1 / 46
1.出会いは突然
1.鼻血
しおりを挟む
慶孝は自分の名前の画数が多いのが嫌で仕方がない。
夜な夜な遊び歩いて女を抱き、憂さを晴らしている。
女に遊ばれるならこちらが遊んでやればいい、そういう男だった。
しかし、それは不幸を呼ぶことになるとは、その時点では思ってもみなかった。
慶孝が女と歩いていると、突然現れた女に殴られた。
その女は、珍しく自分に好意を持っていたかもしれない女だった。それらしきことは言われたような気がするが、慶孝のほうはそんな気はさらさらない。
「最低!」
そう言われながら、ボコボコにされた。連れの女も何度か攻撃されていた。
夜道でいきなり、そんなことが起これば騒然とするだろう。
通りすがりの通行人は唖然、その前にあった本屋の客たいが出てきて騒然とした。しかし誰もが遠巻きでいるばかりだった。
まあ、警察を呼ぶ者もいれば、SNSにアップするつもりなのか盗撮をする者もいたように見える。
「いててて……」
道端で慶孝は転がった。
殴った女も、とばっちりを食らった女も逃げていった。
「あの、大丈夫ですか……」
へばっていると、出てきた女子高生が驚き、慶孝に声をかけた。本屋の前だ、女子高生がいてもおかしくはない。
「大丈夫だ」
「救急車、呼ばれましたか」
「いや、呼ばなくていい、殴られて鼻血が出ただけだ」
「えっじゃ、じゃあ警察のほうが」
「呼ばなくていい!」
彼女はびくりとした。
「悪い……ほんとに大丈夫だから。痴話喧嘩だから、警察とかは勘弁してくれ」
「わ、わかりました……」
女子高生は素直に頷いた。
でも血が出てますから、と彼女はバッグからハンドタオルを出し差し出した。
「なんだ?」
「とりあえず押さたほうがいいと思いますので。あっ、汚いですよね、すみません、どうしよう、一枚しかいないや。ティッシュがあった!」
その手を引っ込めようとしたのを見て、慶孝は奪うようにして受け取った。
「汚してもいいなら使う」
そうして鼻に当てた。
上を向こうとした慶孝に、
「駄目です!」
彼女は制止した。
「上を向くのは駄目ですよ。そこに座ってもらえますか……。頭をちょっと前に下げて、ハンカチを当てたまま鼻をつまむようにしてもらえますか。口で息をしてくださいね」
「…………」
慶孝は言われるがまま従った。
「大丈夫、ですか……」
「口に……血が……」
「それはぺって吐き出してくださいね。あとで、わたしが水で洗い流しますから」
「…………」
口に溜まった血を、何度か吐き出した。
「あの、そのままちょっと待っててくださいね。そこの自販機で水、買ってきますから」
すたっと立ち上がり、女子高生は自販機で水を二本買うと戻ってきた。
じっと側にしゃがみ、彼女の視線は慶孝の鼻と自分の腕時計を何度か往復した。
まっすぐな瞳に、心臓がうるさくなる。
十分くらい経過した頃、周囲が慌ただしくなった。
「ちょっと、よろしいでしょうか」
警察官が二人、慶孝たちの前に立ちはだかった。
「……はい?」
受け答えのできない慶孝に代わって、女子高生は立ち上がって応える。
「ここで男性が女性に殴られている、という通報がありまして」
慶孝が女子高生に殴られたとでも思っているのか、疑うような目で彼女を見下ろしている。苛立った慶孝は立ち上がろうとしたが、
「あ、まだです」
彼女が座ったままで、と示唆した。
「この方、鼻血が出ていますので」
「では殴ったのは、あなたということですか?」
んなわけねえだろ、と言いかけ、慶孝は鼻を押さえたまま立ち上がった。
「よく見たら高校生みたいだけど、なんでこんな時間にうろついてるんだ?」
「この子は俺の手当をしてくれてるだけだ、関係ない。だいたい『通報したヤツ』って誰なんだよ。呼んでくれなんて頼んでない」
