離婚したので冒険者に復帰しようと思います。

黒蜜きな粉

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行方不明

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「……目が虚ろで生気がない。昼間も思ったけど、まるでアンデットみたいね」

 現れたのは五人の冒険者だった。
 ゆらゆらと身体を動かしながら、冒険者たちがこちらにゆっくりと近付いてくる。

「その通りです。少年と冒険者たちは瘴気の力で死体を操られているのだと思われます。以前にもそういった事例が報告されていますので」

「……うう、死体を操るって気色が悪いわね。静かに眠らせてあげて欲しいわ」

 冒険者たちが近付くにつれて、彼らの呻き声が耳に届く。
 聞いていて気持ちのいい物ではない。彼らにはさんざん嫌な思いをさせられてきたが、ざまあみろとは言えない有様だ。

「エセリンドお嬢さまの方は彼らとは違うみたいね。彼女からも妙な気配は感じるのだけど、アンデットではない気がするわ」

「あちらは人間をやめて魔族の使い魔にでも成り下がったのでしょう。そう考えれば妙な力を使うことにも納得できます」

 使い魔と聞いてライラは衝撃を受ける。
 魔族の存在自体まだ受け入れがたいというのに、その使い魔と聞いてもぴんとこない。つい間抜けな質問をしてしまった。

「……使い魔って動物なんじゃないの? 烏とか猫とか……」

「魔族に魂を売った時点であの女に人権なんてありませんから」

 蔑んだ目でエセリンドを見ながら、エリクがはっきりと答えた。 
 犯罪者とはいえ人権がないと言い切る彼にも衝撃を受けたが、それは態度に出さなかった。

「私ってそれなりに色々な経験を積んできたと思っていたけど、今日だけでがらっと人生観が変わる気がするわ」

 驚き過ぎたせいか妙に気持ちが落ち着いてきた。
 ライラは冷静に冒険者たちを観察する。
 相手は動く死体だ。ならば遠慮なくぶちのめして問題ないのではないかと思った。

「まあ、エリク様はもう事情がわかっておられますのねえ」

 そう言って笑うエセリンドの口もとから鋭い牙が見えた。
 エリクはそんな彼女に淡々と問いかけた。
 
「だとしたらどうするというのだ?」

「本当はそこの女だけ再起不能にできればそれでよかったのですが……。残念ながらここからお帰りいただくことはできません」

 エセリンドがパチンと指を鳴らすと、冒険者たちが一斉にこちらに飛び掛かってくる。
 ライラは彼らを迎え撃とうとして、靴を履き替えるのを忘れていたことに今さら気が付いた。
 そもそも戦うような服装ではない。それだけ気が動転していたのかと思うと恥ずかしくなってきた。

「――っああ、もう! 動きにくいわね」

 苛立ちをぶつけるように、ライラは目の前にあった冒険者の顔をおもいきり殴りつけた。
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