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第一章
過去の話② side廼華
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私の双子の弟。紡(ツムグ)は土曜日のあの日、忽然と姿を消して一週間が経った。
あの日紡の帰って来ない夜、私は珍しく夜遅くまで遊びに行っているのかと思っていた。だが、日付を回って帰ってこない事から、何か事件に巻き込まれたんじゃないかと思うようになったが、2日3日経つごとにそれは確信に変わった。
この一週間、紡のスマホに何度も連絡を入れたが1つも帰って来ることはなかった。
そもそも、紡はスマホを持たずに行方不明なったらしい。返信が来なくて当たり前だった。
紡の荷物やスマホは学校にあったと、学校側から連絡があった。そして、紡の外靴は下駄箱に入ったままだったと。
つまり、紡は学校の中で姿を消した可能性が高い。
しかし先生達は学校中を隅々まで探し回ったが、結局見つからず、地域の人や警察に頼む事になった。
警察は誘拐の線が高いと見て、犯人捜査を進めているらしい。
もう一週間経ったのに、紡の手掛かりは学校以外にそれらしき物は見つからない。
この一週間の間、私も見好と探し回った。
紡の友達、知り合い、紡のクラスメイト。
紡と関わった人達に連絡をするが、手かがりは掴めない。若しくは何か隠していることがあるかもしれないが、私達はそんなこと分からない。
そして紡のクラスメイトについてだが。
私達は何度も紡のクラスに行き、5組のクラスメイト達に話を聞きに行っている。
***
錠心高校二年 普通科 5組 三中 紡 。
三中紡が消息を絶ってから一週間と2日目。
艶めくロングのシルバーブロンドヘアが歩くたびに波打つ。ブレザーからでも分かる線の細いすらっとした身体、肌は雪のように白く、どう見ても生粋の日本人とは思えない。道行く人が彼女を見たのなら、西洋の物語に出てくるお姫様に遭遇してしまったかのように錯覚するだろう。
光の加減に寄っては緑に見える美しい青い瞳は、何故だか今は不安に揺れている。
その少女の隣を歩くのは、周囲の男子学生と異なる大人びた雰囲気を纏う少年。緩くパーマのかかったベージュヘアに合った整った顔は、まるで少女の漫画の中から出てきたかのようなイケメン具合だ。
その身長の高さと落ち着き払った性格に反して顔立ちはどこか愛らしく、甘え上手そうなルックスをしている。
少女の名前は三中廼華(ミナカ ナイカ)
そして少年の方は洌崎 見好(スザキ ミヨシ)
彼等は、随一の圧倒的美男美女ベストカップルとして校内では公然たる事実として知れ回っている訳だが、当の本人達はそんなことを知らない。
2人が並んで颯爽と廊下を歩くだけで、周囲の人々は自然と2人に視線を集める。リア充美男美女カップルは妬まれるものが常であるが、2人に集中する視線は 憧れ、羨望、恋情の眼差しが殆どであり、嫉妬を抱くものは少ない。何故なら、2人は同性からも羨望され、親しまれているからだ。
三中廼華は、剣道で無敗の姫と言う異名を持ち、成績は小学生の頃から常にトップ。口数が少なく、無表情だからこそ、時折見せる微笑は希少価値が高く、老若男女を虜にさせる程の美しさがある。
因みに、その微笑はミステリアスな雰囲気と御伽噺から出てきたかのような神秘的な美しさにちなんで、妖精の微笑みと呼ばれている。妖精の微笑みを見たものはその後御利益があるらしいとか。
洌崎見好は、成績は上位、運動神経抜群、何よりそのイケメン具合から他校にまでファンクラブがあるらしい。性格は落ち着いていて、さり気なく優しく、男女関係なくイケメンさを発揮することから、同性にも親しまれている。
何をやらせても並以上で器用、しかし本人は目立ちたくないと思っているらしく、いつも本気を出さない。しかし、人に頼られたりすると本領発揮するため、彼は部活生の助っ人としてよく駆り出されているらしい。
月曜日の放課後、廼華と見好は5組のクラスメイト達に何度目かの事情聴取を行いに向かっていた。
これまで、15分間の大休み、45分間の昼休み、そして放課後、と1日に三回程向かっている。
見好が扉を開けると、静まり返る教室。
クラス中の生徒の視線が2人に集中するが、意に介さず2人は教卓に向かう。
教卓には、生徒の出席番号と名前が書かれた席の見取り図がある。
廼華はそれを見て確認し、今日事情聴取する人物の席に向かう。
「今野 美咲さんですよね、すみません、少しお話を聞きたいので付いてきてください」
「…わー来た、次は私の番だってさ。別に話すことなんて何もないから帰っていい?」
廼華の淡々とした言葉に、廼華にも充分聞こえる声で ハッと笑いながら近くの女子達に話しかけた後、棘のある言い方で問答無用の拒否をするは2–5今野美咲。
彼女は派手目の女子グループの中心に近い人物であり、クラスでの発言権も高く、同じクラスの後田を含めた素行の悪い男子グループとも仲が良い。噂では中学の頃、グループで率先して いじめに加担していた疑いがある。
「ごめんね今野さん、少しの時間だけ。急に居なくなってしまった友達が このクラスでどう過ごしてたか知りたくてて…良いかな」
「……少しだけなら」
見好が話しかけた途端、不機嫌な様子を隠そうともしなかった表情が引っ込み、多少溜めた後、彼女はあっさりと了承した。
「ありがとう」
そう言ってにこりと見好が微笑むと、彼女の顔は赤くなった。
そうして、三人は2–5の校舎内、数ある空き教室の一つに向かって教室を出ていった。
「チッ」
