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第一章
38話 分身の謎
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呪術魔法を使って、他人の呪いを自ら身代わりとして受け入れる。
この方法は、「呪術魔法を展開すれば自ずとやり方が分かる」と以外、詳しい事は書いていなかった。
そもそも、この方法を実行するには、僕は一度ナーシアの目の前でオルシヴィオンに変化する必要がある。
前うっかり森で女の子と会ってしまった時のように、ナーシアや他の人を驚かせる訳にはいかないし…今は屋敷に冒険者も沢山集っているから怖い。オルシヴィオンなんかになれば良い素材だ!なんて言われてサクッと討伐される気がする。
そういえば前、教会に行くときに指一つ分サイズのオルシヴィオンになった事があるんだよなぁ。でもあの時、オルシヴィオンのスキルは使えなかった。もしかして、分裂した状態になるとスキルが使えなくなるのかな。
まず分裂せずに黒猫の大きさを小さくしてみる事にした。余分な黒魔力は、影裂界の中に入れる事によって、どんどん体積がなくなる。あ、結構これ小さくなれるもんだな。今はガチャガチャのカプセルサイズにまで小さくなっている。もっと小さくもっと、次は親指サイズだ。あれ、この時点で猫パンチのスキルが既に消えている。黒神術は使えるようだけど…ん、?鑑定がバグった?
【エ⌘ィ\@】
種族名 :ネコ???
種族 : 魔物
闇属性
特殊スキル : 《種族変化》 《黒神術 》 ◀
黒神術 : 《状態変化》 《創造化》《生体感知》《暗黒魔法 》◀︎
ネコ???って何?あ、名前のところの黒猫の部分は、いつの間にかエヴィーって表示されるようになった。多分…ここもエヴィーって表示したかったのかな。
それにしてもバグっているなぁ。黒猫特有のしょうもないスキルも全部消えているし…そもそもこの鑑定ってなにで判断しているんだろう。
この状態で、今度はミニサイズオルシヴィオンに変化してみる。
【ト*げ%+】
種族 : 爬&@
闇属性
特殊スキル : 《種族変化》 《黒神術 》 ◀
黒神術 : 《状態変化》 《創造化》《生体感知》《暗黒魔法 》◀︎
あ、やっぱり黒曜竜の特殊スキルである《呪術魔法》とスキルの《疾風》《竜の咆哮》もなくなっている。よく見れば体力と魔力の数値すら書いていない。なんだこれ、どうなってるの??
とりあえず元のサイズにならないと、スキルは使えないのかな。
今度は分裂して二体の黒猫になる。
【エヴィー】
種族名 : 黒猫
種族 : 魔獣
闇属性
体力:150
魔力 : 123/123
特殊スキル : 《種族変化》 《黒神術 》 ◀
黒神術 : 《状態変化》 《創造化》《生体感知》《暗黒魔法 》◀︎
【エヴィー】
種族名 : 黒猫
種族 : 魔獣
闇属性
体力:150
魔力 : 123/123
特殊スキル : 《種族変化》 《黒神術 》 ◀
黒神術 : 《状態変化》 《創造化》《生体感知》《暗黒魔法 》◀︎
うーん全く同じ。おかしいな、でも確かに……あれ、やっぱりスキルがない!《猫パンチ 》 《引っ掻く 》《暗視》、この三つの猫特有スキルがなくなっている。
もう一方をカラスに変化させてみる。
【カラス】
種族名 : カラス
種族 : 魔鳥
体力 : 50/50
魔力 : 123/123
スキル : 《突っつき 》 《フン落とし 》《疾空 》
特殊スキル : 《種族変化》 《黒神術 》 ◀
黒神術 : 《状態変化》 《創造化》《生体感知》《暗黒魔法 》◀︎
あれ。猫とカラスで分裂したままだとスキルは消えないようだ。つまり、全く同じ種類になれないという事か…。
少し体積を小さくするくらいだと、何も起きないけど、変化で始めに構成された黒魔力が三分の1を下回ると途端にスキルが消える。
色々と僕のこの身体にも制約があるみたいだ。
これじゃあ、ミニオルシヴィオンで呪い身代わり作戦は実行不可能か…。
