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第一章
36話 クローゼル家と地下保管庫①
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皆が寝静まった真夜中。屋敷の中を、闇に溶け込み音も無く動きまわる黒猫が一匹。その姿は光を一切遮断し、影がそのまま猫の形になったような漆黒の色をしている。
しかし、月光に照らされ、時折眩く反射するのは二つのアーモンド型の蒼銀色の眼。
黒い俊敏な動きの軌跡を辿う蒼銀の残光は、まるで二匹の妖精が舞っているようだ。
黒猫が目指す場所。それは、クローゼル家の歴史書や家宝、そして呪術書など、クローゼル家に纏わる最重要な書類や貴重品を保管されていると思われる地下保管庫。
いくら真夜中だろうと、屋敷には常に警備が巡回している。黒猫は慎重に事欠かず、秘匿された地下保管庫を目指す。
そして、黒猫は辿り着いた所は、屋敷の地下室の豪奢な扉の前だった。
****
そんなこんなで、僕は今、クローゼル家地下室の秘密の部屋と思われる黄金の扉の前にいる。
実際は、黒霧ですり抜けられる床を探してたら簡単に地下空間を発見出来た訳だけど…どうやら黄金の扉がある目の前の地下保管庫はなんらかの魔法作用があるみたいで、すり抜けようとしても跳ね返されてしまった。
ナーシアの呪いが悪化して手遅れになる前に、一刻も早く呪いの解呪方法を調べなければ…。
重厚感のある大きな金の扉に刻まれた複雑な紋様は、鉄扉の門に描かれていたものと良く似ている。つまり魔法で鍵が掛かってるって事だ。
鑑定すると数式の様な文字の羅列が延々と表示される。この国の文字ではないなぁ。…あ、思い出した。ナーシアが勉強している術式展開魔法、それに使うマジックワードだ!
… 残念ながら、それが分かった所でどうにかなる訳ではない。
とりあえず、黒霧化して魔法の黄金の扉を包み込む。ッイッテ、やっぱ弾かれるなぁ。でも衝撃があるだけで、別に対して痛くはない。炭酸水に浸かっているようにパチパチしてるけど、まぁ大丈夫。
うーん、どっかに穴が空いてないかなって思ったけど、一ミリもそんな穴空いてないや。透けるところもないなぁ。
確か、登録された者の魔力を流し込む事によって扉が開くんだっけ。
無理だと思うけど一応、黒魔力流してみよっかな。
猫の状態になって、黄金の扉に触れる。触れた前足から黒魔力を流そうとするのだが、押し返される。
…。だよねー。黒魔力の塊である黒霧が跳ね返されるんだから、当たり前の結果か。
…、まぁ…影裂界だって、始めは無理だったけど、無理矢理こじ開けることが出来たし…全力でこじ開けようと思えば、可能性無きにしも非ず…?
強引こじ開け作戦に移行した僕は、黒魔力を流し込む力を徐々に強めていく。押し返される感覚があるけど、あの時のびくともしなかった影裂界の亀裂に比べれば軽い方だ。
身体の内側から煮えたぎるように黒魔力が増幅していく。最近黒魔力の容量が一気に増えたらしく、影裂界の広さももっと広くなった。多分、町一つ分くらいは飲み込む広さだと思う。
密度を増した黒魔力が、前足を伝って黄金の扉の中を流れていく…というより、侵食していく。
ナーシアが鉄扉を開けた時みたいに、黄金の扉の中央から次第に紋様が現れ始めた。紋様はよく似ている。だけど、その紋様は黒い。
ナーシアの時は紋様が紅く光っていたけど…僕の黒魔力は黒いからこうなったのかな。少し不安になる。これって良いのかな。ま、まぁ良いや。
気にしない事にして扉にしっかりと浸透するようにぐっぐっと黒魔力を流すと、黄金の扉に紋様の全容が真っ黒くハッキリと現れた。金地に黒模様…これはこれでスタイリッシュな組み合わせ。
一応紋様は浮かばせる事が出来たけど、黒いし、無理矢理だからやっぱ駄目か…。
