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一章 インスタント
重いトートバッグを持ちながら家の鍵を開けて、真っ先に手を洗う。今朝着ていた部屋着に着替えて食品ストックの中からカップスープを見つけるとケトルで湯を沸かす。出来合いのディナーを片手にカーペットの上でテレビをつける。深夜のニュースが今日の出来事を淡々と伝えていく。ベッドを背もたれにして体育座りでカップスープを啜ると、スパイスの効いた液体から微力ながらも力が戻ってくるような気がする。
スープから得た力でシャワーを浴びる。なんとかドライヤーまで持ったみたいだ。来週に備えて寝だめをしよう。私は眠りにつくまでの最高の時間を楽しみながら瞼を閉じた。
自分の布団以外の布が擦れる音がして目が覚める。
「静かにしてよね……」
スマホのホームボタンを押すと画面にはいつもの起床時間より五分早い時間を示していた。
「最悪……」
寝返りを打って二度寝をしようとしたところ、部屋の異変に気付いた。誰かが壁にもたれて寝ている。
男の人が刀を肩に倒れさすように抱えて静かな寝息を立てていた。高い鼻梁に薄く形のいいくちびる。艶やかな黒髪が肩に流れていた。歳は二十代後半ぐらい? ぼろぼろの袴には枯れ葉が付いていて草履{ぞうり}は真っ黒。よく見ると顔には酸化して赤黒くなった血がついている。
昨日の夜、玄関の鍵は閉めたはずだ。それにこんな武士のような恰好……。三日前に見た映画のせいでこの夢を見てるに違いない。反対方向に寝返りを打って目を瞑ることにした。
「……」
「……起きたか」
まだ夢を見ているのだろうか。目の前にさっき見た男がいる。男は背筋がピンと張った正座をして、真っ直ぐな目でこちらを見てくる。
目を擦りながら重い瞼を開ける。
「……起きました」
布団の中から彼を見る。もう少し寝たかったのだけれど。いや、夢だから寝てるのか。
「二三、質問してもいいか」
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
「ここはどこだ?」
「私の家です」
「……ここはどこの国だ?」
「日本です」
「尾張とか土佐とかの国だ。どこの国だ」
「えーっと、どこですかね」
「住んでいる場所すら知らんのか」
「国って呼び方しないですよ。東京都です。いつの時代ですか国って」
少し苛つきながらスマホで『東京 昔の名前」で検索する。江戸でいいのかなあ。えーっと、私の住んでいるところは江戸に入らないのか。
「武蔵です」
スマホの日本地図を見せて場所も教える。彼は不思議気に画面を見つめてスマホを返した。その時に指が触れた。
(温かい? ……現実?)
ようやく目が覚めてきてこれは危機的な状況だと頭が警鐘を鳴らす。
えーっと夢じゃないってことは……襲われる⁉ それともお金目当て⁉
飛び起きて身を守る様に拳を握りしめ、男と向き合う。
男は男らしい綺麗な顔をしている。女性には困らないはず、となるとお金か。
「元気だな。突然起きると心臓に悪いぞ」
彼が私から視線を外した隙に急いでベッドを下りて棚に向かった。勢いよく引き出しを開けて通帳と現金五万円といくらあるかわからない小銭を取り出す。男が動かないことを確認して、男の前のテーブルにそれらを置いて離れた。
お願い、おとなしく出て行って。
「これはなんだ? 金か?」
これっぽっちのお金じゃお金とみなさないってこと⁉ でもこれ以上はない。
「ほんとに、ないんです……だから命だけは」
「俺は盗人ではない」
(えっ?)
