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ユリカの過去 三話
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※胸糞ご注意くださいませ( ´∀` )
「きゃあああ!」
ユリカは土間の隅にしゃがみこんだ。
「す、すまぬっ」
「いえ私の方こそっ」
びっくりした。なんかすごいもの見ちゃった。ああいう風になってたから脱ぎたくなかったんだ。
すぐに天太は布団をかぶって寝たふりをしていたが、実はくたびれ果てていたのだろう、寝息をたてはじめ、ユリカは慌てて箪笥から塗り薬を出してきた。
「天太さん、眠る前に薬を塗った方が良いかと思います」
「うーん……薬はきらいだ……」
「そんな子供じみた事云わないで?」
できれば自分で塗ってほしいけど、起こすのも可哀想だ。
ユリカは仕方なく彼にかかっている掛け布団をめくった。
怪我していたのは右の下腹部の辺り。股間を見てしまわないように丁重にずらしていくと布団がひっかかった。
「……っ!」
な、なぜ勃っているの……。
ユリカは赤くなって唇を噛んだ。
『やっぱりお前じゃ勃たない』
ユリカは過去にも一度だけ男の裸を見てしまった事がある。その男と――結婚するはずだった。
それはまだユリカが村で暮らしていた十七の頃。まわりの女の子たちがつぎつぎと嫁いでいく中、ユリカは不安な気持ちを抱いていた。
『私なんかを妻に望んでくれる方いるのかな……いるといいな……』
自分の顔には傷がある。
辛い幼少期を過ごしたユリカだったが、勤めはじめた奉公先で一生懸命働いていたのだ。
そしてそんなユリカに一件の縁談が舞いこむ。
相手は大農家の息子の一豊という男だった。それを聞いたユリカは耳を疑った。一豊は女の子たちの間で噂されるほどの美男子で、まさか自分がという気持ちだった。
ただ彼には大きな問題があった。畑を耕さない怠け者だったのだ。
だから一豊の両親の「働き者の嫁が欲しい」という要望でユリカに白羽の矢が立ったのである。過酷な労働が待っている事は想像できたが……ユリカもやはり女だ、一豊に愛してもらえるなら――何だって頑張ろうと承諾した。
祝言(結婚式)の日取りが決まった頃、一豊が直接ユリカに会いに来てこう云った。
『祝言の前に確かめておきたい事がある』
彼は薄汚い納屋へユリカを連れこむと、いきなり着ている物を脱いでしまった。ユリカはびっくりして声がでなかった。
『うーん、やっぱりかおの傷を見ちゃうと勃たないや。ちょっと着物脱いでみせて』
あまりの事に自分が何を云われているのか理解が追いつかなかった。ユリカは辛うじて首をふった。
『なんで脱げないんだ? おれたち夫婦になるんだよ?』
『だってこんなところで……』
『はあ~あ。このまま子作りできなかったら親はガッッカリするだろうなあ。祝言しなかった方が良かったって話になるよ、きっと』
ユリカの瞳から涙が落ちた。
『ならさ、口でしてみてよ。上手にできたら挿れてあげるから』
「とりゃあ」
と天太がかけぶとんを舞いあげた。首から上にふとんがかかり、首から下は素っ裸。頭隠して股間隠さずである。
「!? やああっ/// ちょっと///」
ユリカはあわててふとんを戻した。
「ちょっとやだ! なぜそんなに大きくなってるのですかっ」
「そなたといっひょにいたら……こうなっ……た」
フニャフニャした寝言に耳をかたむけて、ユリカは瞳をぱちくりさせた。
あの日――、納屋で、ユリカは一豊の云うなりになってしまった。
だが翌日断りの連絡が入り、結婚は破談となった。ユリカは嫁入り前の貞操だけ奪われ、ごみのように捨てられたのである。
「きゃあああ!」
ユリカは土間の隅にしゃがみこんだ。
「す、すまぬっ」
「いえ私の方こそっ」
びっくりした。なんかすごいもの見ちゃった。ああいう風になってたから脱ぎたくなかったんだ。
すぐに天太は布団をかぶって寝たふりをしていたが、実はくたびれ果てていたのだろう、寝息をたてはじめ、ユリカは慌てて箪笥から塗り薬を出してきた。
「天太さん、眠る前に薬を塗った方が良いかと思います」
「うーん……薬はきらいだ……」
「そんな子供じみた事云わないで?」
できれば自分で塗ってほしいけど、起こすのも可哀想だ。
ユリカは仕方なく彼にかかっている掛け布団をめくった。
怪我していたのは右の下腹部の辺り。股間を見てしまわないように丁重にずらしていくと布団がひっかかった。
「……っ!」
な、なぜ勃っているの……。
ユリカは赤くなって唇を噛んだ。
『やっぱりお前じゃ勃たない』
ユリカは過去にも一度だけ男の裸を見てしまった事がある。その男と――結婚するはずだった。
それはまだユリカが村で暮らしていた十七の頃。まわりの女の子たちがつぎつぎと嫁いでいく中、ユリカは不安な気持ちを抱いていた。
『私なんかを妻に望んでくれる方いるのかな……いるといいな……』
自分の顔には傷がある。
辛い幼少期を過ごしたユリカだったが、勤めはじめた奉公先で一生懸命働いていたのだ。
そしてそんなユリカに一件の縁談が舞いこむ。
相手は大農家の息子の一豊という男だった。それを聞いたユリカは耳を疑った。一豊は女の子たちの間で噂されるほどの美男子で、まさか自分がという気持ちだった。
ただ彼には大きな問題があった。畑を耕さない怠け者だったのだ。
だから一豊の両親の「働き者の嫁が欲しい」という要望でユリカに白羽の矢が立ったのである。過酷な労働が待っている事は想像できたが……ユリカもやはり女だ、一豊に愛してもらえるなら――何だって頑張ろうと承諾した。
祝言(結婚式)の日取りが決まった頃、一豊が直接ユリカに会いに来てこう云った。
『祝言の前に確かめておきたい事がある』
彼は薄汚い納屋へユリカを連れこむと、いきなり着ている物を脱いでしまった。ユリカはびっくりして声がでなかった。
『うーん、やっぱりかおの傷を見ちゃうと勃たないや。ちょっと着物脱いでみせて』
あまりの事に自分が何を云われているのか理解が追いつかなかった。ユリカは辛うじて首をふった。
『なんで脱げないんだ? おれたち夫婦になるんだよ?』
『だってこんなところで……』
『はあ~あ。このまま子作りできなかったら親はガッッカリするだろうなあ。祝言しなかった方が良かったって話になるよ、きっと』
ユリカの瞳から涙が落ちた。
『ならさ、口でしてみてよ。上手にできたら挿れてあげるから』
「とりゃあ」
と天太がかけぶとんを舞いあげた。首から上にふとんがかかり、首から下は素っ裸。頭隠して股間隠さずである。
「!? やああっ/// ちょっと///」
ユリカはあわててふとんを戻した。
「ちょっとやだ! なぜそんなに大きくなってるのですかっ」
「そなたといっひょにいたら……こうなっ……た」
フニャフニャした寝言に耳をかたむけて、ユリカは瞳をぱちくりさせた。
あの日――、納屋で、ユリカは一豊の云うなりになってしまった。
だが翌日断りの連絡が入り、結婚は破談となった。ユリカは嫁入り前の貞操だけ奪われ、ごみのように捨てられたのである。
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