なんて思っていたら、黄金の扉が溶けるように消えていった。
え、ええ…こんな方法で開いちゃっていいの…?魔力を無理矢理流したら誰でも開けられるじゃ…。開けたのは僕だけど、ここのセキュリティに一抹の不安を覚えた。
**
扉はあんなに重厚でお金かかってるぽい見た目なのに、保管庫の中は全体的に薄茶色で質素な感じだ。壁はレンガ式に積まれている。
これ見よがしに金魂or金貨の山!とか財宝ザクザク黄金の山!…みたいな物は一つもない。
あるのはどう見ても金庫としか思えない四角い頑丈そうな金属の箱。大きさは結構小さい。小ちゃいスーツケースみたいだ。ちょっと鑑定してみると、物凄い数の情報が頭の中で展開されて慌てて鑑定を閉じる。
この世界にはマジックバックと言われる四次◯ポケットのような、便利な空間収納魔法が付与されたアイテムが世に出ているらしいから、きっとそんな感じでザクザクの財宝は小さく纏められてあの箱に仕舞われているのだろう。…頭の中でピコンピコンという音の余韻がする。
お目当ての呪術書まであの箱に入っていたらかなり面倒だけど、どうやら重要書籍などは書庫室のように綺麗に並べられているようだ。
それに、実は保管庫に足を踏み入れた瞬間に感じていた。保管庫の奥から感じ取れる禍々しい黒いオーラ。ナーシアの呪いを鑑定した時に似た、嫌な感じだ。
その感覚を辿るように保管庫の奥に行くと、資料室のような場所に着いた。黄変した古い本の山、少し埃っぽい匂い。クローゼル家に纏わる歴史書や、収支計算書、契約書、重要書類と思われるものが所狭しと並んでいた。
嫌な感じはあの鉄の扉の向こう側か。クローゼル家の歴史書や資料を数本読んだ後、重そうな鉄の扉に向かった。
部屋に踏み入ると、沢山の本の中でもひと目見て分かった。
黒い革のような袋に入れられ、鎖で巻かれている鍵のかかった異質な本。あれが、間違いなくビュラさんが言っていた呪術書に間違いない。一応鑑定してみよう。
【大呪術王の術書】
【今は亡き呪国オヴヴィアスを支配していた呪術王が遺した術書。ありとあらゆる呪いの事柄が記述されているが、呪いの種類が記述されている各ページを開くと、丁寧に効果や詳しい説明と共にその呪いが実際に体験できるようになっている】
ビュラさんが、『その危険性から本を開くことも出来ず、保管庫に封印されたまま…』と言った理由がわかった。
実際に体験できちゃうなんて…なんて親切なんだろう(皮肉)。これ鑑定しないで開けちゃった人は気の毒だなぁ。
これが呪術書なのは確定だけど…本を開くと呪われてしまう。どうにか方法はないかなぁ。本を開かずにして、本を読む方法…。
そう考えて、ふと頭に浮かんだのは、真っ暗な書庫室で黒霧を広げてビュラさんが読んでくれた絵本を探し出した記憶。あの時、黒霧を広げる事で、真っ暗で見えないはずなのに頭の中で書庫室全体の物が見え過ぎる程によく視えた。
思考しながら僕は自分の身体を黒霧化させる。
僕の依代であり黒魔力である黒霧自体は、『五感の全て、感覚そのもの』。だから、黒霧が触れたところは、『目で見るより良く視え』、『手で触れるより良く分かる』。
そこでハッと気付いた。
黒霧は、『透過性』がある。
そう思うと同時に、モワモワと膨れ上がる闇色の煙が呪術書を包み込む。黒霧は、呪術書を問題なく透過した。
本の中にも透過した黒霧がある筈だから、中身を見れる筈だ。
そう思って目を凝らすものの…何これめっちゃ見辛い。文字が幾重にも重なって視える…!当たり前か。しかも一気に色んな呪いの気配がして、気持ちが悪くなった。
集中すれば読めないことも…ない、な。超分厚いバウムクーヘンの層を一枚一枚剥がしているような気分…。
時間がかかりながらも、なんとか始めのページは読み切れた。
【序章】
【呪術魔法。それは、人生に置き血の涙を流す如く死よりも深い絶望と苦しみ、憎悪を味わった者しか手に入る事が出来ない特殊スキルである。
