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召喚令状
第3話
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「どうして王さまが、リリアに会いたがるんだ?」
ジャドが素直な疑問を口にした瞬間、室内の音がふっと途切れた。
管理者は肩をすくめ、気負いのない声で答える。
「陛下は昔からリリア嬢のことがお好きだったからね」
その一言に、ジャドの顔色が真っ赤に染まる。咄嗟に言い訳めいた声が漏れた。
「……え? そ、そんな……!」
慌てふためくジャドを横目に、エルドランは一度だけ深いため息をつき、呆れたように制した。
「今はそんな話をしている場合じゃない」
しかし、管理者は構わず続ける。声音は落ち着いていて、どこか人の温かさを帯びていた。
「人が人を求めるのは自然なことだろう。陛下だって、好ましい相手を望むのは当然だ」
その言葉に、エルドランは額に手を当てる。苦笑が浮かんだ口元に、かすかな憂いがにじんでいた。
リリアは二人のやりとりを黙って聞いていた。
胸の奥にもやのようなものが広がっていく。
自分が王を好きだという感情は、とうに自覚している。
もしかすると、アランも自分を好いてくれているのだろうか。
そんな期待が、ほんの一瞬だけ胸をよぎった。
──ありえない。
リリアは小さく首を振った。
もし王が本当に自分を好いてくれているのなら、あの日、あんなふうに切り捨てたりはしなかったはずだ。
国を背負うあの方が、墓守の一族の娘を愛するはずがない。
ほんのひととき友として過ごせただけで十分だったのに、それ以上を望むなど罰が当たる。
床を見つめ、難しい顔で沈黙しているリリアに、管理者がカップを差し出した。
「もう一度飲んで。心が落ち着く」
震える手で受け取ると、茶はすでに冷めていた。
管理者はそれに気づくと、カップの上に指を翳す。指先が淡く光を放ち、カップの縁から再び湯気が立ち上った。
その瞬間、リリアの目が見開かれる。
──まさか、拍術ではなく新しい魔術を……?
王国の古い家柄に連なるはずの管理者が、伝統的な術式ではなく、明らかに新しい理を用いて魔術を発動させている。
その事実が、静かな驚きとなってリリアの胸に刺さった。
エルドランはその動揺を見逃さず、説明する。
「管理者殿は伝統を守るだけでなく、活かすために新しい術を学んでいる。表には出さないが、日々研鑽を重ねていらっしゃるのだ」
静かに告げるエルドランに、管理者は首を横に振った。
「大層なものではないよ。私はただ、継いできたものが誰かの役に立つのならと、あなたに協力しているだけだ。世間を知らぬ私は、むしろあなたの助けが必要なのだ」
淡々とした声音の奥に、かすかな陰が漂う。
管理者はふっと力なく首を振り、話題を切り替えた。
「……そうだね。こんな話よりも、陛下がリリア嬢をお呼びになっている件だろう」
そう言って管理者は軽くエルドランの方を見やる。
彼は背筋を伸ばし、いつもの冷徹さを取り戻していた。
エルドランはソファに深く座り直し、表情を引き締める。
室内の空気が張りつめ、言葉に重みが宿った。
「すぐに書面が届くだろう。判断はお前次第だ。これからどう生きたいのか、しっかり考えておけ」
リリアは肩を小さく震わせ、唇を噛む。未来を思い描こうとしても、喉の痛みと胸のざわめきが思考を阻んだ。
「そんなの、すぐに決められるわけないよね!」
ジャドが慌てて口を挟む。慰めの調子が声ににじみ、リリアを励まそうとする気持ちが伝わってきた。
「焦らなくていいよ、リリア。俺たちがついてるからさ」
リリアは顔を上げ、ジャドと視線を合わせて小さく頷いた。彼が笑顔を見せてくれると、少しだけ気持ちが和らぐのを自分でも感じた。
だがエルドランの表情には、再び険しさが戻る。腕を組み、低い声で告げた。
「呑気に考えている暇はない。もしお前が陛下の召喚に即座に応じなければ、宰相閣下は手をこまねいてはいまい。最悪の場合、『保護』を名目に連行しに来るだろう」
その一言は凍てつく風のように部屋を吹き抜けた。
リリアの身体が硬直し、心臓が早鐘を打つ。管理者の顔は変わらなかったが、指先がわずかに震えたのをリリアは見逃さなかった。
「宰相閣下が……?」
ジャドが繰り返す。そこに冗談の響きはなく、本気の恐れが滲んでいた。
エルドランは静かに頷く。
「宰相は王の改革に批判的な派閥を束ねている。王派と宰相派、どちらが優勢かで動きは変わる。今は宰相側も動きやすい時期だ。お前がそのまま王都に戻らねば、彼らはお前を利用して王に揺さぶりをかけるだろう。あるいは、王の側近たちが主を守るために強硬手段に出るかもしれん」
リリアは言葉を飲み込み、喉に固いものが引っかかるのを感じた。
「会いたい」「でも怖い」相反する感情が頭の中でぶつかり合う。
「お前の判断が遅れれば、選択肢は少なくなる」
エルドランの言葉に、ジャドが小さく息を吐く。彼はリリアの手を握り返し、その温もりが膝の震えを少しだけ鎮めた。
「きちんと考えて。急がせはしない。でも、情報は知っておいたほうがいい。決めるのは君だよ」
管理者はそれだけ言うと、カップを持ち直し、静かに茶を啜った。
その瞳はリリアをまっすぐ見据え、慰めも非情さも宿してはいない。
リリアはカップを握ったまま、窓の外をぼんやりと見つめる。
心の中にアランの顔が浮かぶ。呼び出された理由も、会ってなにが変わるのかも分からない。ただ胸のざわめきだけは消えなかった。
