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67.ガルーダの使役
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参ったね。
こんなに痛めつけるつもりはなかったのだけれど、目の前には片翼が無残に圧し折れてもがき苦しんでいるガルーダ。
とりあえず暴れられると困るので毛魔法で拘束しておく。
今度は簡単に切断されないように網ではなく、太いワイヤー状にしたもの1本に魔力を流して使用する。
ギリギリと蛇のようにガルーダの身体に巻きつけて締め上げていく。
泣きっ面に蜂とはこのことだ。
ガルーダは悲痛な声をあげるが、どうやら折れた翼のほうが痛いみたいだ。
ちょっと可哀想だ。
なによりこのガルーダには僕を背に乗せて飛んでもらわなければならない。
ちょっと荒療治になるかもしれないけれど、治療してあげようかな。
まずは折れた翼を元の位置に戻さなければならない。
そうしなければ、治療したときに曲がったまま骨がくっ付いてもう二度と飛べなくなってしまう。
折れた骨を無理矢理元の位置に戻されるなんて想像しただけで痛いけれど、こういうのは躊躇したほうが痛みが長引くんだ。
僕は心を鬼にして、髪の触腕を操る。
圧し折れた翼をしっかりと掴み、元の位置まで一気に戻した。
「グゲェェェェェェェッ!!!!」
なんて声で鳴くんだ。
まるで死ぬ直前のゴブリンみたいな声じゃないか。
でもこれでもう一番痛いのは終わりだからな。
僕はブラックキューブの中から医薬品の入っている石箱を取り出し、中から1本のポーションを取り出す。
これは先日鑑定スキルを買いに行ったついでに街で買ってきた中級ポーションで、1本金貨5枚もする代物だ。
まあガルーダ使役のためなら惜しくは無い。
僕はビンの栓を抜き、折れた翼に振りかけた。
効果は劇的だ。
腫れて血も滲んでいた翼が一瞬で治っていった。
ガルーダの怪我も治ったし、中級ポーションの効果も確かめられたし、一石二鳥だ。
まだブラックキューブの中には同じ物が5本と、さらにランクが上の薬である上級ポーションも2本入っている。
これなら、大怪我を負ったとしても問題なく治療できそうだな。
さて、あとは使役か。
ちょうどいい感じにガルーダの心も折れていることだろう。
僕は力なく横たわるガルーダに使役魔法を撃ち込んだ。
さすがに知能の高いガルーダだから使役契約には時間がかかるだろうし、必要ならもう少し毛魔法で締め上げる必要があるかなと僕は思っていた。
しかし、ガルーダは僕の予想を遥かに下回ってくれた。
なんと5分ほどで使役契約が完了したのだ。
猫と一緒の時間やぞお前、ええんかそれで。
ガルーダといっても所詮は大きな鳥ということか。
それとも翼圧し折られて無理矢理もとの位置に戻されたのがよほど応えたのか。
なんにしても僕はようやく念願の飛行生物を使役することに成功したのだった。
僕は使役したガルーダは女の子だったのでデイジーと名付けた。
由来は女優のデイジー・リ〇リーに面影が似ているとかそんな感じ。
そして僕は今、デイジーの背に乗って休日の遊覧飛行を楽しんでいるというわけだ。
ガルーダの背から見る世界というのは、今まで見ていた世界とは全然違って見えるな。
視点が違うのだから当然なのだけれど、まるで世界の王になったみたいな気分だ。
「クェェェェェェッ!!!」
「え、お腹空いた?そうだね。そういえば僕もお腹が空いてる。お前がいつも食べてるものを一緒に狩ろうか」
「クェェェェェッ!!」
「角蛇?なにそれ……」
デイジーはなかなか頭が良く、ゴブ次郎と話しているときよりも明瞭な意思が伝わってくる。
しかし人間が使っている固有名称なんてガルーダは知らないので、角蛇とか言われてもどの魔物のことか分からないのだ。
しかし角蛇という呼び方から、角のある蛇のような魔物であることは分かる。
トブルムという種類の角のある2、3メートルほどの蛇の魔物か、ヤクルスという種類の槍のような角が特徴的なこれも2、3メートルくらいの蛇の魔物のどちらかだろうと僕はあたりをつけた。
どちらもランクで言えばBランクの魔物で、今の僕なら問題なく狩れるだろう。
デイジーは機嫌よく飛び、僕を狩場へと運んでいく。
しかしなかなか到着しないな。
景色の流れる速度からいって、相当なスピードで飛行しているはずだ。
デイジーが風魔法で守ってくれなかったら背中の僕なんてあっという間に吹っ飛ばされてるくらいの速度である。
「ねえ、どこに向かってるの?」
「クェェェェッ!!」
「え、海?」
蛇を狩るんでしょ?
