幼馴染じゃなくなる日

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3.普通男子×地味女子

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 結局、由衣が先に風呂を借りることになった。
 下着類は洗濯し、乾燥機をかけさせてもらった。
 風呂をあまり長く借りてはいけないと思って急いだつもりだったが、出た時には、洗面台に、トラベルサイズの化粧品セットが置かれてあった。もう買ってきてくれたらしい。
「祐ちゃん、ありがとう……」
「おー、上がった? 朝飯も用意したぞ」
「わ」
 トーストと、スクランブルエッグが用意されていた。
「な、なんかすごいんですけど」
「そうか?」
「わたし、毎朝御飯と卵焼き……」
「お、由衣もすごいじゃん。飲み物は何がいい? コーヒー? 紅茶? ちなみにインスタントな。あとは豆乳か麦茶」
 いろいろあるんだね、と由衣は笑った。
「じゃあ、豆乳を」
「俺と一緒だー」
 彼はマグカップに豆乳を入れて運んで来てくれた。
「至れり尽くせりだね、ありがとう」
「どういたしまして」
 いただきます、と二人は朝食を食べた。
 片付けくらいはさせて、と言ったが祐輝は全部済ませてくれた。
「由衣、髪が濡れたままだから乾かしておいでよ。ドライヤーは、洗面台の下に入れてるから」
「あ、うん」
「その間に俺も風呂入る。乾燥機はもうちょいみたいだし、待ってくれな」
 祐輝はいろいろと手際がよかった。
 その様子を見て、
(子供の頃もいろいろ面倒見てくれたけど、全然変わってないんだな)
 と思った。
 髪を乾かしたあとは、またローテーブルの前に戻って座った。
 何もすることがない。
 乾燥はまだ終わっていないし、祐輝も風呂だ。
 ベッドを背もたれにして、ぼんやりする。
 勝手にテレビを見るのもなんだしな、とぼうっとするしかなかった。
 膝を抱え、またうとうととしてしまう。
(祐ちゃんの部屋、落ち着くなあ……)
 再会したとはいえ、いきなり男性の部屋に行って眠りこけるとは。
(祐ちゃんだと安心しちゃうんだろうな……)

