国民的アイドルなのに住む家がなくなった件【アイドル:V-ブイ-】

HARUKO

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第ニ章-輝視点-

(10)甘い同棲生活?

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とりあえず形勢を立て直さなければならない。

アキラは、深呼吸をして天を仰いだ。

いつも通りに振る舞い、ジムに通い発散しておくのが1番だ。

シンには1人の時間が増えて悪いが、元々は自分を見つめ直すための謹慎期間である。

深の謹慎生活は意外にもきちんとしていた。

朝8:00には起きて身支度をすると、8:30には事務所のスタッフと電話をしながら、何やらパソコンで打ち込み作業。

お昼には1時間の休憩をとり、リビングで輝の漫画を読む。

午後も数時間パソコン仕事をこなして終了。

仮眠をとると、トレーニングや自主ダンス練習をして、マネージャーやスタッフの差し入れを食べ、映画などを見て過ごすと行った日々をこなしている。

芸能の仕事柄、どうしても昼夜逆転しがちになるため、気付くと輝は深が起きている時間に会えない日々も多かった。

それでも、タイミングさえ合えば、深は起きて待っていてくれて、「おかえりなさい」と「おやすみなさい」だけでも伝えてくれるのだった。

まるで甘い同棲生活のように、輝は錯覚してしまいそうになるのだった。

****************


丸1日オフだったその日、輝は昼過ぎに起きると、美容院にエステ、サウナにジムをハシゴして夕方過ぎに帰ってきた。

今夜はスタッフの1人が手料理を作ってくれていて、それを2人で食べる約束をしていたのだった。

「おかえりなさい~」

玄関を開けると、そこには満面の笑みで出迎える深の姿があった。

輝のセカンドバッグを受け取り、靴を並べる。

輝は少々調子に乗り過ぎだろうとも思ったが、悪い気はしない。

リビングのテーブルには、美味しそうな手料理が2人分並べられていた。

「さあ、熱いうちにいただきましょう!」

まるで自分が作ったかのように、テーブルセッティングをしてエスコートする深が愛おしい。

「どういう設定だよ?w」

輝が思わず笑うと、深は悪びれずに言った。

「え?新妻だよ、にいづま!新婚さんなの。…あっ、ご飯にする?お風呂にする?それとも、わ・た・し?だっけ?」

おどけてみせる深が背中を向けたあと、スイッチの入った輝の笑顔が薄気味悪いものに変わったことを深は知る由もなかった。

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