まだ決断はできない。
だが、書面は間もなく届く。時間は容赦なく、リリアを追い詰めようとしていた。
ジャドが素直な疑問を口にした瞬間、室内の音がふっと途切れた。
管理者は肩をすくめ、気負いのない声で答える。
「陛下は昔からリリア嬢のことがお好きだったからね」
その一言に、ジャドの顔色が真っ赤に染まる。咄嗟に言い訳めいた声が漏れた。
「……え? そ、そんな……!」
慌てふためくジャドを横目に、エルドランは一度だけ深いため息をつき、呆れたように制した。
「今はそんな話をしている場合じゃない」
しかし、管理者は構わず続ける。声音は落ち着いていて、どこか人の温かさを帯びていた。
「人が人を求めるのは自然なことだろう。陛下だって、好ましい相手を望むのは当然だ」
その言葉に、エルドランは額に手を当てる。苦笑が浮かんだ口元に、かすかな憂いがにじんでいた。
リリアは二人のやりとりを黙って聞いていた。
胸の奥にもやのようなものが広がっていく。
自分が王を好きだという感情は、とうに自覚している。
もしかすると、アランも自分を好いてくれているのだろうか。
そんな期待が、ほんの一瞬だけ胸をよぎった。
──ありえない。
リリアは小さく首を振った。
もし王が本当に自分を好いてくれているのなら、あの日、あんなふうに切り捨てたりはしなかったはずだ。
国を背負うあの方が、墓守の一族の娘を愛するはずがない。
ほんのひととき友として過ごせただけで十分だったのに、それ以上を望むなど罰が当たる。
床を見つめ、難しい顔で沈黙しているリリアに、管理者がカップを差し出した。
「もう一度飲んで。心が落ち着く」
震える手で受け取ると、茶はすでに冷めていた。
管理者はそれに気づくと、カップの上に指を翳す。指先が淡く光を放ち、カップの縁から再び湯気が立ち上った。
その瞬間、リリアの目が見開かれる。
──まさか、拍術ではなく新しい魔術を……?
王国の古い家柄に連なるはずの管理者が、伝統的な術式ではなく、明らかに新しい理を用いて魔術を発動させている。
その事実が、静かな驚きとなってリリアの胸に刺さった。
エルドランはその動揺を見逃さず、説明する。
「管理者殿は伝統を守るだけでなく、活かすために新しい術を学んでいる。表には出さないが、日々研鑽を重ねていらっしゃるのだ」
静かに告げるエルドランに、管理者は首を横に振った。
「大層なものではないよ。私はただ、継いできたものが誰かの役に立つのならと、あなたに協力しているだけだ。世間を知らぬ私は、むしろあなたの助けが必要なのだ」
淡々とした声音の奥に、かすかな陰が漂う。
管理者はふっと力なく首を振り、話題を切り替えた。
「……そうだね。こんな話よりも、陛下がリリア嬢をお呼びになっている件だろう」
そう言って管理者は軽くエルドランの方を見やる。
彼は背筋を伸ばし、いつもの冷徹さを取り戻していた。
エルドランはソファに深く座り直し、表情を引き締める。
室内の空気が張りつめ、言葉に重みが宿った。
「すぐに書面が届くだろう。判断はお前次第だ。これからどう生きたいのか、しっかり考えておけ」
リリアは肩を小さく震わせ、唇を噛む。未来を思い描こうとしても、喉の痛みと胸のざわめきが思考を阻んだ。
「そんなの、すぐに決められるわけないよね!」
ジャドが慌てて口を挟む。慰めの調子が声ににじみ、リリアを励まそうとする気持ちが伝わってきた。
「焦らなくていいよ、リリア。俺たちがついてるからさ」
リリアは顔を上げ、ジャドと視線を合わせて小さく頷いた。彼が笑顔を見せてくれると、少しだけ気持ちが和らぐのを自分でも感じた。
だがエルドランの表情には、再び険しさが戻る。腕を組み、低い声で告げた。
「呑気に考えている暇はない。もしお前が陛下の召喚に即座に応じなければ、宰相閣下は手をこまねいてはいまい。最悪の場合、『保護』を名目に連行しに来るだろう」
その一言は凍てつく風のように部屋を吹き抜けた。
リリアの身体が硬直し、心臓が早鐘を打つ。管理者の顔は変わらなかったが、指先がわずかに震えたのをリリアは見逃さなかった。
「宰相閣下が……?」
ジャドが繰り返す。そこに冗談の響きはなく、本気の恐れが滲んでいた。
エルドランは静かに頷く。
「宰相は王の改革に批判的な派閥を束ねている。王派と宰相派、どちらが優勢かで動きは変わる。今は宰相側も動きやすい時期だ。お前がそのまま王都に戻らねば、彼らはお前を利用して王に揺さぶりをかけるだろう。あるいは、王の側近たちが主を守るために強硬手段に出るかもしれん」
リリアは言葉を飲み込み、喉に固いものが引っかかるのを感じた。
「会いたい」「でも怖い」相反する感情が頭の中でぶつかり合う。
「お前の判断が遅れれば、選択肢は少なくなる」
エルドランの言葉に、ジャドが小さく息を吐く。彼はリリアの手を握り返し、その温もりが膝の震えを少しだけ鎮めた。
「きちんと考えて。急がせはしない。でも、情報は知っておいたほうがいい。決めるのは君だよ」
管理者はそれだけ言うと、カップを持ち直し、静かに茶を啜った。
その瞳はリリアをまっすぐ見据え、慰めも非情さも宿してはいない。
リリアはカップを握ったまま、窓の外をぼんやりと見つめる。
心の中にアランの顔が浮かぶ。呼び出された理由も、会ってなにが変わるのかも分からない。ただ胸のざわめきだけは消えなかった。
まだ決断はできない。
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