『闇属性黒猫の異世界救出物語』〜魔物転生!?いや人間になりたい!

藤村ゆんた

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第一章 

16 大河と邪神

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森が地球にあるような見慣れた形になって歩き続けること暫く。辺りの木々が進む毎に少なくなっていき、さらに進むと平原のような開けた場所が視界一杯に広がった。

どうやら僕は漸く森を抜けたようだ。
青空が広く見渡せて気持ちが良い。

ヤギとか牛に似た動物もちらほら見える。
森と違って障害物も少ないので、僕は黒猫の姿で思いっきり走ってみることにした。

全身がバネになったように、シュタタタタッと軽やかに駆け抜ける。

わああああ凄い、楽しい!チーターになった気分!

しかし、他の動物は僕が近づいても平然としている。今の僕がただのちっこい黒猫だから警戒されないらしい。

走っていると平原は斜面に差し掛かり、僕は重力に引っ張られるまま斜面を駆け下りていく。

あれ、なんか地面の向こう側が見えない…?

そう気づきスピードを落とすと、目の前は崖っぷちだった。心臓が凍るようにヒヤッとして、全身の毛が逆立つ。

ふぅ、危ない。このまま進んでいたら崖下真っ逆さまだったよ。

それにしても高い。崖下を除くと、水が遥か下の方で濁流のごとく凄い勢いで流れていた。

もしかして村長さんが言っていた大河ってこれのことだろうか?
この川の向こう岸は遥か先まで続いていて、もう一番向こう側は霧のように曇っていて真っ白で向こう岸が全ッ然見えない。これ、本当に川なのかな。海にしては一方方向に勢いが良すぎるけど…うーん、でも海の匂いがしないし…森を抜けると大河があるって村長さん言ってたからやっぱり大河なんだろう。

だとしたら僕はこの先を渡らなきゃ人間の国に行くことが出来ない。…どうしよう。
泳いで渡ろうにも、この流れの勢いじゃ確実に流されてしまう。川に何が潜んでいるかも怖いし…。
飛んで渡るにしても、渡り切れるかどうか。

うーんと迷った末、取り敢えずカラスになって飛ぶことに決めた。高所から滑空して飛んだり風を上手く使えば、ある程度体力も持つだろう。
どれくらい川の距離があるか分からないのが問題だけど、最悪川に落ちたとしてもきっと…大丈夫。魚になって…黒神術を使って川底に身体を固定して休んだり、敵がいれば敵を倒したり、敵に変化すればいいし。

うん、きっと大丈夫。あ、なんか本当に大丈夫そうな気がしてきた!じゃあもう飛んじゃえ! 

そして僕は「なんとかなるさ!」という非常に楽観的な考えのもと、覚悟を決めて崖から猫の姿で助走をつけて思いっきり飛んだ。そして、空中でカラスに変化してその勢いのまま上昇した。
川の流れる勢いのせいかは分からないけど、幸い下から上昇気流が発生しているらしく、そんなに羽ばたなくても翼を広げているだけで勝手に上昇していく。両翼でバランスをつけながら安定する体制を調整して間も無く、まるで僕はお正月の凧揚げになったかのように安定した。

ちょっと羽根を傾けただけで、傾けた側に勢いよく移動するから、微妙な羽根の調節が難しい。本当に鳥って凄いなぁ。

けど、風に乗って空を飛ぶって本当に最高の気分だ。地上と違って、全方向に立体的な移動が出来る。風を切って滑空したり、羽ばたいて急上昇したり。

羽ばたくのが疲れたら羽根を広げて滑空して休んだりしながら、僕は川の遥か上空を飛び続けた。

******** 


羽ばたいて~落下して~羽ばたいて~の波線飛び!
右~左~でターンして蛇行飛び!お次は大きく羽ばたいてそしてそのまま逆さまになって宙返り!連続小回り宙返り!

飛び続けて1時間位したらもう完全に慣れた。人間の僕は高所が苦手だったけど、カラスになったからか平気になった。もう飛び方のコツも覚え、ハイになりながらカラスの航空ショーを行う。ここまで飛び方をマスターすればサーカスに出れるかも。


「ーーーーーーーーーォォォオオオオ」

!!!!


色んな飛び方を試したりして遊んでいたら、突然恐ろしい怪物の声が遠くの方で大気を震わせて聞こえてきた。

羽がビリビリと震え、僕は恐怖で嘴がカチカチと開閉する。

何処かに途轍もなく巨大な怪物がいるような鳴き声。急いで下を確認したが、勢いよく流れる白い川しか見えない。

水中で声を出してもここまで聞こえないだろうし…つまり上空に何かがいる?

そう思ったところ、怪物の声がまた聞こえた。
先程より声が近くなってる!?一体何処に…?

「ギャオオオオオオオオオオオォォォォ!!!!」

っ!?上空からだ!!!