「ってことは強姦……」
「なっ! するわけないだろう。男の風上にもおけん」
男が立ち上がる。百八十はある身長に大きな躯体。圧倒的な体格差になす術はない。
「じゃあ殺人……」
考えるだけで背筋が冷たくなる。
彼が右手に持っている刀は本物で「刀で人を斬ってみたい」っていう快楽殺人者だったり……。
「違う!」
「ひえっ」
「っ! ……すまない」
彼は私の右手への視線に気づき刀を床に置いた。
「お前に危害を加えるつもりはない。ただ、教えてほしいだけだ」
ドサッ
お尻に衝撃が走り、痛みがジンジンと広がっていく。体勢を変えようとするが身体が持ち上がらない。
「恐怖で腰が抜けたか。本当にすまない」
彼は私に近づくと、私の身体を軽々と持ち上げた。ベッドの前に移動するとゆっくりとシーツの上に降ろされる。
「……ありがとう、ございます」
私に触れる手はとても優しかった。言葉通り、危害を加えるつもりがないかもしれないと思い始めた。
「世話になったな」
彼は出て行った。何が起こったのかしばらく理解できなかった。ようやく立ち上がれる様になったので、なんとか立つ。恐る恐る彼の座っていた所に行くと赤い紅葉が一枚落ちていた。
「宮下、これもまとめとけ」
「はい」
上司に渡された分厚い紙の塊にデコピンする。古民家再生って耐震計算が面倒なんだよなあ。江戸時代からの古民家って、ほとんどの気が使えなくなってるだろうし。
そういえば、一週間前に会ったあの男の人、なんだったんだろう。嵐のように去っていったけど……。質の悪い夢かとも思ったが、床に落ちていた紅葉が現実だと私に伝えていた。
デスクに戻り資料を机の端に置き、さっき注いでおいた紅茶を小さく啜る。
彼の風貌や言動を思い出せば出すほど昔から転移してきた人じゃないかと考えてしまう。ありえない。ありえないことが起こったとでもいうのだろうか。
でも……そうだとしたら助けてあげたらよかった。彼自身も状況を掴みきれてないようだったから困惑していたのは彼の方かもしれないのに追い出すようなことになってしまった。
今どこにいるんだろうか。きっと上手いことやってるよね……。
まあ普通に、ちょっとおかしな人……だったのかも。
スマホの画面が光り、通知が来たことを知らせる。今日はコンビニの新作スナックが出るんだった。買って帰るのを忘れないようにしようっと。
エコバックを少しだけ大きく振りながらアパートの外階段を上る。やっと癒しの自宅に到着……
「あらー」
低い声が出る。お気に入りの芸人さんがスベっているのをテレビで見てる時のような声だった。二〇五と書かれた玄関戸の前に座り込む男性。何度確認しても私の部屋の前。その姿は家に彼が現れた時と同じだった。
「大丈夫ですか?」
前よりボロボロに汚れた袴に心配になり、彼の顔を覗き込む。よく見えなくて顔に触れるとコテンと顔が横に倒れる。
「ヒエッ」
首から上が取れたかと思った。頬はひどくこけていて目の周りがひどく窪んでいた。力が入らない状態まで衰弱しているのがすぐわかった。
同じアパートに住んでいる人が横を通りかかる。口には出さないが怪訝な目で不満を訴えていた。とにかく部屋に入れないと。
「すいません。起きられますか?」
彼の目がうっすらと開いた。
「観音菩薩……か?」
「違いますよ。死なないでください」
沈黙が流れる。
「……すまない」
「起きられますか? とりあえずうちに入りましょう」
彼に横にずれてもらい、鞄から鍵を取り出して玄関の戸を開ける。彼の腕を自分の肩に回して立ち上がる手助けをする。彼は引っ張られながらもなんとか動いてくれていた。
「うわっ」
ドサッ
安堵したのも束の間、中に入ると同時に体勢を崩して倒れてしまった。人一人しか通ることができない狭い玄関に百八十の男がうつ伏せに倒れた。
「大丈夫ですか⁉ まさか……」
打ち所が悪くて……
「死んでない」
彼の声が床に反射して籠って聞こえた。
「よかった」
彼の身体を見たところ、あれから怪我はしていない様だった。力が入らないってことはお腹が空いてるのだろうか?