ということは海蛇?
海で蛇っていったらアイツだよな。
でも角?
変異種かな。
僕は段々嫌な予感がしてきた。
本当にあれをいつも食べているのか、この子は。
あれはガルーダと同じでSランクの魔物だぞ。
空から一方的に攻撃できるといっても、逆に海に引きずりこまれてしまえば抗う術は無い。
ちょっと不安だな。
僕にいいとこ見せようとしてちょっと背伸びしてなきゃいいんだけど。
やがてデイジーは渦潮が荒れ狂う見るからに凶悪な海域の上空で静止する。
翼を動かしていないのに空に静止しているのは、不思議な光景だ。
考えてみればこんな巨体で羽なんか動かしたところで空が飛べるはずは無い。
ガルーダが空を飛んでいるのは、スキルの力なのだろう。
高速飛行か風魔法あたりかな。
もしかしらこうして空中に静止したり、最高速で飛ぶときには両方使っているのかもしれない。
デイジーはそんな僕の思考など知ったことではないとばかりに、海面に向かって風魔法をぶっ放した。
海面に大きな水柱が立ち、渦潮が一瞬消える。
そして水の中から、大きな蛇が姿を現した。
「グルァァァァァッ!!」
頭から尻尾の先までの長さは20メートルにもなると言われている巨大な海蛇、シーサーペントである。
こんなに痛めつけるつもりはなかったのだけれど、目の前には片翼が無残に圧し折れてもがき苦しんでいるガルーダ。
とりあえず暴れられると困るので毛魔法で拘束しておく。
今度は簡単に切断されないように網ではなく、太いワイヤー状にしたもの1本に魔力を流して使用する。
ギリギリと蛇のようにガルーダの身体に巻きつけて締め上げていく。
泣きっ面に蜂とはこのことだ。
ガルーダは悲痛な声をあげるが、どうやら折れた翼のほうが痛いみたいだ。
ちょっと可哀想だ。
なによりこのガルーダには僕を背に乗せて飛んでもらわなければならない。
ちょっと荒療治になるかもしれないけれど、治療してあげようかな。
まずは折れた翼を元の位置に戻さなければならない。
そうしなければ、治療したときに曲がったまま骨がくっ付いてもう二度と飛べなくなってしまう。
折れた骨を無理矢理元の位置に戻されるなんて想像しただけで痛いけれど、こういうのは躊躇したほうが痛みが長引くんだ。
僕は心を鬼にして、髪の触腕を操る。
圧し折れた翼をしっかりと掴み、元の位置まで一気に戻した。
「グゲェェェェェェェッ!!!!」
なんて声で鳴くんだ。
まるで死ぬ直前のゴブリンみたいな声じゃないか。
でもこれでもう一番痛いのは終わりだからな。
僕はブラックキューブの中から医薬品の入っている石箱を取り出し、中から1本のポーションを取り出す。
これは先日鑑定スキルを買いに行ったついでに街で買ってきた中級ポーションで、1本金貨5枚もする代物だ。
まあガルーダ使役のためなら惜しくは無い。
僕はビンの栓を抜き、折れた翼に振りかけた。
効果は劇的だ。
腫れて血も滲んでいた翼が一瞬で治っていった。
ガルーダの怪我も治ったし、中級ポーションの効果も確かめられたし、一石二鳥だ。
まだブラックキューブの中には同じ物が5本と、さらにランクが上の薬である上級ポーションも2本入っている。
これなら、大怪我を負ったとしても問題なく治療できそうだな。
さて、あとは使役か。
ちょうどいい感じにガルーダの心も折れていることだろう。
僕は力なく横たわるガルーダに使役魔法を撃ち込んだ。
さすがに知能の高いガルーダだから使役契約には時間がかかるだろうし、必要ならもう少し毛魔法で締め上げる必要があるかなと僕は思っていた。