周囲をぐるりと見渡した。暗くてよくは見えなかったが、恐らくこの野次馬のなかに、いる。鋭い視線で見渡すと、一人の若い男性と目が合い、すぐに逸らされた。
(あいつか……)
わかりやすいな、と思った。スマホをこちらに向けていたので尚のことだ。
「痴話喧嘩で女に殴られただけだ」
慶孝が警察官に向かって言うと、
「あの、まだ座ってないと」
女子高生は心配そうに言った。
「うるせえよ」
「…………」
「悪い」
当てていたタオルを下ろし、慶孝は警察官たちと対峙した。
「事件でもなんでもない。この子は通りすがりで、俺の手当してくれた、それだけだ」
さっさと行ってくれ、と片手で追い払うような仕草をすると、いくつかの尋問に答えさせられ、そのあとやっと彼らは背を向けた。部下らしい警察官のほうは忌々しげに睨んでいったが。
「悪かったな」
「……いえ」
彼女は俯いたまま首を横に振った。
「もう大丈夫だ」
「あっ、これでうがいをしてください」
水の入ったペットボトルを差し出され、慶孝は受け取る。
排水溝まで行き、何度かうがいをして吐き出した。
元の場所に戻ると、彼女は、先程慶孝が吐き出した血をもう一本の水で洗い流していた。店の前に残したままにするわけにはいかないからだろう。先程も「洗い流します」と言っていた。
「もう血は止まりましたね」
「おう、止まった」
「あの、申し訳ないんですけど、またちょっとしゃがんでもらえますか」
「……おう」
慶孝は言われたとおりしゃがむ。股を開き、相手を威嚇するような腰の下ろし方だ。
彼女は残った水でティッシュを少し湿らせ、慶孝の顔に近づけた。
「…………」
顔に残っている血を拭いてくれているらしい。そんな派手に血が出たのか、と呆れてしまう。そういえば顔面をボコボコに殴られたなあ……と振り返った。
街灯の下、丁寧に拭いてくれる女子高生の顔をまじまじと見返す。先程と同じく真剣な目をして、慶孝の顔の汚れを拭ってくれているというのに、彼女の顔の評価を始めた。
(可愛い顔立ちだな……でもガキだ……)
化粧はしていない。今日日女子高生は化粧をしているものだと思っていたが。
夜に会う女たちと違い、肌には透明感がある。暗くてもわかる。化粧をしていないのに、だ。化粧をしていないからだろうか? 当然この制服の下の肌も汚れてはいないのだろう。
(……なんて、どっちでもいいか)
顔立ちは、特別美人でも特別可愛いわけでもない、不細工でもない。でも「特別」じゃないだけで、可愛い顔立ちをしていた。
(どっちかっていうと可愛いよな)
化粧はしていなくてもリップくらいはしているのだろう、潤んだ唇がぷっくりしていて、形がいい。
(体つきは……)
足の細さからすると、身体も細身、肉付きはいいほうではなさそうだ。胸も大きくはないだろう。
(まあまだ成長するだろうしな。腰も細い。良い身体にはなる)
食べ応えがあるか……と考えて思考を抹消した。
(ガキに何欲情してんだ)
そう言い聞かせるが、彼女の指先を頬に感じる度に、心音が早くなる。
「はい、終わりました」
「…………」
気恥ずかしくなり、慌てて目を逸らした。
心臓がまだ少しうるさい。
「サンキュ」
「いえ、どういたしまして」
すっと立ち上がり、女子高生を見下ろした。
「このタオル、もらうわ。鼻血まみれにしちまったし」
「いえ、大丈夫です。わたしが引き取ります」
「いいよ。大事なもんだっていうなら、弁償する」
「それは大丈夫です。三枚三百円のなので」
「一枚百円か」
「でも、三枚セットのなので……」
何言ってんだ、と慶孝は笑った。
「ありがとな」
ぽん、と頭に手を置いて撫でたあと、しまった、と思ったが遅かった。