持ち帰っていたエコバッグの中からコンビニで買った唐揚げを差し出す。
「食べますか?」
「……かたじけない」
彼は匂いに誘われるようにすくっと起き上がりその場に座った。
なかなか現金だな。でも、食べてくれると聞いて一安心。
「はい」
唐揚げの袋を開けて口元に持っていく。彼は力なく口を少し開ける。彼の口の中に入っていくのを確認すると少しほっとした。
「待ってくださいね」
急いで冷蔵庫に向かい、お茶をコップに注ぐ。飲みにくいかもしれないからストローも挿しとかないと。
唐揚げの入っていた袋が空になり、コップのストローも底についた。少しだが彼の顔色がよくなったような気がする。
「疲れてますよね。布団行きますか?」
「いや、眠くはない」
「じゃあ、お風呂入りますか?」
「ああ」
『お風呂が沸きました』
彼の身体がビクッと硬直し、身構える。
「大丈夫ですよ。機械の声です。誰もいません」
彼はこちらを見て眉を顰める。私の目を見て真偽を確かめているようだった。
「とにかく大丈夫です。ほら、行きましょう」
半ば無理やり彼を浴室に連れていき、戸を閉めた。
またお腹すくだろうから、何か準備しとかないと。冷蔵庫は空っぽだしキッチン下にもカップ麺しかない。
「野菜取った方がいいだろうしなあ」
財布と鍵だけを持って近所のスーパーに急いだ。
レタスとネギ、チャーシューに卵。チャーハンならすぐできるだろう。ネギを刻んでいく。浴室から彼が出てきた。
「すいません。その服ぐらいしかないですけど」
「いや、ありがとう」
スーパーの端っこにある無名のジャージを買ってきたがここまで着こなすとは。素材がいいとここまで違うのか……。安売りの服とは思えないぐらい高級に感じる。
「寝ますか?」
「いや、大丈夫だ。おかげでよくなった」
「よかったです。まだお腹空いてます? 今一応作ってるんですけど……」
「もらう」
「わかりました」
重いトートバッグを持ちながら家の鍵を開けて、真っ先に手を洗う。今朝着ていた部屋着に着替えて食品ストックの中からカップスープを見つけるとケトルで湯を沸かす。出来合いのディナーを片手にカーペットの上でテレビをつける。深夜のニュースが今日の出来事を淡々と伝えていく。ベッドを背もたれにして体育座りでカップスープを啜ると、スパイスの効いた液体から微力ながらも力が戻ってくるような気がする。
スープから得た力でシャワーを浴びる。なんとかドライヤーまで持ったみたいだ。来週に備えて寝だめをしよう。私は眠りにつくまでの最高の時間を楽しみながら瞼を閉じた。
自分の布団以外の布が擦れる音がして目が覚める。
「静かにしてよね……」
スマホのホームボタンを押すと画面にはいつもの起床時間より五分早い時間を示していた。
「最悪……」
寝返りを打って二度寝をしようとしたところ、部屋の異変に気付いた。誰かが壁にもたれて寝ている。
男の人が刀を肩に倒れさすように抱えて静かな寝息を立てていた。高い鼻梁に薄く形のいいくちびる。艶やかな黒髪が肩に流れていた。歳は二十代後半ぐらい? ぼろぼろの袴には枯れ葉が付いていて草履{ぞうり}は真っ黒。よく見ると顔には酸化して赤黒くなった血がついている。
昨日の夜、玄関の鍵は閉めたはずだ。それにこんな武士のような恰好……。三日前に見た映画のせいでこの夢を見てるに違いない。反対方向に寝返りを打って目を瞑ることにした。
「……」
「……起きたか」
まだ夢を見ているのだろうか。目の前にさっき見た男がいる。男は背筋がピンと張った正座をして、真っ直ぐな目でこちらを見てくる。
目を擦りながら重い瞼を開ける。
「……起きました」
布団の中から彼を見る。もう少し寝たかったのだけれど。いや、夢だから寝てるのか。
「二三、質問してもいいか」
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
「ここはどこだ?」
「私の家です」
「……ここはどこの国だ?」
「日本です」
「尾張とか土佐とかの国だ。どこの国だ」
「えーっと、どこですかね」
「住んでいる場所すら知らんのか」
「国って呼び方しないですよ。東京都です。いつの時代ですか国って」
少し苛つきながらスマホで『東京 昔の名前」で検索する。江戸でいいのかなあ。えーっと、私の住んでいるところは江戸に入らないのか。
「武蔵です」
スマホの日本地図を見せて場所も教える。彼は不思議気に画面を見つめてスマホを返した。その時に指が触れた。
(温かい? ……現実?)