何も持たずして生まれ、虐げられ、憎悪を内に幾ら燻るも唯死に行くだけの者。延々に続く絶望の中、我らの望む神などいない、在るのは自分だけだと気が付いた者。その者等に、邪神様は目を止め、力無き者共に復讐の機会をお与えになる。呪術とは邪神様が持つ偉大な力であり、選ばれた者はその力の一変を手にすることができるだろうーー以下略】
序章のページには呪いがないけど、解呪の方法は載っていない。
黒霧を平くして本を閉じたままのページに水平に沿わせることによって、余計な部分の情報が入らなくなって多少見やすくなった。X線に意思があったら、こんな気分なのかな。なんて考えながら、呪いの歴史やらを飛ばしながら読みすめていくと、呪いの種類の説明に差し掛かる。
【老化:憎悪を寄せる若い人間に対し、若さと美しさを呪う感情を込め、その者の身体の一部を自分の血で煮る。呪いの対象:子供が生まれていない人間。掛かる年齢は13.5~27.8歳。18歳が最もかかりやすく、それ以外又はそれ以下になるつれ確率が下がっていく】【呪い:老化】
【変化:奇術の呪いの一つ。自身の爪や皮膚を毒沼で煮て、本来の姿と似ても似つかなくなるよう感情を込めながら呪薬を作る。呪薬に触れただけでも効果が出易い。気化させても効果有り。比較的容易に掛けやすいが、解け易い。対象者の性格により、姿が変わる。※このページのインクは特製気化呪薬性】【呪い:変化】
【石化:コカトリスの目玉を乾燥させて粉末状にした物と、粉末状にした魔物の核をコカトリスの血と自身の体液を煮て固め、石化の結晶を作る。石化の結晶を装備する事により、自身の呪術と合わせることで対象者を石化させる】【呪い:石化】
他にも【性質逆転】【永遠の踊り】【幻覚】【能力制限】【感覚除去】…EX…呪いの記述が二百ページ以上続いている。けどうやら呪いによって材料とか手順があるみたいだ。鑑定すると、ご丁寧に見本の呪いが付与されている。
容量がやっと掴めるようになって早く読めるようになったけど、ナーシアに掛かった呪いの名目は今のところ描かれていない。そもそも、呪いってどうやって解けるんだろう。
上から下へ、スキャンをする様にサーーとペラッペラの薄い黒い身体を動かして内容を大雑把に見ていく。
ん?…あ!『解呪』という単語をサーチした僕は、そのページから付近のページまで集中して読む。
読み終わった僕は、愕然とした。
しかし、月光に照らされ、時折眩く反射するのは二つのアーモンド型の蒼銀色の眼。
黒い俊敏な動きの軌跡を辿う蒼銀の残光は、まるで二匹の妖精が舞っているようだ。
黒猫が目指す場所。それは、クローゼル家の歴史書や家宝、そして呪術書など、クローゼル家に纏わる最重要な書類や貴重品を保管されていると思われる地下保管庫。
いくら真夜中だろうと、屋敷には常に警備が巡回している。黒猫は慎重に事欠かず、秘匿された地下保管庫を目指す。
そして、黒猫は辿り着いた所は、屋敷の地下室の豪奢な扉の前だった。
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そんなこんなで、僕は今、クローゼル家地下室の秘密の部屋と思われる黄金の扉の前にいる。
実際は、黒霧ですり抜けられる床を探してたら簡単に地下空間を発見出来た訳だけど…どうやら黄金の扉がある目の前の地下保管庫はなんらかの魔法作用があるみたいで、すり抜けようとしても跳ね返されてしまった。
ナーシアの呪いが悪化して手遅れになる前に、一刻も早く呪いの解呪方法を調べなければ…。
重厚感のある大きな金の扉に刻まれた複雑な紋様は、鉄扉の門に描かれていたものと良く似ている。つまり魔法で鍵が掛かってるって事だ。
鑑定すると数式の様な文字の羅列が延々と表示される。この国の文字ではないなぁ。…あ、思い出した。ナーシアが勉強している術式展開魔法、それに使うマジックワードだ!