「ハラスメントってやつになるな」
ガキだ、と思ってついそんな扱いをしてしまったことを申し訳なく思った。
「悪いな」
「いえ……」
女子高生また俯いた。
「あんた、看護師目指してるとかか?」
「え?」
「いや、手際良かったからさ……」
彼女は顔を上げ、違います、と否定した。
「子供の頃から自分が鼻血をよく出していて、その時に言われてたので。間違った方法が知られがちだけど、正しい対処法はこれだよって教わって。それで」
「そうか……。おかげで助かったわけだけど」
恥ずかしそうな彼女を見下ろし、慶孝は笑った。
ポケットから財布を出し、札を何枚か抜き取って彼女の手に握らせる。
「なっ、なんですかっ」
「タオルと水の代金」
そんなの結構ですっ、と彼女は慌てて慶孝に突き返した。
千円札二枚じゃ少ないかと思ったが、返されてしまった。
「それじゃ俺の気がすまない。なんか礼がしたい。時間あるか?」
「そんなの、本当に大丈夫ですから」
いきなり誘ってしまっては不審だったかもしれない。しかももう遅い時間だ。
「今日が難しいなら別の機会で良い。俺の気が済まない」
「ほんとに、そういうのは……」
「じゃあ、せめてこのタオルと手当の礼、あと水代返したい」
「……」
本当にいいんですけどね、と彼女は困惑した表情を見せた。
「何かほしいものはないのか」
「……特に……」
「わかった。それなら、このタオルの弁償ってことで何か調達してくるから」
「あの、ほんとに……あ……は……い……」
困った顔のまま、彼女は頷いた。
「この本屋に来ることあるか?」
「あ……えと、学校の帰りに寄ることは多いです」
「じゃあ、明日。明日もこの時間、来られるか?」
「はい、大丈夫です」
「明日までに用意してくるから。来てくれるか」
「……わかりました」
慶孝は女子高生と約束をした。
(ヤバ……惚れたかも……)
夜な夜な遊び歩いて女を抱き、憂さを晴らしている。
女に遊ばれるならこちらが遊んでやればいい、そういう男だった。
しかし、それは不幸を呼ぶことになるとは、その時点では思ってもみなかった。
慶孝が女と歩いていると、突然現れた女に殴られた。
その女は、珍しく自分に好意を持っていたかもしれない女だった。それらしきことは言われたような気がするが、慶孝のほうはそんな気はさらさらない。
「最低!」
そう言われながら、ボコボコにされた。連れの女も何度か攻撃されていた。
夜道でいきなり、そんなことが起これば騒然とするだろう。
通りすがりの通行人は唖然、その前にあった本屋の客たいが出てきて騒然とした。しかし誰もが遠巻きでいるばかりだった。
まあ、警察を呼ぶ者もいれば、SNSにアップするつもりなのか盗撮をする者もいたように見える。
「いててて……」
道端で慶孝は転がった。
殴った女も、とばっちりを食らった女も逃げていった。
「あの、大丈夫ですか……」
へばっていると、出てきた女子高生が驚き、慶孝に声をかけた。本屋の前だ、女子高生がいてもおかしくはない。
「大丈夫だ」
「救急車、呼ばれましたか」
「いや、呼ばなくていい、殴られて鼻血が出ただけだ」
「えっじゃ、じゃあ警察のほうが」
「呼ばなくていい!」
彼女はびくりとした。
「悪い……ほんとに大丈夫だから。痴話喧嘩だから、警察とかは勘弁してくれ」
「わ、わかりました……」
女子高生は素直に頷いた。
でも血が出てますから、と彼女はバッグからハンドタオルを出し差し出した。
「なんだ?」
「とりあえず押さたほうがいいと思いますので。あっ、汚いですよね、すみません、どうしよう、一枚しかいないや。ティッシュがあった!」
その手を引っ込めようとしたのを見て、慶孝は奪うようにして受け取った。
「汚してもいいなら使う」
