一日一回シないと死んじゃう妖精の私が、人質になってしまいました。~救命はエッチ? いじわるな准将様に見張られて~

夢沢とな

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ペーター編

75話 フェルの純潔をボクに頂戴

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いきなりペーターがマジックテープをはがし出して、解放されるや私はわざと床へ転がった。そこからいになって疾走した。ネズミみたいに座席の間を縫い走って、操縦席のすきまに逃げ込んだ。もう二ッ度と捕まりたくなかった。

「隠れなくていいよフェアリーさん、出ておいで」

ペーターの足元をうかがうと、彼がそろえた私のブーツをそっと置くのが見えた。

「アイツの所へ連れて行ってあげるよ」

「うそ! またなんかだます気でしょっ」

拘束をといたうえに、ゼイツ准将じゅんしょうの所へ連れて行ってくれるという。私は肘掛ひじかけから目だけ出してペーターを疑った。

「次はどんなイタズラするつもりなの」

「イタズラじゃない、和平的交渉さ。を飲んでくれれば火山跡地に戻ってあげるよ」

「条件って何?」

私は身がまえるように訊き返した。

「フェルの純潔じゅんけつをボクに頂戴」

お互い何も言わない間ができた。

「どういう意味?」

「わかるでしょ」

ペーターを見ると、彼は上向きに何か考えるように瞬きしていて、それ以上答えてくれない。
純潔とはつまり……処女のこと? 私の処女を頂戴、彼はそう言ったのだろうか。

「…………どうしてそんなものが欲しいの」

「キミが純潔を失えば、その鱗粉フェロモンも消える。そうすればあの男も目が覚めて、キミに興味を失う。そうなった時のフェルの顔が見物だからさ」

「……意味がわからないんだけど」

「会えばわかるんじゃない?」

ペーターは座席に腰をおろし、ため息をついた。条件を自分で出しておいてちっとも楽しそうじゃない。

「いくら私が嫌いだからって、酷すぎない?」

私を傷つけるために私と寝たいだなんて、ほとんど凌辱じゃない。
口にシールを貼ったり、くすぐったり、
それらの悪戯イタズラが可愛く思えるほどこの要求は一線を越えている。

「嫌いだなんてボクいつ言った?」

「醜いも嫌いも同じことでしょ」

「キミが美しいから好きだ、なんていう言葉を信用したら馬鹿をみるよ。ピーナツバターみたいに醜くなったら、好きじゃなくなるって言ってるようなものじゃない」

「……ピーナツバター女王ほどお美しいフェアリーいないじゃない……」

「身内びいきだね」

「国民の総意だと思いますけど」

そこまで言うと私は唇を尖らせた。いったいペーターは何を言いたいんだろ、私のこと嫌いじゃないってこと? それって……

「見た目をめられたいなら、いくらでも言ってあげるよ? フェル、大人になって凄く綺麗になったね」

「やめて」

「自分で分かってないみたいだけど、たまらなく可愛い女の子なんだよ、キミは」

「もういい」

「声も綺麗だ」

「もういいってば! からかってるようにしかきこえない」

はねはそうは言ってないね」

私はバッと背中をおさえた。翅が、もっと自分を見てと言わんばかりに広がってしまっていた。

「へえ……フェルがそんなに自分に自信があったとは知らなかった」

「自信なんてないよっ。ないから言われたいんじゃない…………」

もう、なんだっけ、何の話してたんだっけ……なんでこんな熱くなっちゃってるの私。

「ボクと結婚してくれれば毎日言う」

「かっ、からかわないで!」

「婚約指輪だって用意してた。どこかに落としちゃったけど」

「私のこと好きなの!? ペーター!」

 
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