… 残念ながら、それが分かった所でどうにかなる訳ではない。
とりあえず、黒霧化して魔法の黄金の扉を包み込む。ッイッテ、やっぱ弾かれるなぁ。でも衝撃があるだけで、別に対して痛くはない。炭酸水に浸かっているようにパチパチしてるけど、まぁ大丈夫。
うーん、どっかに穴が空いてないかなって思ったけど、一ミリもそんな穴空いてないや。透けるところもないなぁ。
確か、登録された者の魔力を流し込む事によって扉が開くんだっけ。
無理だと思うけど一応、黒魔力流してみよっかな。
猫の状態になって、黄金の扉に触れる。触れた前足から黒魔力を流そうとするのだが、押し返される。
…。だよねー。黒魔力の塊である黒霧が跳ね返されるんだから、当たり前の結果か。
…、まぁ…影裂界だって、始めは無理だったけど、無理矢理こじ開けることが出来たし…全力でこじ開けようと思えば、可能性無きにしも非ず…?
強引こじ開け作戦に移行した僕は、黒魔力を流し込む力を徐々に強めていく。押し返される感覚があるけど、あの時のびくともしなかった影裂界の亀裂に比べれば軽い方だ。
身体の内側から煮えたぎるように黒魔力が増幅していく。最近黒魔力の容量が一気に増えたらしく、影裂界の広さももっと広くなった。多分、町一つ分くらいは飲み込む広さだと思う。
密度を増した黒魔力が、前足を伝って黄金の扉の中を流れていく…というより、侵食していく。
ナーシアが鉄扉を開けた時みたいに、黄金の扉の中央から次第に紋様が現れ始めた。紋様はよく似ている。だけど、その紋様は黒い。
ナーシアの時は紋様が紅く光っていたけど…僕の黒魔力は黒いからこうなったのかな。少し不安になる。これって良いのかな。ま、まぁ良いや。
気にしない事にして扉にしっかりと浸透するようにぐっぐっと黒魔力を流すと、黄金の扉に紋様の全容が真っ黒くハッキリと現れた。金地に黒模様…これはこれでスタイリッシュな組み合わせ。
一応紋様は浮かばせる事が出来たけど、黒いし、無理矢理だからやっぱ駄目か…。
なんて思っていたら、黄金の扉が溶けるように消えていった。
え、ええ…こんな方法で開いちゃっていいの…?魔力を無理矢理流したら誰でも開けられるじゃ…。開けたのは僕だけど、ここのセキュリティに一抹の不安を覚えた。
**
扉はあんなに重厚でお金かかってるぽい見た目なのに、保管庫の中は全体的に薄茶色で質素な感じだ。壁はレンガ式に積まれている。
これ見よがしに金魂or金貨の山!とか財宝ザクザク黄金の山!…みたいな物は一つもない。
あるのはどう見ても金庫としか思えない四角い頑丈そうな金属の箱。大きさは結構小さい。小ちゃいスーツケースみたいだ。ちょっと鑑定してみると、物凄い数の情報が頭の中で展開されて慌てて鑑定を閉じる。
この世界にはマジックバックと言われる四次◯ポケットのような、便利な空間収納魔法が付与されたアイテムが世に出ているらしいから、きっとそんな感じでザクザクの財宝は小さく纏められてあの箱に仕舞われているのだろう。…頭の中でピコンピコンという音の余韻がする。
お目当ての呪術書まであの箱に入っていたらかなり面倒だけど、どうやら重要書籍などは書庫室のように綺麗に並べられているようだ。
それに、実は保管庫に足を踏み入れた瞬間に感じていた。保管庫の奥から感じ取れる禍々しい黒いオーラ。ナーシアの呪いを鑑定した時に似た、嫌な感じだ。
その感覚を辿るように保管庫の奥に行くと、資料室のような場所に着いた。黄変した古い本の山、少し埃っぽい匂い。クローゼル家に纏わる歴史書や、収支計算書、契約書、重要書類と思われるものが所狭しと並んでいた。
嫌な感じはあの鉄の扉の向こう側か。クローゼル家の歴史書や資料を数本読んだ後、重そうな鉄の扉に向かった。
部屋に踏み入ると、沢山の本の中でもひと目見て分かった。
黒い革のような袋に入れられ、鎖で巻かれている鍵のかかった異質な本。あれが、間違いなくビュラさんが言っていた呪術書に間違いない。一応鑑定してみよう。
【大呪術王の術書】
【今は亡き呪国オヴヴィアスを支配していた呪術王が遺した術書。ありとあらゆる呪いの事柄が記述されているが、呪いの種類が記述されている各ページを開くと、丁寧に効果や詳しい説明と共にその呪いが実際に体験できるようになっている】
