女主殿だから知っていることなの?

 ワインズマンに聞いてみたいけど、絶対に藪蛇だよな?

 円香さんと孔明さんだけじゃなく、蒼さんの視線も怖い。

 膝の上に居る可愛い二匹を見れば、自分たちが悪い事をしたとは思っていない。そうだよね。確かに・・・。クロトとラキシは、自分たちが知っている”常識”を私に教えてくれただけ。二匹は、何も悪くない。悪くないけど、恨み言の一つも言いたくなってしまう。
 でも、可愛いから頭と背中を撫でてやろう。
 教えてくれて、”ありがとう”という気持ちを込めて・・・。恨み節は、あとで、千明にぶつけよう。これは決定事項だ。離れた場所で、アトスを確保して、こちらに気が付かれないように会話をしている。私にはよく聞こえている。

「・・・。”魔石を持って、スキルを使えば、疲れない”らしいです」

「もしかして・・・」

 円香さんが考えていることがわかってしまった。
 頷いて答える。

 魔石を持ちながら、限界までスキルを使えば、大凡の魔力量が解る。私と千明はダメだけど・・・。
 そして、スキルの必要になる魔力量が解れば、戦略を立てやすくなる。

”にゃ!”
”ニャウン!”

 ドヤ顔が可愛い。
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