ゴミスキルでもたくさん集めればチートになるのかもしれない

兎屋亀吉

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68.vsシーサーペント(変異種)

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固有名:なし
 種族:シーサーペント(変異種)
スキル:【水魔法lv6】【雷魔法lv7】【鱗魔法lv5】【水泳lv7】【雷耐性lv7】【水中適応】

 やっぱり普通に強いな。
 デイジーだけだと厳しいような気がするんだけどな。
 デイジーからはしきりに大丈夫大丈夫という思念が伝わってくる。
 不安だ。
 あの角付きのシーサーペントと普通のシーサーペントの違いはなんといってもあの角だろう。
 この世界の魔物の変異種というのは、普通は持っていないスキルを持っている魔物という意味になる。
 それで見た目まで変化してしまうのだからスキルというのは本当に不思議なものだ。
 あのシーサーペントの持っているスキルの中で、角を生じさせる可能性のあるスキルといえば多分【鱗魔法lv5】だろうな。
 僕の毛魔法と同じようなスキルだと思う。
 ということは僕は人間(変異種)ということになるのだろうか。
 まあそんなことはどうでもいいか。
 人間(変態)みたいなやつだっていっぱいいるし。
 【鱗魔法lv5】の他に気になるスキルといえば【雷魔法lv7】と【雷耐性lv7】だろうか。
 Sランク冒険者がシーサーペントを討伐したという話はたまに聞くけれど、シーサーペントが雷魔法を使ったという話は聞いたことがない。
 感電しやすい海の中で、自分だけ雷に耐性を持ち雷魔法を自在に使うのだとしたらかなり厄介な魔物だ。
 海の王者といっても過言ではないだろう。
 竜種は別としてね。
 高位のドラゴンは別格だ。
 あれはSよりも上のランクが無いからしょうがなくSが付いているだけで、もっと上のランクがあったら余裕で一番上だ。
 しかしその竜種以外には海で敵無しのシーサーペント(変異種)に、空の魔物であるデイジーはどんな戦いをするのだろうか。
 僕は最初のうち少し見守ろうと思う。
 デイジーはまず手始めに、フェザースティングを放つ。
 しかし僕も戦ったから分かるけど、あれは予備動作が大きくて何か来るって丸分かりなんだ。
 案の定フェザースティングは水の防壁で防がれてしまった。
 レベルが2つも上のスキルを防げるなんて、やっぱり魔法スキルというのは他のスキルよりも少しだけ格上だな。
 デイジーは立て続けに風魔法スキルを発動し、複数の風の刃を放つ。
 同じ魔法スキル同士であるならば、スキルレベルが上のデイジーの風魔法のほうが少しだけ上回ったようだ。
 水の防壁を抜けた風の刃がシーサーペントの鱗を浅く傷つけた。
 僕の毛魔法も切り裂いた鋭い風の刃でも、あの鱗は浅くしか傷つけることができないのか。
 鱗魔法というスキルの本質は、防御にあるのかもしれないな。
 確かに名前的に毛魔法よりも防御力が高そうだ。
 しかしシーサーペントは防戦一方なように見える。
 雷魔法なんていうスキルがあるのに、使わないのだろうか。
 ん?なんか周囲が暗いような……。
 あれ、こんなに曇ってたっけ?
 それも僕たちの頭上だけ。
 遠くに見える海はカンカン照りのいい天気だ。
 ちょっとこれは不味いのかな。
 デイジーは気付いてないみたいだ。
 水魔法スキルと雷魔法スキル、2つのスキルを使った大技の予感を僕は感じていた。
 ゴロゴロと雷雲が不穏な音を響かせ始める。
 その段階になって、デイジーは初めて僕たちの上空に巨大な雷雲が出来ていることに気がつく。
 焦って雲の範囲から飛び出そうとするが、もう遅い。
 デイジーがいかに速いといっても雷より速く飛ぶことはできない。
 僕とデイジーに、光の柱のように太い稲妻が降りかかる。
 強い光と音が僕たちを包み込み、一瞬聴覚と視覚が奪われる。
 しかし致命的な光と音は僕の5メートルほど手前で遮断されているために、すぐに感覚が戻ってきた。
 もちろん今回も反転魔法様のおかげです。
 レベルマックスの反転魔法は魔法であっても容赦なく反転する。
 僕たちに降りかかるはずの稲妻は逆に空に向かって伸び、雲を消滅させた。
 ちょっとうるさかったけど、僕たちは無傷だ。
 デイジーはショックで気絶してしまったようで、背中に乗った僕はしばしの浮遊感を味わっていた。
 ガルーダって意外とメンタル弱いんだよな。
 ちょっとタマヒュン。
 僕もメンタルは強くないけれど、ビルから飛び降りる練習のおかげで取り乱すことなく冷静に対処することができた。
 僕はブラックキューブの中から前に買ったスクリュー付きの小船を取り出し、足元に置いて乗る。
 やがてデイジーは海面に墜落し、ぶくぶくと沈んでいく。
 しょうのないガルーダだ。
 僕は浮遊スキルで浮いた船の上から、毛魔法でデイジーを引き上げて近くの崖に吊るしておいた。
 その間にもシーサーペントからは雷魔法や水魔法がバンバン飛んできて鬱陶しい。
 すべて反転魔法で返すが、向こうは鱗魔法で防御を固めているし雷耐性なるスキルも持っている。
 自分のスキルでやられるほど間抜けではないということか。
 うちのガルーダにも見習って欲しい。
 僕は久しぶりに液体窒素の杭を用意する。
 これを魔物に使うのもオークぶりだ。
 リキッドステイクというスキルは、レベルが上がると出せる杭の数が増える。
 僕は太さや長さが変わるのかと思っていたのだけれど、それは間違いだったのだ。
 このスキルはブラックキューブや使役魔法と同じようなタイプで、スキルレベルと同じ数の液体の杭を作り出すというスキルだった。
 さらに僕の場合は、【スキル効果10倍】スキルでその数は10倍になる。
 普通ならそんなにいらないと思うだろう。
 しかし僕にとってあればあるほどいい。
 なぜなら僕は毛魔法で複数の杭を一度に投擲することができるからだ。
 命中率は下がるけれど、100本も杭を投擲すれば命中率なんて関係ない。
 僕は毛魔法の触腕を枝分かれさせていき、100本の触腕を形作る。
 1本の触腕につき、液体窒素の杭を1本握らせる。
 ちょっとオーバーキルかもしれないけれど、こんな攻撃が必要になるときのための訓練なので許して欲しい。
 すまんなシーサーペント。
 液体窒素の杭×100、投擲。
 ボンッという音と共に、海が爆発した。
 

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