シンと静まる教室に 後田の舌打ちが響く。
暫くの静寂の後、ガヤガヤと徐々に騒がしくなり、5組の生徒達は帰りの支度を始めた。
あの日紡の帰って来ない夜、私は珍しく夜遅くまで遊びに行っているのかと思っていた。だが、日付を回って帰ってこない事から、何か事件に巻き込まれたんじゃないかと思うようになったが、2日3日経つごとにそれは確信に変わった。
この一週間、紡のスマホに何度も連絡を入れたが1つも帰って来ることはなかった。
そもそも、紡はスマホを持たずに行方不明なったらしい。返信が来なくて当たり前だった。
紡の荷物やスマホは学校にあったと、学校側から連絡があった。そして、紡の外靴は下駄箱に入ったままだったと。
つまり、紡は学校の中で姿を消した可能性が高い。
しかし先生達は学校中を隅々まで探し回ったが、結局見つからず、地域の人や警察に頼む事になった。
警察は誘拐の線が高いと見て、犯人捜査を進めているらしい。
もう一週間経ったのに、紡の手掛かりは学校以外にそれらしき物は見つからない。
この一週間の間、私も見好と探し回った。
紡の友達、知り合い、紡のクラスメイト。
紡と関わった人達に連絡をするが、手かがりは掴めない。若しくは何か隠していることがあるかもしれないが、私達はそんなこと分からない。
そして紡のクラスメイトについてだが。
私達は何度も紡のクラスに行き、5組のクラスメイト達に話を聞きに行っている。
***
錠心高校二年 普通科 5組 三中 紡 。
三中紡が消息を絶ってから一週間と2日目。
艶めくロングのシルバーブロンドヘアが歩くたびに波打つ。ブレザーからでも分かる線の細いすらっとした身体、肌は雪のように白く、どう見ても生粋の日本人とは思えない。道行く人が彼女を見たのなら、西洋の物語に出てくるお姫様に遭遇してしまったかのように錯覚するだろう。
光の加減に寄っては緑に見える美しい青い瞳は、何故だか今は不安に揺れている。
その少女の隣を歩くのは、周囲の男子学生と異なる大人びた雰囲気を纏う少年。緩くパーマのかかったベージュヘアに合った整った顔は、まるで少女の漫画の中から出てきたかのようなイケメン具合だ。
その身長の高さと落ち着き払った性格に反して顔立ちはどこか愛らしく、甘え上手そうなルックスをしている。
少女の名前は三中廼華(ミナカ ナイカ)
そして少年の方は洌崎 見好(スザキ ミヨシ)
彼等は、随一の圧倒的美男美女ベストカップルとして校内では公然たる事実として知れ回っている訳だが、当の本人達はそんなことを知らない。
2人が並んで颯爽と廊下を歩くだけで、周囲の人々は自然と2人に視線を集める。リア充美男美女カップルは妬まれるものが常であるが、2人に集中する視線は 憧れ、羨望、恋情の眼差しが殆どであり、嫉妬を抱くものは少ない。何故なら、2人は同性からも羨望され、親しまれているからだ。
三中廼華は、剣道で無敗の姫と言う異名を持ち、成績は小学生の頃から常にトップ。口数が少なく、無表情だからこそ、時折見せる微笑は希少価値が高く、老若男女を虜にさせる程の美しさがある。
因みに、その微笑はミステリアスな雰囲気と御伽噺から出てきたかのような神秘的な美しさにちなんで、妖精の微笑みと呼ばれている。妖精の微笑みを見たものはその後御利益があるらしいとか。
洌崎見好は、成績は上位、運動神経抜群、何よりそのイケメン具合から他校にまでファンクラブがあるらしい。性格は落ち着いていて、さり気なく優しく、男女関係なくイケメンさを発揮することから、同性にも親しまれている。
何をやらせても並以上で器用、しかし本人は目立ちたくないと思っているらしく、いつも本気を出さない。しかし、人に頼られたりすると本領発揮するため、彼は部活生の助っ人としてよく駆り出されているらしい。
月曜日の放課後、廼華と見好は5組のクラスメイト達に何度目かの事情聴取を行いに向かっていた。
これまで、15分間の大休み、45分間の昼休み、そして放課後、と1日に三回程向かっている。
見好が扉を開けると、静まり返る教室。
クラス中の生徒の視線が2人に集中するが、意に介さず2人は教卓に向かう。
教卓には、生徒の出席番号と名前が書かれた席の見取り図がある。
廼華はそれを見て確認し、今日事情聴取する人物の席に向かう。
「今野 美咲さんですよね、すみません、少しお話を聞きたいので付いてきてください」
「…わー来た、次は私の番だってさ。別に話すことなんて何もないから帰っていい?」
廼華の淡々とした言葉に、廼華にも充分聞こえる声で ハッと笑いながら近くの女子達に話しかけた後、棘のある言い方で問答無用の拒否をするは2–5今野美咲。
彼女は派手目の女子グループの中心に近い人物であり、クラスでの発言権も高く、同じクラスの後田を含めた素行の悪い男子グループとも仲が良い。噂では中学の頃、グループで率先して いじめに加担していた疑いがある。
「ごめんね今野さん、少しの時間だけ。急に居なくなってしまった友達が このクラスでどう過ごしてたか知りたくてて…良いかな」
「……少しだけなら」
見好が話しかけた途端、不機嫌な様子を隠そうともしなかった表情が引っ込み、多少溜めた後、彼女はあっさりと了承した。
「ありがとう」
そう言ってにこりと見好が微笑むと、彼女の顔は赤くなった。
そうして、三人は2–5の校舎内、数ある空き教室の一つに向かって教室を出ていった。
「チッ」
シンと静まる教室に 後田の舌打ちが響く。
暫くの静寂の後、ガヤガヤと徐々に騒がしくなり、5組の生徒達は帰りの支度を始めた。
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