サリーは死ぬべきだったのか?

我利我利亡者

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 初めて俺の名前を発した時から、オーウェン様は今までにも増して目覚しく成長をしていった。『サリー』と俺を呼ぶ声は日に日に流暢になっていく。他にも喋れる単語が増えた。話し方は途切れ途切れでまだまだ意味のある文章は満足に話せないようだが、この分だとそれもそのうち普通の人のようにできるようになるだろう。ペンやスプーンもかなり上手に扱えるようになってきたし、丸まったまま強ばっていた指も、だんだん滑らかに動くようにってきている。それまで四つん這いでしか歩けなかったのに、ある日突然掴まり立ちして、あろうことか数歩だけではあるものの、そのままヨタヨタ歩き出した時には驚きで腰が抜けるかと思ったものだ。
 オーウェン様の具合は日を追うごとに目に見えて良くなっていく。できることが増えて、どんどん人間本来の姿に近くなっていき、それでもまだ年相応に甘えてくるオーウェン様。俺は、そんな彼が愛しくて堪らない。
「サ、リィ」
「はい、何でしょうかオーウェン様?」
 やり掛けの針仕事を放り出し、玩具で1人遊びさせていたオーウェン様の所にすっ飛んでいく。遊びと言っても、ただの遊びではない。折角動くようになった指を上手に扱えるよう、指先の訓練も兼ねて積み木を組みたてているのだ。オーウェン様は最近ではだいぶ上達して、1人で立派なお城を作れるまでになっていた。
「グゥ。さみ、しい。なる」
「私が仕事に夢中になって、寂しかったのですか? それでは丁度いい時間ですし、一区切りつけておやつの時間にいたしましょうか」
「グルグル」
「直ぐにご用意いたしますね」
 ここでお待ちになっていてください、とオーウェン様を抱き上げて椅子に座らせ、おやつを取りに行く。そう、オーウェン様は1人で椅子に座ったままでいられるようにもなったんだ。丸まっていた背筋はシャッキリ伸び、グラついていた体幹もしっかりするようになってきた。まだ1人では立ち座りができないが、そこはまあ、急に一切手がかからなくなると俺の方が寂しいから、まだもう暫くはこのままでいいや。
 部屋を飛び出し階段を降りて、階下に保管してあったおやつの入った袋を掴み、直ぐさまとって返す。オーウェン様はしっかり席に着いたまま、俺の事を待っていてくれていた。俺が扉を開けた音に反応して、椅子の上でモゾモゾしている。こういう所も、無邪気で可愛らしいんだよな。
「お待たせいたしました、オーウェン様。今日のおやつはドライフルーツですよ」
「ガウッ」
 最初は獣に近しくなる呪いをかけられているのなら、やはり齧れるものが食べたくなるだろうと思って、安直に噛みごたえのあるおやつを用意していた。オーウェン様の知性に気がついてからは柔らかいものも食べたくなるだろうと柔らかい焼き菓子なんかを取り寄せてみたけれど、なかなかどうして固いものの方が食い付きがいい。正直、オーウェン様気に入りの噛みごたえのあるものが多い干菓子の方が保存に向いているので、こちらとしても助かっていた。
「ム、ウゥ。おい、し」
「お口にあって何よりです。まだありますから、ゆっくり味わってお召し上がりください」
 オーウェン様の隣でドライフルーツを1口大に切り分けて、オーウェン様が求める度に少しずつ口に入れてやる。行儀よく前のものを飲み込んでから、パカリと口を開けてこちらに次を催促するオーウェン様は、俺に甘やかされて上機嫌だ。
「おやつを食べ終わったら、少し食休みしてから先程の続きをしましょうか。私も今からオーウェン様の冬用のお召し物のご用意をしなくてはなりませんからね」
「ガウッ」
 ああ、本当にオーウェン様はなんて可愛らしいんだろう。俺に構ってもらえて嬉しそうに表情を綻ばせるオーウェン様のその様子は、見ていてとても癒される。昔っから周りの年上の人間達に世話を焼かれてばかりで自分は弟気質だと思っていたが、それは間違いだった。たまたま周りに俺に対して庇護者的立場の人間しか居なかっただけで、俺だって庇護対象が現れれば、存分に構い倒してしまう側の人間だったのだ。