だったら、暗黒魔法の幻影で姿を隠しながらオルシヴィオンになればイケるかも…!幻影だと、移動しなければバレることもないだろうし…。
そう考えた僕だけど、すぐにその案を取り消す事になる。
一度ナーシアの部屋に向かう。ナーシアが最近、聖職者達の計らいで部屋を移されたのだ。オルシヴィオンの身体はレッドウルフより大きいので、いつものナーシアの部屋だとギリギリ入らない。ドアからは完全に入れないし。
確認の為にもこっそり黒霧状態でナーシアの新しく居る部屋に向かっいると、冒険者や傭兵の集団がナーシアが居るであろう部屋周りを闊歩していた。
あーー。かなりの強者だ、怖い。あの片目に傷をおった人とか、とんがり帽子をかぶった女の人とか、凄ーくお近付きになりたくない。
視界に入らないように隠れながら、護衛隊の様子を見て機を見計らう。
「ここの屋敷はそんなに凄いのか。確かに魔力糸の痕跡があるな」
「凄いのってなんの、芸術品レベルよ![真実の瞳]を起動して見てみたら?」
「あぁ、しかし屋敷の仕組みを勝手に覗き見るのは…」
「何かあった時に常に備えられるように起動しとけって陛下が仰っていたんだ。屋敷に気を遣って魔物でも見逃す訳にいかないんだから堂々と見とけよ~」
「そうよそうよ!契約違反じゃないし!」
「あ、あぁ。そうか」
片目に眼帯をして厳つい顔の人が意外にもチャラそうな男の人と猫耳フードの女の子に押され気味になっている。
それにしても[真実の瞳]ってなに?
なんとなく気になっていると、片目眼帯が胸元から雫型の澄んだエメラルド色の水晶を取り出して、『起動』と唱えた。すると、彼の『瞳』が薄く緑色の光を帯び始める。
あぁ、だから冒険者の集団は目がほんのりと黄緑色に光っていたのか。
「これは凄いな。術式に幻影魔法が取り込まれている。ほぅ、ここで攻撃魔法を放つと、ミラーで返り討ちになるのか」
えッッッ幻影魔法見破れるアイテムなの!?そっか、真実の瞳だもんね、そっか…。う、あ、どうしよう。
眼帯強面の人の言葉に、ショックを受けていると、猫耳フードの女の子の弾んだ声が聞こえてくる。
「でしょ!ほら、屋敷を囲むあの結界凄いよね。あ、ココとココとココ、決まった合言葉で起動できるようになっている」
「凄いな、流石研究の地ユミフィトニアと言われるだけあって、ここの屋敷はその集大成だな。まるで要塞だ」
そっか、ナーシアの屋敷ってそんなに結界が張られていたんだ。結界は何度か発見した事があるけど、そんなにあるとは思わなかった。…というか、気が付かない間に僕って結界に引っかかってたりする…かも…!?急にゾワゾワと不安が沸き立ってきた。これからもっと慎重に動かないと…。
「でも、あれだろ?グローファントムが敷地内に出たって…」
「そうそうそうそう!お嬢様の呪いって本当にヤバい感じらしいね。魔物が偶然敷地内に発生するとか天文的確率過ぎるよ。しかも魔物だけじゃなくて色々呼び寄せてしまっているらしいし」
ナーシアの事情は、既に屋敷に居る人たちは知っているのか。
「それで卿は庭まで新しく結界を張っていらっしゃるのか。国中の聖職者と護衛を雇うからして、呪いくらいでかなり慎重な方だと思っていたが…そこまで酷いものだとは考えなかった」
「ひゃーいくらお貴族様でもそれはお金が持たないんじゃないか?」
「可哀想、多分私達が守っても…そのうち病気で」
「おいッ雇い主の屋敷の中だ、口を慎め」
「悪い~」
「あー、はは、ごめんて許して?」
そうだ、幾らクローゼル家が貴族で、王家から恩情を受けていたとしても…この規模はお金が心配になる。
早く僕が呪いを身代わりにならなければ、ナーシアが病気になってしまう可能性がある。もし脳梗塞や心臓発作のような突発的に死んでしまう病気とかになってしまったら大変だ。
呪術魔法の扱い方が分からないし、正直上手く行くかも、分からない。身代わりになるのに、時間がかかるかもしれない。ナーシアが1人だけの時を狙いたいけど、結界作用やトラップ魔法の位置や起動条件も調べなければならないし、何より雇われた護衛隊が四六時中見張ってて今のところナーシアが1人の機会が見当たらない。