「おーい、由衣、また寝てんのか」
「あっ、ごめん」
 顔をあげると祐輝が笑っている。
「寝るならベッドに横になれ。身体痛めるぞ」
「ううん、大丈夫。なんか、うとうとしちゃったよ」
「別にいいぞ、服が乾くまで寝てても」
「大丈夫」
 由衣は場所を移動しようと立ち上がりかけ、
「あ」
 スエットがずるりと滑り落ちそうになり、慌てて押さえた。
「やっぱデカいか」
「紐縛ったけど、それでも大きいみたい」
「悪いな」
「ううん」
 祐輝は細身だと感じたが、それでも女性の体型とは全然違う、男性の体型なのだと知った。
「あともう少しで終わるから」
「うん、ありがとう」
 髪をタオルで拭っている祐輝は、ベッドの縁に腰を下ろした。
 邪魔になるかな、とやはり移動を試みる。
「座ってていいぞ」
「でも」
「じゃあ、ここに座って」
 祐輝は自分の隣をぽんぽんと叩いた。
 スエットを押さえながら、由衣はゆっくりと座った。
 彼はにこにこと由衣を見ながら、髪を拭いている。
「由衣」
「は、はいっ」
「もう、キスしてもいいよな」
「は、はいっ」
 勢いよく返事をすると、
「良い返事」
 と祐輝は笑ってキスをした。
「かーわいい」
「今、すっぴんなのであんまり見ないでくださいっ」
「すっぴんも可愛いな。昨日はやっぱナチュラルメイクだったんだな」
 ちゅっ、と祐輝はまたキスを落とす。
 目をぎゅっと瞑り、息を止めてそれを受け入れた。
「硬い硬い、由衣、顔が硬いよ」
「むぅぅ」
 頬に手を添えられ、今度は優しく触れられた。
 とんっと身体を倒され、ベッドに上半身が転がる。
「マジで可愛い」
「!」
 唇が取れてしまうのでは、と思うほど祐輝は何度も触れてくる。
 離れると、至近距離で見つめて来た。
(恥ずかしいっ……なんか身体が熱いっ……)
「やばい」
 ふいに祐輝が言う。
「?」
「セックスは駄目でも、それまでならいいよな?」
「え……」
 胸に手を当てられたかと思うと、先刻のように、Tシャツの上から胸を掴まれた。
「触りたい」
(もう触ってるし!)
 今、下着をつけていない。洗濯、乾燥中だということを思い出した。
 胸の尖端を探り当てられ、布越しに抓られる。
「や……」
 裾から手が入れられ、直に触れられ、電流が走ったかのように身体が痺れ、身を捩る。何度も祐輝の大きな手が胸を弄った。
 そしてTシャツを捲り上げられ、両胸が露わになる。
 羞恥で隠そうとするが、祐輝の力が勝った。
「見せて」
 いくらか抵抗したが、すぐに大人しく従い力を抜いた。
「めちゃくちゃきれい……」
 尖端を舌先で刺激したかと思うと、口に含みいやらしい音を立てた。
「由衣のおっぱい、きれい」
「言わないでよお……」
「乳首たってるし」
「もうっ……」
 泣きそうになった。
 なんでこんな恥ずかしいことをしているのだろう。
(でも、嫌じゃない……)
 身体が痺れていく感覚だ。
 すうぅと、下半身が涼しくなっていることに気付いた。
(!?)
 スエットが脱げている。
「なっ!?」
 祐輝の手は、由衣の股に移動していた。
「祐ちゃんっ」
 脚を広げられ、彼の手が今度は恥ずかしい場所を刺激している。
 擦ったり撫でたり、由衣はそこを見られていることが恥ずかしすぎて、脚を閉じようとじたばたし、祐輝の手を払いのけようとする。しかし、やはり祐輝の力のほうが勝っているのだった。
「なんで……恥ずかしいよ……」
「気持ちいい?」
「……わかんないよ」
 秘部を擦られ、身体が疼くのは否めなかった。
 ぺろっと祐輝の下がそれを舐めている。
「祐ちゃん駄目! そんなところ汚いよ!」
「汚くないよ。由衣のここ、とろとろになってるからさ。もっと見たい」
「やだよ、もう」
「やだよじゃない、身体は正直みたいだぞ?」
 スエットもTシャツも脱がされ、由衣は生まれたままの姿にされてしまった。
「由衣、すっごくきれい」
「もう……」
 胸を隠そうとすれば払いのけられ、秘部を覆おうとすればまた払いのけられた。
「見せてよ、全部」
 祐輝に触れられると、頭がぼうっとしてしまう。
 媚薬があるなら、飲めばこなふうになるのだろうか、と思うくらい、敏感で卑猥な身体になっている気がした。
 祐輝が胸に、密壺に、へそに、身体のあちこちに触れるだけで身体は痺れていく。
「気持ちいい?」
「……うん」
「よかった」
 今度は、由衣の秘めたその場所に、何か長いものが抜き差しされる感覚があった。
「な、なに……?」
「俺の指だよ」
「どうして?」
「気持ちよくない?」
「わかんない」
「痛くはない?」
「大丈夫……」
「由衣はセックスしたことないだろ?」
 こくりと頷いた。
「俺とするのに辛い思いさせたくないからさ」
「?」
「今は俺の指で練習するんだ」
「う、うん……」
「気持ちよかったら気持ちいいって言っていいから」
「うん……」
 祐輝の指が早く動くと、身体を捩らせ身悶えた。
「なんだか……」
「なんだか?」
「変な声が出そう」
「出していいよ」
 祐輝は、由衣の顔を間近で見つめ、悶える表情を見て喜んでいる様子だった。
「どうしよう」
「どうした?」
「わたし、おかしいのかな。祐ちゃんといやらしいことしてるのに、嬉しくて、気持ちよくて、もっとしてほしいって思ってる……変態かもしれない」
 違うよ、と祐輝は笑った。
「変態じゃないよ。それ、普通だから。てか俺の指で気持ち良いって思ってくれてんだったら、俺は超嬉しいんですけど」
「変態じゃない?」
「じゃない」
 祐輝は由衣にまたキスをした。
「やば……俺、我慢できないかも」
「へ?」
「なあ、由衣」
「はい」
「今日はしないって言ったけど、撤回してもいい?」
 祐輝は申し訳なさそうに、辛そうな顔で言った。
「俺、今、すごく、由衣を、抱きたい。したい。めちゃくちゃセックスしたい」
 由衣の頭は体中の甘い痺れで麻痺していた。
 思考が、快楽のほうと揺れていく。
「……うん」
「いいの!?」
「……うん」
 由衣はゆっくり頷いた。
 祐輝はものすごい早さでベッドから飛び降り、引き出しを開けて何かを持ってきた。そして自分の服を脱ぎ捨て、由衣の身体を起こして抱きしめた。
「めっちゃくちゃ優しくするから」
「……うん」
「ちょっと待ってくれるか、俺も準備するから」
 そう言うと、由衣の手を掴み、自分の身体の猛っているものを掴ませた。
「ひゃっ!?」
「ごめん、ちょっと握ってて。で、こうして上下にこすってて」
「う、うん……」
 なんだかとてもいけないことをしているような気がしたが、祐輝の言うとおりにそれを掴む手を動かした。自分が手を動かしている間も、祐輝は由衣の身体を弄っている。お互いがお互いのものに触れている状態だった。
(なんか……今から、いやらしいことするんだってことはわかる……でも、どんなことをするかは具体的には知らない……)
 そろそろ、と祐輝は言い、由衣を倒した。
 がさごそと何か小さな袋を開けているのが見えた。
(もしかして、コンドーム……?)
 初めて見た、とぼんやり思った。
「由衣、じゃあ、するね」
「……うん」
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