そうして鼻に当てた。
上を向こうとした慶孝に、
「駄目です!」
彼女は制止した。
「上を向くのは駄目ですよ。そこに座ってもらえますか……。頭をちょっと前に下げて、ハンカチを当てたまま鼻をつまむようにしてもらえますか。口で息をしてくださいね」
「…………」
慶孝は言われるがまま従った。
「大丈夫、ですか……」
「口に……血が……」
「それはぺって吐き出してくださいね。あとで、わたしが水で洗い流しますから」
「…………」
口に溜まった血を、何度か吐き出した。
「あの、そのままちょっと待っててくださいね。そこの自販機で水、買ってきますから」
すたっと立ち上がり、女子高生は自販機で水を二本買うと戻ってきた。
じっと側にしゃがみ、彼女の視線は慶孝の鼻と自分の腕時計を何度か往復した。
まっすぐな瞳に、心臓がうるさくなる。
十分くらい経過した頃、周囲が慌ただしくなった。
「ちょっと、よろしいでしょうか」
警察官が二人、慶孝たちの前に立ちはだかった。
「……はい?」
受け答えのできない慶孝に代わって、女子高生は立ち上がって応える。
「ここで男性が女性に殴られている、という通報がありまして」
慶孝が女子高生に殴られたとでも思っているのか、疑うような目で彼女を見下ろしている。苛立った慶孝は立ち上がろうとしたが、
「あ、まだです」
彼女が座ったままで、と示唆した。
「この方、鼻血が出ていますので」
「では殴ったのは、あなたということですか?」
んなわけねえだろ、と言いかけ、慶孝は鼻を押さえたまま立ち上がった。
「よく見たら高校生みたいだけど、なんでこんな時間にうろついてるんだ?」
「この子は俺の手当をしてくれてるだけだ、関係ない。だいたい『通報したヤツ』って誰なんだよ。呼んでくれなんて頼んでない」
周囲をぐるりと見渡した。暗くてよくは見えなかったが、恐らくこの野次馬のなかに、いる。鋭い視線で見渡すと、一人の若い男性と目が合い、すぐに逸らされた。
(あいつか……)
わかりやすいな、と思った。スマホをこちらに向けていたので尚のことだ。
「痴話喧嘩で女に殴られただけだ」
慶孝が警察官に向かって言うと、
「あの、まだ座ってないと」
女子高生は心配そうに言った。
「うるせえよ」
「…………」
「悪い」
当てていたタオルを下ろし、慶孝は警察官たちと対峙した。
「事件でもなんでもない。この子は通りすがりで、俺の手当してくれた、それだけだ」
さっさと行ってくれ、と片手で追い払うような仕草をすると、いくつかの尋問に答えさせられ、そのあとやっと彼らは背を向けた。部下らしい警察官のほうは忌々しげに睨んでいったが。
「悪かったな」
「……いえ」
彼女は俯いたまま首を横に振った。
「もう大丈夫だ」
「あっ、これでうがいをしてください」
水の入ったペットボトルを差し出され、慶孝は受け取る。
排水溝まで行き、何度かうがいをして吐き出した。
元の場所に戻ると、彼女は、先程慶孝が吐き出した血をもう一本の水で洗い流していた。店の前に残したままにするわけにはいかないからだろう。先程も「洗い流します」と言っていた。
「もう血は止まりましたね」
「おう、止まった」
「あの、申し訳ないんですけど、またちょっとしゃがんでもらえますか」
「……おう」
慶孝は言われたとおりしゃがむ。股を開き、相手を威嚇するような腰の下ろし方だ。
彼女は残った水でティッシュを少し湿らせ、慶孝の顔に近づけた。
「…………」
顔に残っている血を拭いてくれているらしい。そんな派手に血が出たのか、と呆れてしまう。そういえば顔面をボコボコに殴られたなあ……と振り返った。
街灯の下、丁寧に拭いてくれる女子高生の顔をまじまじと見返す。先程と同じく真剣な目をして、慶孝の顔の汚れを拭ってくれているというのに、彼女の顔の評価を始めた。