「はい、今日はこれくらいにしておきましょうか。あんまり召し上がり過ぎると、お夕飯が入らなくなってしまいますからね」
「ナぃ?」
「そうですよ。残りは次の楽しみに取っておきましょう」
 濡らした手拭きでオーウェン様の口周りを拭ってやり、椅子から下ろして積み木の前に座らせる。再び積み木で遊び始めたのを確かめてから、また階下に降りておやつを仕舞い、手拭きの始末をしてから部屋に戻った。
 部屋では、オーウェン様が積み木の続きをしている。積み木は表面にこの国の文字が刻み込まれた四角形のものやら、三角形、円柱、アーチ橋型のものまで、様々な形のものを取揃えていた。自分が作った積み木の建造物の中に入れて遊べるような、自立する小さな人形や牛や馬などの種々様々な動物もついていて、その豪華さに初めて見た時は驚いたものだ。俺の知る限り他の王族が使っている品々の質には幾分劣るが、どうやら王室御用達の職人の手によるものらしい。遠ざけている王子相手でも一応、こういうところに金をかけるのは、腐っても王家なのだと思わされた。
「ひト、ねこ、ィぬ、とり!」
「そう、その通りですオーウェン様! さらに言うと、こっちの牛と、その牛の違いはお分かりになりますか?」
「うー、お、ウシ? め、ウシ?」
「正しく、おっしゃる通り! そちらの牛は雄牛、こちらの牛は雌牛です。今度のお勉強の時間に綴りをお教えしてさしあげましょうね」
 そうしていると、じきに俺のしていた仕事も終わる。オーウェン様用の冬服にスナップをつけ終わったのだ。勿論魔法で暖を取るつもりだが、ここは暖炉がないし、万が一の為にも備えがあるに越したことはない。これで安心して冬が超せる。
「さあ、オーウェン様。お待たせしました。次はお勉強のお時間ですよ。今回は読み取りの練習をいたしますから、ご本を読みましょうね」
「グルグル!」
 オーウェン様はこの時間が大好きだ。本を読むと言うと手足をバタバタさせて、大喜びする。今だって率先して遊んで散らばった積み木を纏めて、片付けようとしていた。オーウェン様の不自由な手ではやりきれない細かい片付けを手伝ってから、今日読む本を用意して持ってくる。
 今までに読んできた本は、もうこの本で10冊目だろうか。いや、もっと多いかもしれない。オーウェン様にせがまれるまま揃えていったら、どんどん増えていったのだ。そろそろもう少し難しめの本にシフトチェンジしてもいいかもしれない。
 オーウェン様を抱き上げ椅子に座り、その自分の膝の上にオーウェン様を座らせる。オーウェン様の前に本を広げれば、いつもの読み聞かせスタイルの完成だ。本の読み取りの時間は俺がゆっくりと文章を読んでいって、途中でオーウェン様が分からない単語があると声に出して知らせてくれる。その単語について俺が解説をして、また読み進めていく。そういうスタイルだ。
 今日の本は男の子の好きな異国の英雄伝説。俺も昔、何度も兄さんに読んでもらった。栞を挟んでいたページを開いて、前回の続きから読み始める。
「『勇者ヨアヒムの新しい冒険が始まります。目指すは遠く西の方角にある、砂の王国です。その国でヨアヒムが探すのは……』」
 この伝説の中の英雄は、世界中様々な所へと冒険に行く。氷でできた街だったり、雲の上にある帝国だったり、水中に住む人々を訪ねたり、行き先は色々だ。その勇者の見聞した広い世界が、紙上に美しい挿絵で表現されている。
 オーウェン様の為、情感をタップリ込めて朗々と本を読んでいると、ふと俺の読みあげる物語に反応して体を小さく動かしていたオーウェン様が、ピタリと動きを止めた。どうしたのかと思って様子を見ると、どうやら新しく捲ったページに描かれた挿絵に気を取られているらしい。俺が読み上げるのをやめたことにも気が付かない程、とても集中して見ている。
 その挿絵に描かれているのはどこか異国にあるという言い伝えの、年中花が咲き乱れている常春の花畑だ。色とりどりの花の絵が、鮮やかにページを彩っている。オーウェン様はその挿絵を息を潜めて凝視していた。
 初めはどうしたのだろうかと思っていたが、少し考えてあることに思い至りハッとする。若しかして……オーウェン様は、外の世界が気になるのだろうか?