しかし、ガルーダは僕の予想を遥かに下回ってくれた。
なんと5分ほどで使役契約が完了したのだ。
猫と一緒の時間やぞお前、ええんかそれで。
ガルーダといっても所詮は大きな鳥ということか。
それとも翼圧し折られて無理矢理もとの位置に戻されたのがよほど応えたのか。
なんにしても僕はようやく念願の飛行生物を使役することに成功したのだった。
僕は使役したガルーダは女の子だったのでデイジーと名付けた。
由来は女優のデイジー・リ〇リーに面影が似ているとかそんな感じ。
そして僕は今、デイジーの背に乗って休日の遊覧飛行を楽しんでいるというわけだ。
ガルーダの背から見る世界というのは、今まで見ていた世界とは全然違って見えるな。
視点が違うのだから当然なのだけれど、まるで世界の王になったみたいな気分だ。
「クェェェェェェッ!!!」
「え、お腹空いた?そうだね。そういえば僕もお腹が空いてる。お前がいつも食べてるものを一緒に狩ろうか」
「クェェェェェッ!!」
「角蛇?なにそれ……」
デイジーはなかなか頭が良く、ゴブ次郎と話しているときよりも明瞭な意思が伝わってくる。
しかし人間が使っている固有名称なんてガルーダは知らないので、角蛇とか言われてもどの魔物のことか分からないのだ。
しかし角蛇という呼び方から、角のある蛇のような魔物であることは分かる。
トブルムという種類の角のある2、3メートルほどの蛇の魔物か、ヤクルスという種類の槍のような角が特徴的なこれも2、3メートルくらいの蛇の魔物のどちらかだろうと僕はあたりをつけた。
どちらもランクで言えばBランクの魔物で、今の僕なら問題なく狩れるだろう。
デイジーは機嫌よく飛び、僕を狩場へと運んでいく。
しかしなかなか到着しないな。
景色の流れる速度からいって、相当なスピードで飛行しているはずだ。
デイジーが風魔法で守ってくれなかったら背中の僕なんてあっという間に吹っ飛ばされてるくらいの速度である。
「ねえ、どこに向かってるの?」
「クェェェェッ!!」
「え、海?」
蛇を狩るんでしょ?
ということは海蛇?
海で蛇っていったらアイツだよな。
でも角?
変異種かな。
僕は段々嫌な予感がしてきた。
本当にあれをいつも食べているのか、この子は。
あれはガルーダと同じでSランクの魔物だぞ。
空から一方的に攻撃できるといっても、逆に海に引きずりこまれてしまえば抗う術は無い。
ちょっと不安だな。
僕にいいとこ見せようとしてちょっと背伸びしてなきゃいいんだけど。
やがてデイジーは渦潮が荒れ狂う見るからに凶悪な海域の上空で静止する。
翼を動かしていないのに空に静止しているのは、不思議な光景だ。
考えてみればこんな巨体で羽なんか動かしたところで空が飛べるはずは無い。
ガルーダが空を飛んでいるのは、スキルの力なのだろう。
高速飛行か風魔法あたりかな。
もしかしらこうして空中に静止したり、最高速で飛ぶときには両方使っているのかもしれない。
デイジーはそんな僕の思考など知ったことではないとばかりに、海面に向かって風魔法をぶっ放した。
海面に大きな水柱が立ち、渦潮が一瞬消える。
そして水の中から、大きな蛇が姿を現した。
「グルァァァァァッ!!」
頭から尻尾の先までの長さは20メートルにもなると言われている巨大な海蛇、シーサーペントである。
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