結局その日は、ナーシアの部屋に近づく事も出来ずに終わった。
この方法は、「呪術魔法を展開すれば自ずとやり方が分かる」と以外、詳しい事は書いていなかった。
そもそも、この方法を実行するには、僕は一度ナーシアの目の前でオルシヴィオンに変化する必要がある。
前うっかり森で女の子と会ってしまった時のように、ナーシアや他の人を驚かせる訳にはいかないし…今は屋敷に冒険者も沢山集っているから怖い。オルシヴィオンなんかになれば良い素材だ!なんて言われてサクッと討伐される気がする。
そういえば前、教会に行くときに指一つ分サイズのオルシヴィオンになった事があるんだよなぁ。でもあの時、オルシヴィオンのスキルは使えなかった。もしかして、分裂した状態になるとスキルが使えなくなるのかな。
まず分裂せずに黒猫の大きさを小さくしてみる事にした。余分な黒魔力は、影裂界の中に入れる事によって、どんどん体積がなくなる。あ、結構これ小さくなれるもんだな。今はガチャガチャのカプセルサイズにまで小さくなっている。もっと小さくもっと、次は親指サイズだ。あれ、この時点で猫パンチのスキルが既に消えている。黒神術は使えるようだけど…ん、?鑑定がバグった?
【エ⌘ィ\@】
種族名 :ネコ???
種族 : 魔物
闇属性
特殊スキル : 《種族変化》 《黒神術 》 ◀
黒神術 : 《状態変化》 《創造化》《生体感知》《暗黒魔法 》◀︎
ネコ???って何?あ、名前のところの黒猫の部分は、いつの間にかエヴィーって表示されるようになった。多分…ここもエヴィーって表示したかったのかな。
それにしてもバグっているなぁ。黒猫特有のしょうもないスキルも全部消えているし…そもそもこの鑑定ってなにで判断しているんだろう。
この状態で、今度はミニサイズオルシヴィオンに変化してみる。
【ト*げ%+】
種族 : 爬&@
闇属性
特殊スキル : 《種族変化》 《黒神術 》 ◀
黒神術 : 《状態変化》 《創造化》《生体感知》《暗黒魔法 》◀︎
あ、やっぱり黒曜竜の特殊スキルである《呪術魔法》とスキルの《疾風》《竜の咆哮》もなくなっている。よく見れば体力と魔力の数値すら書いていない。なんだこれ、どうなってるの??
とりあえず元のサイズにならないと、スキルは使えないのかな。
今度は分裂して二体の黒猫になる。
【エヴィー】
種族名 : 黒猫
種族 : 魔獣
闇属性
体力:150
魔力 : 123/123
特殊スキル : 《種族変化》 《黒神術 》 ◀
黒神術 : 《状態変化》 《創造化》《生体感知》《暗黒魔法 》◀︎
【エヴィー】
種族名 : 黒猫
種族 : 魔獣
闇属性
体力:150
魔力 : 123/123
特殊スキル : 《種族変化》 《黒神術 》 ◀
黒神術 : 《状態変化》 《創造化》《生体感知》《暗黒魔法 》◀︎
うーん全く同じ。おかしいな、でも確かに……あれ、やっぱりスキルがない!《猫パンチ 》 《引っ掻く 》《暗視》、この三つの猫特有スキルがなくなっている。
もう一方をカラスに変化させてみる。
【カラス】
種族名 : カラス
種族 : 魔鳥
体力 : 50/50
魔力 : 123/123
スキル : 《突っつき 》 《フン落とし 》《疾空 》
特殊スキル : 《種族変化》 《黒神術 》 ◀
黒神術 : 《状態変化》 《創造化》《生体感知》《暗黒魔法 》◀︎
あれ。猫とカラスで分裂したままだとスキルは消えないようだ。つまり、全く同じ種類になれないという事か…。
少し体積を小さくするくらいだと、何も起きないけど、変化で始めに構成された黒魔力が三分の1を下回ると途端にスキルが消える。
色々と僕のこの身体にも制約があるみたいだ。
これじゃあ、ミニオルシヴィオンで呪い身代わり作戦は実行不可能か…。
だったら、暗黒魔法の幻影で姿を隠しながらオルシヴィオンになればイケるかも…!幻影だと、移動しなければバレることもないだろうし…。
そう考えた僕だけど、すぐにその案を取り消す事になる。