 考えてみれば当然のことである。オーウェン様は生まれて直ぐにこの『嘆きの塔』に放り込まれて以来、1歩も外に出ていないのだ。風にそよぐ木々の葉ずれの音も、街中の活気も、空から降り注ぐ陽の光の温かさも、何も知らないのである。オーウェン様に与えられたのは、冷たい石組みと小さな窓から除く狭い空だけ。この子供はそれしか知らない。
 オーウェン様の悲しい境遇に、とてもやるせない気持ちにさせられる。まさか、オーウェン様はこのままこの『嘆きの塔』の中しか知らずに生きていくのか? いつか来る命尽きるその日まで、ここに閉じ込められて? ……そんなの、絶対許せない。
 パタン、と静かに本を閉じる。そこでオーウェン様はようやく自分が物思いに耽っていたことに気がついたようで、取り付くろうように慌ててこちらを振り向く。俺は本を横に置き、こちらに向けられた戸惑う榛色の瞳を見つめ返しながら、俺は意を決してその言葉を口にする。
「……オーウェン様。外に、出てみますか?」
「ッ、ヴゥッ!?」
 驚きで目を見開くオーウェン様の体を持ち上げ、俺の膝の上で向かい合わせになるように座り直させた。オロオロと狼狽えるオーウェン様の髪を一筋掬って撫で下ろし、そのフックラとした滑らかな頬に指を滑らせる。
「本の中にでてきた動物や街の風景を、見てみたくはありませんか? ただ挿絵を眺めるのではなく、実際に外に出てその素晴らしさを全身で感じたいとお思いになられたことは? オーウェン様がもし諾と仰られるのなら、私は全力でそのお手伝いいたしますよ」
「……」
 オーウェン様は困ったような表情を見せた。無理もない。こんなこと突然言われて、混乱しているのだ。その混乱に漬け込むように、俺は言葉を重ねる。
「流石に長くここを離れることはできませんので、日帰りできる範囲だけになりますが……お望みとあらばどこへでも連れて行って差し上げられますよ。幸い王城のあるこの場所は国の要所ですから、近くには大抵のものがあります。街中に出て市の賑わいを見ることも、牧場に行って動物と触れ合うことも、ただどこか静かな場所に出かけてのんびりすることも、何だってできるんです。……いかがでしょうか?」
 本当はこんなこと、言うべきではないのかもしれない。オーウェン様はこの忌まわしい呪いが解けない限り、とてもじゃないが人の営みの中に入っていくことは叶わないだろう。どうやっても手に届かないものを目の前に差し出すのは、とても残酷な事だ。それならいっそ、最初から何も知らないままの方がマシである。
 俺はこの子供になにかしてやりたいという自分の自己満足に、オーウェン様を付き合わせようとしていだけなのではないだろうか? その為に、オーウェン様をさらなる悲しみの中に引きずり込んでしまうのかも……。それでも、問わずにはいられなかった。最初からなんの可能性も提示されないのと、自分で選んで諦めるのとでは、雲泥の差だ。それに、この塔は人1人が一生を過ごすにはあまりにも狭すぎる。
「オーウェン様。答えは今直ぐでなくても構いません。じっくり腰を据えて考えてみてください。私はどんな答えを出されても、いつだってあなたの味方になりますから」
 戸惑いで動かなくなってしまったオーウェン様の頭を優しく撫で、柔らかくほほ笑みかけた。オーウェン様の混乱が解けるように、思いを込めて。オーウェン様に幸せになって欲しい。例え、呪いを受けたせいで人より苦労が多くとも。それでもどうか、悔いのない一生を送って欲しい。その為なら、俺はどこまででも彼に付き合ってやろうじゃないか。
「……いく、たい」
「オーウェン様……」
「いく、たい。そと、みる、する」
 オーウェン様の目が、まっすぐ俺を射抜く。それを見つめ返すだけで、そこに宿る強い意志が伝わってくるようだ。ゆっくり頬を撫でる俺の手の上にぎこちなく自分の手を添えながら、オーウェン様は言葉を重ねるのだった。
「承りました、オーウェン様。この命に変えてでも。私が必ず、あなたに外の世界をお見せいたします」
 俺の手に重ねられたオーウェン様の小さな手を取り、恭しく口付けをする。胸の内に燃えるような使命感が沸き起こった。以前のような、自分は死ななければならないという、そんな薄暗い強迫観念とは違う。正真正銘、前に進む為の直向きな思いだ。
 兄さんを死なせてしまって、俺は生きる意味も、目標も、理由も、全てを失った。来る日も来る日も考えるのは、自分も死んで兄さんのところに行くことばかり。いつか死ねる。死はどこまでも平等だ。それだけに救いを見いだしていた。
 でも、今は違う。俺は兄さん以外にも、自分の存在意義を見出した。それは、オーウェン様にこの世界を見せること。そして、オーウェン様を幸せにすることだ。オーウェン様が望むことを、俺にできる限り沢山叶えて差し上げよう。きっとそれこそが、あの時死に損ない、こうして生かされた俺の役割なんだ。
 決意も新たに、俺は生まれ変わった気持ちでオーウェン様に向き直るのだった。
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