後宮BL短編連作

木野葉ゆる

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新米兵士は赤面する

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「やぁ、……はぁ、あぁ、あんっ……」

 まだ幼い少年のあられもない喘ぎ声が、薄い紗の向こうから聞こえてくる。
 居た堪れない。
 青年は扉をそっと開いて、部屋を出ようとした。青年の顔は紅潮しており、股間は緩く勃ち上がりかけていた。
 ここは後宮の一室。
 王の愛妾のうちの一人の少年の部屋であった。
 青年はこの春、王宮に採用されたばかりの新米兵士である。今夜は王の護衛として初めて後宮に赴いた。
 まさか、自分まで室内に招き入れられるとは思わず、扉の前で立っていた青年に、中に入れと命じた王は、寝台にほど近い場所で立っていろと命令した。
 王の命令は絶対である。仕方なく立ち尽くす青年を置いて、王は少年と盛り上がっているのだ。
 青年が扉の外へと踏み出しかけた時、鋭い声が聞こえた。

「どこへ行く? 其処にいるのがお前の役目だ。何処へも行くな」
 
 その声は紗の向こうにいる王のそれであり、こんな状況だというのに、威厳すら感じられた。
 青年は慌てて扉を閉めた。
 赤面したまま、紗の向こうの王に向けて敬礼する。
 
 新米の青年は知らなかった。先輩達はあえて教えなかった。
 王が少年趣味で、しかも露出趣味もある変態であることを。

 少年はいつものことと気にもせず、王に施される愛撫に酔いしれ、王の立派なそれに愛情を込めて奉仕した。

 王は少年を抱きながら、新米の青年を面白く眺めていた。

 いつもより興の乗った王と少年の交わりは夜更けまで続き、新米の青年は休憩所に赴くことも出来ず、射精を耐えることに意識を集中しながら立ち尽くしていた。

 その日以来、新米の青年は王のお気に入りとなった。
 頻繁に夜の後宮に呼ばれるようになった。
 いつまでも耐性のつかない初心な青年に、王のいたずら心は満たされる。

 すぐ赤面するその新米兵士が、王の愛妾の一人として、後宮に部屋を与えられたのは、それからしばらく経ってからのこと。

 少年ではない王の愛妾は、どうしても己の痴態を元の仲間であった護衛兵士たちに見られることは嫌だと、泣きながら王に訴えた。
 その、情けなくもかわいい泣き顔に折れて、王は青年を抱くときだけは、露出趣味を控えたという。

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