上を見上げると、ついさっきまで青空が広がっているだけだった空に、いくつもの紫色の不気味な雲が現れていた。

一番紫の雲が密集している場所は赤く空の色を変えていた。
そこから見える大きな黒い影が雲から薄っすら見える。

雲の中に怪物が…?

上空から途轍もなく重い何らかの力が、身体全身を圧迫するようにのしかかる。

怪物の鳴き声が重圧となって降りかかり、その度にカラスの身体が石になったように硬直する。

僕は死に物狂いで落下するように下降して、川の飛沫がギリギリ飛ばない水面上を飛ぶ。
離れたはずなのに、重圧から解放されない。寧ろ徐々に重くなっているように感じる。

うっ苦しい…もしかして近づいてきてる?
顔を傾けながら横目でチラリと上空を見て、目を見開いた。

っ!?…何…アレ…

さっきの上空の紫の雲が一箇所に集まるように渦巻き、その中心から顔の正面にギョロリとした巨大な1つ目玉がついた化け物が現れていた。大きく裂けた巨大な口からは、恐ろしい数の牙が大量に見える。

その怪物の一つ目玉は、猫のような縦瞳孔の巨大な瞳をしていて、その周りには キョロキョロと小さな複眼が何十個と横並びしていた。

鮫のような二重三重とある大量の牙の隙間から、赤黒い触手のようなウネウネした舌。

そして身体を覆う棘のような鱗。

形自体は口をぱっかりと開けた鯨の前半分に似てるが、その異形さや禍々しさは例え用がない。

雲と同じ高さだから、結構遠くにいる筈なのに、この身体の視力が良いのか割とはっきりと怪物の恐ろしい姿形が分かってしまう。

僕は全速力で羽根を羽ばたき、僕の真上にいるその怪物から少しでも離れようとする。が、遥か上空にいるばすの化け物が巨大過ぎて、正直距離が取れているようには思えない。僕はその怪物を身体から離れた視点で、動きを警戒しながら羽ばたく。

怪物は徐々に渦巻く紫雲から身体を現す。そしてついに、怪物の腕が渦の中から出てきた。ゴツくて太い鰐のような 水掻きのついた手だ。

本当に一体アレは何なんだ。何で突然現れたんだ。
けど考えている暇はない。今は一刻でも早くアイツから離れなきゃ。

 ギョロギョロと何かを探すように動く目玉達。

巨大な目玉と複眼が一斉に同じ方に視点を合わせた。その様子を飛びながら見てた僕は、血の気が失せる。

怪物は今、確実に僕を見ている。
目が、目が合った。

死に直結するような緊張感。

どうしよう、分かんないけど、死ぬかもしれない。
すぐ後ろにあの怪物がいるような気配がする。

ピコン
***********************

【個体名 : 邪神グァバガガル】◀︎

ーー: 邪神
闇属性

***********************

わあああああまた勝手に開いてる場合じゃないんだけど何これ見てもHPとかMP情報描いてないし邪神って何!?!?というかステータスって目が勝手に合っても開くんだね!?

グァバ?って何!?邪神!?!?

逃げるために懸命に羽ばたくが、どんどん圧が重くなって行く。

息が苦しい。 
あの邪神という化け物に変化出来れば…と思うけど、絶対出来ないだろうと本能的に理解した。


「ーーーーーーーー」

!?

その時 怪物…邪神の鳴き声が変わった。歯車が軋む時のような不快な鳴き声に、身体が引き裂かれそうになった。

視点だけ変えて邪神の方を見ると、邪神の周りに黒い亀裂のようなものがいくつも浮かび上がっていた。

そして次の瞬間、その亀裂の中きら「何か」が次々と出てくるのを見てしまった。

黒い亀裂は 黒い眼が見開くように空間を縦に裂き、そこから紫色の恐竜の手みたいなものが亀裂から見えた。

あれは…ドラゴン?

イグアナを紫色にしてゴツゴツとさせたような頭部、鋭い爪と長い首、それらは今まで一度も見たことがない姿形の生き物だけど、僕の知っているものに一番近い表現をするのなら恐らく「ドラゴン」だろう。
ドラゴンにしては怪物染みた不気味な見た目をしているけど…。

紫のまだら模様のゴツゴツした鱗を持つ生き物達は、亀裂という亀裂から次々と出てくる。
そして蝙蝠のような皮膜のついた翼を大きく広げ、そのまま勢い良く下降して飛ぶ。

その直線上には僕のいる方向。

え?

えええええもしかして…僕、狙われている…?これだけ遠く離れているのに…。

さっき邪神と目が合ったのがダメだったのか…!

ああああどうしよう!!!!

取り敢えず、鑑定!