ようやく目が覚めてきてこれは危機的な状況だと頭が警鐘を鳴らす。
えーっと夢じゃないってことは……襲われる⁉ それともお金目当て⁉
飛び起きて身を守る様に拳を握りしめ、男と向き合う。
男は男らしい綺麗な顔をしている。女性には困らないはず、となるとお金か。
「元気だな。突然起きると心臓に悪いぞ」
彼が私から視線を外した隙に急いでベッドを下りて棚に向かった。勢いよく引き出しを開けて通帳と現金五万円といくらあるかわからない小銭を取り出す。男が動かないことを確認して、男の前のテーブルにそれらを置いて離れた。
お願い、おとなしく出て行って。
「これはなんだ? 金か?」
これっぽっちのお金じゃお金とみなさないってこと⁉ でもこれ以上はない。
「ほんとに、ないんです……だから命だけは」
「俺は盗人ではない」
(えっ?)
「ってことは強姦……」
「なっ! するわけないだろう。男の風上にもおけん」
男が立ち上がる。百八十はある身長に大きな躯体。圧倒的な体格差になす術はない。
「じゃあ殺人……」
考えるだけで背筋が冷たくなる。
彼が右手に持っている刀は本物で「刀で人を斬ってみたい」っていう快楽殺人者だったり……。
「違う!」
「ひえっ」
「っ! ……すまない」
彼は私の右手への視線に気づき刀を床に置いた。
「お前に危害を加えるつもりはない。ただ、教えてほしいだけだ」
ドサッ
お尻に衝撃が走り、痛みがジンジンと広がっていく。体勢を変えようとするが身体が持ち上がらない。
「恐怖で腰が抜けたか。本当にすまない」
彼は私に近づくと、私の身体を軽々と持ち上げた。ベッドの前に移動するとゆっくりとシーツの上に降ろされる。
「……ありがとう、ございます」
私に触れる手はとても優しかった。言葉通り、危害を加えるつもりがないかもしれないと思い始めた。
「世話になったな」
彼は出て行った。何が起こったのかしばらく理解できなかった。ようやく立ち上がれる様になったので、なんとか立つ。恐る恐る彼の座っていた所に行くと赤い紅葉が一枚落ちていた。
「宮下、これもまとめとけ」
「はい」
上司に渡された分厚い紙の塊にデコピンする。古民家再生って耐震計算が面倒なんだよなあ。江戸時代からの古民家って、ほとんどの気が使えなくなってるだろうし。
そういえば、一週間前に会ったあの男の人、なんだったんだろう。嵐のように去っていったけど……。質の悪い夢かとも思ったが、床に落ちていた紅葉が現実だと私に伝えていた。
デスクに戻り資料を机の端に置き、さっき注いでおいた紅茶を小さく啜る。
彼の風貌や言動を思い出せば出すほど昔から転移してきた人じゃないかと考えてしまう。ありえない。ありえないことが起こったとでもいうのだろうか。
でも……そうだとしたら助けてあげたらよかった。彼自身も状況を掴みきれてないようだったから困惑していたのは彼の方かもしれないのに追い出すようなことになってしまった。
今どこにいるんだろうか。きっと上手いことやってるよね……。
まあ普通に、ちょっとおかしな人……だったのかも。
スマホの画面が光り、通知が来たことを知らせる。今日はコンビニの新作スナックが出るんだった。買って帰るのを忘れないようにしようっと。
エコバックを少しだけ大きく振りながらアパートの外階段を上る。やっと癒しの自宅に到着……
「あらー」
低い声が出る。お気に入りの芸人さんがスベっているのをテレビで見てる時のような声だった。二〇五と書かれた玄関戸の前に座り込む男性。何度確認しても私の部屋の前。その姿は家に彼が現れた時と同じだった。