ビュラさんが、『その危険性から本を開くことも出来ず、保管庫に封印されたまま…』と言った理由がわかった。
実際に体験できちゃうなんて…なんて親切なんだろう(皮肉)。これ鑑定しないで開けちゃった人は気の毒だなぁ。
これが呪術書なのは確定だけど…本を開くと呪われてしまう。どうにか方法はないかなぁ。本を開かずにして、本を読む方法…。
そう考えて、ふと頭に浮かんだのは、真っ暗な書庫室で黒霧を広げてビュラさんが読んでくれた絵本を探し出した記憶。あの時、黒霧を広げる事で、真っ暗で見えないはずなのに頭の中で書庫室全体の物が見え過ぎる程によく視えた。
思考しながら僕は自分の身体を黒霧化させる。
僕の依代であり黒魔力である黒霧自体は、『五感の全て、感覚そのもの』。だから、黒霧が触れたところは、『目で見るより良く視え』、『手で触れるより良く分かる』。
そこでハッと気付いた。
黒霧は、『透過性』がある。
そう思うと同時に、モワモワと膨れ上がる闇色の煙が呪術書を包み込む。黒霧は、呪術書を問題なく透過した。
本の中にも透過した黒霧がある筈だから、中身を見れる筈だ。
そう思って目を凝らすものの…何これめっちゃ見辛い。文字が幾重にも重なって視える…!当たり前か。しかも一気に色んな呪いの気配がして、気持ちが悪くなった。
集中すれば読めないことも…ない、な。超分厚いバウムクーヘンの層を一枚一枚剥がしているような気分…。
時間がかかりながらも、なんとか始めのページは読み切れた。
【序章】
【呪術魔法。それは、人生に置き血の涙を流す如く死よりも深い絶望と苦しみ、憎悪を味わった者しか手に入る事が出来ない特殊スキルである。
何も持たずして生まれ、虐げられ、憎悪を内に幾ら燻るも唯死に行くだけの者。延々に続く絶望の中、我らの望む神などいない、在るのは自分だけだと気が付いた者。その者等に、邪神様は目を止め、力無き者共に復讐の機会をお与えになる。呪術とは邪神様が持つ偉大な力であり、選ばれた者はその力の一変を手にすることができるだろうーー以下略】
序章のページには呪いがないけど、解呪の方法は載っていない。
黒霧を平くして本を閉じたままのページに水平に沿わせることによって、余計な部分の情報が入らなくなって多少見やすくなった。X線に意思があったら、こんな気分なのかな。なんて考えながら、呪いの歴史やらを飛ばしながら読みすめていくと、呪いの種類の説明に差し掛かる。
【老化:憎悪を寄せる若い人間に対し、若さと美しさを呪う感情を込め、その者の身体の一部を自分の血で煮る。呪いの対象:子供が生まれていない人間。掛かる年齢は13.5~27.8歳。18歳が最もかかりやすく、それ以外又はそれ以下になるつれ確率が下がっていく】【呪い:老化】
【変化:奇術の呪いの一つ。自身の爪や皮膚を毒沼で煮て、本来の姿と似ても似つかなくなるよう感情を込めながら呪薬を作る。呪薬に触れただけでも効果が出易い。気化させても効果有り。比較的容易に掛けやすいが、解け易い。対象者の性格により、姿が変わる。※このページのインクは特製気化呪薬性】【呪い:変化】
【石化:コカトリスの目玉を乾燥させて粉末状にした物と、粉末状にした魔物の核をコカトリスの血と自身の体液を煮て固め、石化の結晶を作る。石化の結晶を装備する事により、自身の呪術と合わせることで対象者を石化させる】【呪い:石化】
他にも【性質逆転】【永遠の踊り】【幻覚】【能力制限】【感覚除去】…EX…呪いの記述が二百ページ以上続いている。けどうやら呪いによって材料とか手順があるみたいだ。鑑定すると、ご丁寧に見本の呪いが付与されている。
容量がやっと掴めるようになって早く読めるようになったけど、ナーシアに掛かった呪いの名目は今のところ描かれていない。そもそも、呪いってどうやって解けるんだろう。
上から下へ、スキャンをする様にサーーとペラッペラの薄い黒い身体を動かして内容を大雑把に見ていく。
ん?…あ!『解呪』という単語をサーチした僕は、そのページから付近のページまで集中して読む。
読み終わった僕は、愕然とした。
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