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第四章 大型連休は遊園地デートです!?

40話 王子様はウサギがお好き?

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 遊園地で迷子になったものの、親切なウサギさんに助けられてどうにか、魔央まおくんへの手がかりを見つけることができた。
 怖かったホラーハウスを出て、ウサギさんに別れを言ったあと、私は魔央まおくんらしき人に声をかける。

「魔央く……あ、れ?」

 振り向いた人は、全然違う人だった。
 私に声をかけられた人は、不思議そうな顔をしている。

「すみません! 人違いでした、本当にすみませんっ!」

 私が頭を下げて謝ると、気にしないで、と言ってっていく。
 どうしよう、手がかりはゼロに戻ってしまった……!

「(もうウサギさんには頼れないし……)」

 一人で探すしかない。 
 そう思い、あたりを見渡みわたしていると、後ろから声をかけられる。

「そこの可愛いおじょうさん。誰をお探しかな?」

 耳心地がいい、聞きなれた声。
 ふり向くと、王子様のような笑みを浮かべた、会いたかった人が。

魔央まおくん!」
「おっと」

 魔央まおくんが見つかった嬉しさと、安心感から魔央まおくんにいきおいよく抱きつく。


「ごめんね、一華いちかを一人にして」
「ううんっ。私こそ、迷子になっちゃってごめんなさい」
「俺の方が……、いや。お互いあやまるのはここまでにしよう。ね?」
「うん。そうだね」

 魔央まおくんと顔を見合わせて笑う。
 
「はぐれちゃってる間に、結構時間もたっちゃったしさ……」

 言葉を区切り、魔央まおくんは口の端を持ち上げて、いたずらっ子の笑みを浮かべた。

「ここからは全力で続きを楽しもっか」
「うんっ!」
 
 私たちは気をとりなおして、お土産が売っているショップに向かうことした。

◇◇◆◇◇

 店内はキーホルダーなど色々なものが、所狭しと置いている。
 見ているだけでも、時間がけてしまいそう。

「(あ、これ!)」

 私はとある物を発見した。
 ウサギの被り物だ。
 ウサギさんはここで、この被り物を買ったのかもしれない。。
 手にとって見つめると、なんだか愛着あいちゃくがわいてきた気がする……。
 被り物はさすがに置き場所に困るから、ウサギのキーホルダーでも買おうかな?

一華いちか、こっちに来てごらん」

 ウサギのキーホルダーを選び終わったタイミングで、熱心に商品を見ていた魔央まおくんに呼ばれてそばにいく。

魔央まおくん、なにかいい物でもあった?」
「これつけてみて、一華いちか

 |魔央くんから「はい」とわたされたのは、うさ耳のカチューシャ。
  頭につけてみるけど、私には可愛すぎる気もする。

「ど、どう?」
「可愛い。似合ってるよ一華いちか。本物のウサギみたいだ」
「そうかな? ……あ! 魔央まおくん、はい」
「──これ、俺がつけるの?」
「うん! ダメ?」
「…………」

 私が魔央まおくんにわたしたのは、色違いのうさ耳カチューシャだ。
 数秒カチューシャを見つめた|魔央くんは、|覚悟を決めたのかサッとつける。

「(か、可愛い! でもカッコよさもある!)」
「これ……、一華いちかは可愛いけど俺だと変じゃない?」
「そんなことないよ! すっごい似合ってる!」
「うーん?」

 私はたくさんめたんだけど、やっぱり魔央まおくんはカチューシャをつけたくないのか買わなかった。
 ……でもちゃっかりと、私の分のカチューシャは買ったみたいでプレゼントしてくれたよ。
 ショップを出たら魔央まおくんが、カチューシャを私の頭につけてきた。

「ふふっ、可愛すぎるウサギだね。一生、おりに閉じ込めちゃおうかな?」

 ──それはちょっと怖いよ、魔央まおくんっ!
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