***********************

【ラーグァベギノダウス】

種族 : 邪竜
闇属性

体力:8600
魔力 : 3300

スキル : 《疾風》 《竜の咆哮》

特殊スキル : 《呪術魔法》 《暗黒魔法 》 ◀︎

〈邪神の使徒〉

***********************


ん、邪竜!?ドラゴンとは違うのかな。
邪竜…良い竜ではないと言うことは分かるけど…。

邪神が変な声を上げて黒い亀裂が出来て、そこから邪竜が出てきたということは…もしかして「邪神」は「邪竜」を「召喚」したってこと?

どちらにしろ、邪神も邪竜も敵だという事には変わりない。

このままではやばい、邪竜は滑空してて早いし、このままではすぐに追いつかれる。

カラスの僕なんて、一口で食べられてしまう!

先ずは変化!変化だしなきゃ!

邪神は無理だけど、邪竜ラーグァベギノダウスになら変化出来るかも!?

あーーでも邪竜はエンシャードスコーピオンなんて比べ物にならない程強いだろうし、レベルが足りなくて変化できない可能性があるかもしれない。

それでも、やって見なきゃ分からない!
僕はラーグァベギノダウスを頭に思い浮かべて、必死に種族変化出来るよう念じた。

【変化対象の存在が測定不可能のため、変化出来ま*%#$[魂源潜在システム発動。これより、システムを強制交代します]

…?

今、無機質な声で『変化対象の存在が測定不可能のためー』と聞こえた気がした。

え?やっぱり出来ない?

もう一度イメージして念じてみる。

[根源主の意向に追従、展開、自動モードに入ります]

今度は少し邪竜を想像しただけで、身体が勝手に変化しそうになる感覚がした。

あ、これなら変化出来そう…?

いつもと変化の感覚が違って不思議に思ったけど、緊急事態なので気にせず飛びながら邪竜を思い浮かべながら念じてみることにした。

[変化対象の能力スキャンーーースキャン完了]

[ーーーーにアクセス]

[同能力の異種族への変化可能、変化中の対象を移行します]

カラスの体が黒い靄になり、靄の体積がどんどん増えた。靄は膨れ上がり、カラスの何倍、何十倍も大きくなっていく。

靄は長くしなやかな曲線を描き、やがてそれは頭と尻尾になり、そして鋭く尖った爪が生えた手足、蝙蝠のような翼が広がるように現れる。

まだ邪竜に似てないが、ドラゴンのシルエットらしくなってきた。

やがて鉱石のような少し透明がかった黒い鱗の質感が全身に現れる。

頭部には、コブか猫耳のような黒いツノが二本生え、その少し後ろに水色の鉱石のような透き通る長く尖ったツノが美しく生える。

そこで僕はあれ?と思った。ラーグァベギノダウスにそんなのついてないけど…。

黒い靄は消え、ドラゴンにしてはすらっとした体型と手足の鋭く尖った爪がギラリと輝く。
閉じていた瞼を開けると、縦に避けた瞳孔がスッと細くなり、青みがかった白銀の瞳が不思議な輝きを放つ。

ドラゴンを見る視点と、ドラゴンから見える視点(邪神と邪竜を含んだ景色)で、視覚の情報量が一気に増えた。

と、同時にフワッとした無重力感に見舞われ、徐々に高度がゆっくりと落ちていく。
翼が広がった状態で変化したからか、一気には落ちないらしい。

って待って、これで変化終わり!?!?

っっあれ!?!?っあれ!?違くないこれ!? 

変化後の姿は、ラーグァベギノダウスという邪竜にちっとも似ていなかった。

ラーグァベギノダウスのような禍々しさや毒々しさは無く、黒で統一されてどちらかというとスタイリッシュな見た目をしている。
そして顔も、目が窪みゴツゴツとして溶けた骸骨のような恐ろしい顔をしておらず、大きな瞳でなんとなく愛嬌があるように見える。

もう一回言うと、何もかも、全然似ていなかった。
 
それに、今回はあまり詳細に想像してないのに、自動的に身体が変化するような感覚だった。こんなドラゴンを見たことも考えたこともない。

取り敢えず後ろに邪竜が迫ってきてるし、その前に水面に浸かりそうになってるから、考える事を後回しにして変化仕立ての身体で必死に翼を動かして一旦飛んで逃げることにしよう。

んんん!?カラスと翼の動かす感覚が違う!?

カラスは人間の腕を上下に動かす感覚で飛んでいたけど、人間には背中に腕なんてついてない!

あーでもなんだろ、この感覚。まるで肩甲骨から生えてる感じ。

うん……動かせないことはないかも?

そう思い、降下していく中、肩甲骨に生えている翼の感覚を頼りに、思いっきり上から、

バサァアと下に、一気に一振りしてみると、

–––––––––––––ビュンッッッッッ

僕は信じられない速度で、斜め上に突き進んだ。
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