「大丈夫ですか?」
前よりボロボロに汚れた袴に心配になり、彼の顔を覗き込む。よく見えなくて顔に触れるとコテンと顔が横に倒れる。
「ヒエッ」
首から上が取れたかと思った。頬はひどくこけていて目の周りがひどく窪んでいた。力が入らない状態まで衰弱しているのがすぐわかった。
同じアパートに住んでいる人が横を通りかかる。口には出さないが怪訝な目で不満を訴えていた。とにかく部屋に入れないと。
「すいません。起きられますか?」
彼の目がうっすらと開いた。
「観音菩薩……か?」
「違いますよ。死なないでください」
沈黙が流れる。
「……すまない」
「起きられますか? とりあえずうちに入りましょう」
彼に横にずれてもらい、鞄から鍵を取り出して玄関の戸を開ける。彼の腕を自分の肩に回して立ち上がる手助けをする。彼は引っ張られながらもなんとか動いてくれていた。
「うわっ」
ドサッ
安堵したのも束の間、中に入ると同時に体勢を崩して倒れてしまった。人一人しか通ることができない狭い玄関に百八十の男がうつ伏せに倒れた。
「大丈夫ですか⁉ まさか……」
打ち所が悪くて……
「死んでない」
彼の声が床に反射して籠って聞こえた。
「よかった」
彼の身体を見たところ、あれから怪我はしていない様だった。力が入らないってことはお腹が空いてるのだろうか?
持ち帰っていたエコバッグの中からコンビニで買った唐揚げを差し出す。
「食べますか?」
「……かたじけない」
彼は匂いに誘われるようにすくっと起き上がりその場に座った。
なかなか現金だな。でも、食べてくれると聞いて一安心。
「はい」
唐揚げの袋を開けて口元に持っていく。彼は力なく口を少し開ける。彼の口の中に入っていくのを確認すると少しほっとした。
「待ってくださいね」
急いで冷蔵庫に向かい、お茶をコップに注ぐ。飲みにくいかもしれないからストローも挿しとかないと。
唐揚げの入っていた袋が空になり、コップのストローも底についた。少しだが彼の顔色がよくなったような気がする。
「疲れてますよね。布団行きますか?」
「いや、眠くはない」
「じゃあ、お風呂入りますか?」
「ああ」
『お風呂が沸きました』
彼の身体がビクッと硬直し、身構える。
「大丈夫ですよ。機械の声です。誰もいません」
彼はこちらを見て眉を顰める。私の目を見て真偽を確かめているようだった。
「とにかく大丈夫です。ほら、行きましょう」
半ば無理やり彼を浴室に連れていき、戸を閉めた。
またお腹すくだろうから、何か準備しとかないと。冷蔵庫は空っぽだしキッチン下にもカップ麺しかない。
「野菜取った方がいいだろうしなあ」
財布と鍵だけを持って近所のスーパーに急いだ。
レタスとネギ、チャーシューに卵。チャーハンならすぐできるだろう。ネギを刻んでいく。浴室から彼が出てきた。
「すいません。その服ぐらいしかないですけど」
「いや、ありがとう」
スーパーの端っこにある無名のジャージを買ってきたがここまで着こなすとは。素材がいいとここまで違うのか……。安売りの服とは思えないぐらい高級に感じる。
「寝ますか?」
「いや、大丈夫だ。おかげでよくなった」
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「もらう」
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