一度ナーシアの部屋に向かう。ナーシアが最近、聖職者達の計らいで部屋を移されたのだ。オルシヴィオンの身体はレッドウルフより大きいので、いつものナーシアの部屋だとギリギリ入らない。ドアからは完全に入れないし。
確認の為にもこっそり黒霧状態でナーシアの新しく居る部屋に向かっいると、冒険者や傭兵の集団がナーシアが居るであろう部屋周りを闊歩していた。
あーー。かなりの強者だ、怖い。あの片目に傷をおった人とか、とんがり帽子をかぶった女の人とか、凄ーくお近付きになりたくない。
視界に入らないように隠れながら、護衛隊の様子を見て機を見計らう。
「ここの屋敷はそんなに凄いのか。確かに魔力糸の痕跡があるな」
「凄いのってなんの、芸術品レベルよ![真実の瞳]を起動して見てみたら?」
「あぁ、しかし屋敷の仕組みを勝手に覗き見るのは…」
「何かあった時に常に備えられるように起動しとけって陛下が仰っていたんだ。屋敷に気を遣って魔物でも見逃す訳にいかないんだから堂々と見とけよ~」
「そうよそうよ!契約違反じゃないし!」
「あ、あぁ。そうか」
片目に眼帯をして厳つい顔の人が意外にもチャラそうな男の人と猫耳フードの女の子に押され気味になっている。
それにしても[真実の瞳]ってなに?
なんとなく気になっていると、片目眼帯が胸元から雫型の澄んだエメラルド色の水晶を取り出して、『起動』と唱えた。すると、彼の『瞳』が薄く緑色の光を帯び始める。
あぁ、だから冒険者の集団は目がほんのりと黄緑色に光っていたのか。
「これは凄いな。術式に幻影魔法が取り込まれている。ほぅ、ここで攻撃魔法を放つと、ミラーで返り討ちになるのか」
えッッッ幻影魔法見破れるアイテムなの!?そっか、真実の瞳だもんね、そっか…。う、あ、どうしよう。
眼帯強面の人の言葉に、ショックを受けていると、猫耳フードの女の子の弾んだ声が聞こえてくる。
「でしょ!ほら、屋敷を囲むあの結界凄いよね。あ、ココとココとココ、決まった合言葉で起動できるようになっている」
「凄いな、流石研究の地ユミフィトニアと言われるだけあって、ここの屋敷はその集大成だな。まるで要塞だ」
そっか、ナーシアの屋敷ってそんなに結界が張られていたんだ。結界は何度か発見した事があるけど、そんなにあるとは思わなかった。…というか、気が付かない間に僕って結界に引っかかってたりする…かも…!?急にゾワゾワと不安が沸き立ってきた。これからもっと慎重に動かないと…。
「でも、あれだろ?グローファントムが敷地内に出たって…」
「そうそうそうそう!お嬢様の呪いって本当にヤバい感じらしいね。魔物が偶然敷地内に発生するとか天文的確率過ぎるよ。しかも魔物だけじゃなくて色々呼び寄せてしまっているらしいし」
ナーシアの事情は、既に屋敷に居る人たちは知っているのか。
「それで卿は庭まで新しく結界を張っていらっしゃるのか。国中の聖職者と護衛を雇うからして、呪いくらいでかなり慎重な方だと思っていたが…そこまで酷いものだとは考えなかった」
「ひゃーいくらお貴族様でもそれはお金が持たないんじゃないか?」
「可哀想、多分私達が守っても…そのうち病気で」
「おいッ雇い主の屋敷の中だ、口を慎め」
「悪い~」
「あー、はは、ごめんて許して?」
そうだ、幾らクローゼル家が貴族で、王家から恩情を受けていたとしても…この規模はお金が心配になる。
早く僕が呪いを身代わりにならなければ、ナーシアが病気になってしまう可能性がある。もし脳梗塞や心臓発作のような突発的に死んでしまう病気とかになってしまったら大変だ。
呪術魔法の扱い方が分からないし、正直上手く行くかも、分からない。身代わりになるのに、時間がかかるかもしれない。ナーシアが1人だけの時を狙いたいけど、結界作用やトラップ魔法の位置や起動条件も調べなければならないし、何より雇われた護衛隊が四六時中見張ってて今のところナーシアが1人の機会が見当たらない。
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