(可愛い顔立ちだな……でもガキだ……)
化粧はしていない。今日日女子高生は化粧をしているものだと思っていたが。
夜に会う女たちと違い、肌には透明感がある。暗くてもわかる。化粧をしていないのに、だ。化粧をしていないからだろうか? 当然この制服の下の肌も汚れてはいないのだろう。
(……なんて、どっちでもいいか)
顔立ちは、特別美人でも特別可愛いわけでもない、不細工でもない。でも「特別」じゃないだけで、可愛い顔立ちをしていた。
(どっちかっていうと可愛いよな)
化粧はしていなくてもリップくらいはしているのだろう、潤んだ唇がぷっくりしていて、形がいい。
(体つきは……)
足の細さからすると、身体も細身、肉付きはいいほうではなさそうだ。胸も大きくはないだろう。
(まあまだ成長するだろうしな。腰も細い。良い身体にはなる)
食べ応えがあるか……と考えて思考を抹消した。
(ガキに何欲情してんだ)
そう言い聞かせるが、彼女の指先を頬に感じる度に、心音が早くなる。
「はい、終わりました」
「…………」
気恥ずかしくなり、慌てて目を逸らした。
心臓がまだ少しうるさい。
「サンキュ」
「いえ、どういたしまして」
すっと立ち上がり、女子高生を見下ろした。
「このタオル、もらうわ。鼻血まみれにしちまったし」
「いえ、大丈夫です。わたしが引き取ります」
「いいよ。大事なもんだっていうなら、弁償する」
「それは大丈夫です。三枚三百円のなので」
「一枚百円か」
「でも、三枚セットのなので……」
何言ってんだ、と慶孝は笑った。
「ありがとな」
ぽん、と頭に手を置いて撫でたあと、しまった、と思ったが遅かった。
「ハラスメントってやつになるな」
ガキだ、と思ってついそんな扱いをしてしまったことを申し訳なく思った。
「悪いな」
「いえ……」
女子高生また俯いた。
「あんた、看護師目指してるとかか?」
「え?」
「いや、手際良かったからさ……」
彼女は顔を上げ、違います、と否定した。
「子供の頃から自分が鼻血をよく出していて、その時に言われてたので。間違った方法が知られがちだけど、正しい対処法はこれだよって教わって。それで」
「そうか……。おかげで助かったわけだけど」
恥ずかしそうな彼女を見下ろし、慶孝は笑った。
ポケットから財布を出し、札を何枚か抜き取って彼女の手に握らせる。
「なっ、なんですかっ」
「タオルと水の代金」
そんなの結構ですっ、と彼女は慌てて慶孝に突き返した。
千円札二枚じゃ少ないかと思ったが、返されてしまった。
「それじゃ俺の気がすまない。なんか礼がしたい。時間あるか?」
「そんなの、本当に大丈夫ですから」
いきなり誘ってしまっては不審だったかもしれない。しかももう遅い時間だ。
「今日が難しいなら別の機会で良い。俺の気が済まない」
「ほんとに、そういうのは……」
「じゃあ、せめてこのタオルと手当の礼、あと水代返したい」
「……」
本当にいいんですけどね、と彼女は困惑した表情を見せた。
「何かほしいものはないのか」
「……特に……」
「わかった。それなら、このタオルの弁償ってことで何か調達してくるから」
「あの、ほんとに……あ……は……い……」
困った顔のまま、彼女は頷いた。
「この本屋に来ることあるか?」
「あ……えと、学校の帰りに寄ることは多いです」
「じゃあ、明日。明日もこの時間、来られるか?」
「はい、大丈夫です」
「明日までに用意してくるから。来てくれるか」
「……わかりました」
慶孝は女子高生と約束をした。
(ヤバ……惚れたかも……)
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる