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111.因縁の相手
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「僕はドラゴンをやる。みんなは兵隊を。なるべく殺したくはないけど、最優先は自分の命だ」
全員が頷きを返す。
人の命を進んで奪いたい人間などあまりいない。
だから僕たちパーティの方針は、できるなら殺さずだ。
向こうの帝国軍が捕虜でもとって酷いことでもしていればリリー姉さんを抑えることは難しくなるけれど、逆に言えばそれほどのことがない限りはリリー姉さんですら誰かを殺そうとは思わない。
僕たちは冒険者で、本来殺すのは魔物だけであるべきなのだ。
そこまで職業意識が高いわけではないのでただの言い訳でしかないが、建前も言い続ければ本心になるだろう。
であるからして、悪いが魔物は殺す。
気の早いドラゴンが急降下を始める。
すごい速さだ。
やはりドラゴンというのはずるいな。
あの巨体であのスピードはない。
スキルを使用したのか、ドラゴンの赤い鱗が火を纏い始める。
まるで大きな火の玉みたいになって僕たちの方へ突っ込んでくる。
あれは熱そうだ。
液体窒素の杭×100を放ち、冷ましてあげよう。
高速回転しながら真っ直ぐ飛んでいくマイナス196度の杭が100本、真正面からレッドドラゴンに降り注ぐ。
「グルアァァァァァ……」
ボンっという音と共に白い煙に包まれる。
あんなに熱していた鱗を急激に冷やしたら、まともな物質であればひとたまりもない。
さすがの竜鱗も、ひび割れて灰色になってしまっている。
痛そうだ。
今、楽にしてやる。
僕の指先に光が集まり、撃ちだされる。
ビームスキルも異世界でのレベル上げを終え、レベルはマックスだ。
たとえ竜であろうと、耐えられるものではない。
細く引き絞られた光線は、ドラゴンの額を正確に撃ちぬいた。
反転魔法で力を失ったその巨体を受け止め、地面に転がす。
これで1体だ。
あと4体。
「あたしたちも行くわよ!!」
「「「おう!!」」」
ミゲル君とリリー姉さんが敵に突っ込み、会長はそれを援護する。
ん?なんか敵の中に知ってる感じの人がいるな。
でも僕は人の顔を覚えるのがそこまで得意じゃないし、別人の可能性もある。
でもとても良く似ているな。
ドラゴンを始末したら、あっちに行ってみよう。
「「「グルァァァァァァ!!」」」
抜け駆けした1体に遅れて残りの4体も突っ込んでくる。
ドラゴンっていうのは猪突猛進なのかな。
あまり毛竜を舐めないでほしい。
僕は毛魔法で髪を編み込み、久しぶりに竜を形作る。
このままでは燃えてしまうだろう。
毛竜は熱に弱いんだ。
僕は凝縮スキルを使い、髪に水を染み込ませた。
これで熱に強い毛竜の誕生だ。
僕は竜の尾を振るい、4体のドラゴンを叩き落とす。
竜王と同じスケールで形作られた毛竜に比べれば、レッドドラゴンなんて小鳥のようなもの。
ビチャリと重そうな音を立てて黒い竜の尾が4体のドラゴンにぶち当たる。
「「「グルァァァァァ……」」」
レッドドラゴンたちは、大きなダメージを負って地面に横たわる。
もはやまな板の鯉だ。
ちょうど池にいそうな鱗の色をしている。
僕は毛竜から触手を伸ばし、すべてのドラゴンを絡めとった。
そしてエナジードレインを発動する。
最強種である竜はあっという間に物言わぬ亡骸となった。
ごめんね、戦争なんだ。
僕の生命力となって僕の中で生き続けるといい。
「こっちは終わっちゃったな……」
僕は毛竜を消し、魔力に変換する。
レベル10となった毛魔法は魔力効率が最高だ。
ほとんど魔力を消費していないんじゃないだろうか。
というわけで僕はまだ戦える。
あちらの応援に向かおう。
王国軍の背後では、50人ほどの小規模部隊がリリー姉さんたちと戦っている。
さすがに多勢に無勢だ。
それに気になる人たちもいる。
あの人たちが僕の知っている人たちだったとしたら、姉さんたちが危ないかもしれない。
僕はガラになく走って移動した。
戦況は結構ギリギリだった。
ミゲル君はゴリラみたいな大男と戦っているし、会長は雑兵の足を止めるので精いっぱい。
そしてリリー姉さんはあの髭面と狼獣人の2人組と戦っていた。
「右だ!」
「だぁもう!鬱陶しいっての!!」
髭の男の声に反応して右を見たリリー姉さんは、左から迫る狼獣人の攻撃をかろうじてバトルアックスで受け止める。
「悪い悪い、俺から見て右だった」
この戦法、やっぱりあの人たちだ。
僕が犯罪奴隷にされてしまった事件の時に戦った盗賊のボスと用心棒の男。
僕は2人を鑑定した。
固有名:ロイド
種族:人間
スキル:【斧術lv6】【剣術lv5】【身体強化lv6】【詐術lv8】【大声lv7】【火魔法lv5】【水魔法lv5】【毒耐性lv7】
固有名:ラズリー
種族:人間
スキル:【身体強化lv8】【スラッシュlv9】
間違いないな。
それにしても、用心棒をしていたラズリーという男は確かに2つしかスキルを持っていないと自分で言っていたけれど本当だとは思わなかった。
剣術スキルとか持っていると思っていたよ。
あの剣技はスキルによるものじゃないんだな。
なんて男だ。
「左だ!」
「なんで見ちゃうのよ!むかつく!!」
僕は姉さんに向かって放たれたスラッシュを反転魔法で打ち消す。
「クロード!もう終わったの?」
「まあね」
姉さんと会話しているときも、僕は2人から目を離さない。
前の時は一瞬の油断が大変なことになった。
もう絶対に油断はしない。
「よう、久しぶりじゃねえか。元気してたか?」
「おかげさまで鉱山でいい仲間に出会えたよ」
軽口を叩きながらも、ピリピリした空気が流れる。
姉さんには僕が犯罪奴隷になった経緯を話しているから、この2人があの時の盗賊だと悟ったようだ。
「こいつらは僕が相手してもいいかな?」
「わかったわ。あたしはミゲルとローレンの援護に向かう」
ありがたい。
雪辱戦だ。
全員が頷きを返す。
人の命を進んで奪いたい人間などあまりいない。
だから僕たちパーティの方針は、できるなら殺さずだ。
向こうの帝国軍が捕虜でもとって酷いことでもしていればリリー姉さんを抑えることは難しくなるけれど、逆に言えばそれほどのことがない限りはリリー姉さんですら誰かを殺そうとは思わない。
僕たちは冒険者で、本来殺すのは魔物だけであるべきなのだ。
そこまで職業意識が高いわけではないのでただの言い訳でしかないが、建前も言い続ければ本心になるだろう。
であるからして、悪いが魔物は殺す。
気の早いドラゴンが急降下を始める。
すごい速さだ。
やはりドラゴンというのはずるいな。
あの巨体であのスピードはない。
スキルを使用したのか、ドラゴンの赤い鱗が火を纏い始める。
まるで大きな火の玉みたいになって僕たちの方へ突っ込んでくる。
あれは熱そうだ。
液体窒素の杭×100を放ち、冷ましてあげよう。
高速回転しながら真っ直ぐ飛んでいくマイナス196度の杭が100本、真正面からレッドドラゴンに降り注ぐ。
「グルアァァァァァ……」
ボンっという音と共に白い煙に包まれる。
あんなに熱していた鱗を急激に冷やしたら、まともな物質であればひとたまりもない。
さすがの竜鱗も、ひび割れて灰色になってしまっている。
痛そうだ。
今、楽にしてやる。
僕の指先に光が集まり、撃ちだされる。
ビームスキルも異世界でのレベル上げを終え、レベルはマックスだ。
たとえ竜であろうと、耐えられるものではない。
細く引き絞られた光線は、ドラゴンの額を正確に撃ちぬいた。
反転魔法で力を失ったその巨体を受け止め、地面に転がす。
これで1体だ。
あと4体。
「あたしたちも行くわよ!!」
「「「おう!!」」」
ミゲル君とリリー姉さんが敵に突っ込み、会長はそれを援護する。
ん?なんか敵の中に知ってる感じの人がいるな。
でも僕は人の顔を覚えるのがそこまで得意じゃないし、別人の可能性もある。
でもとても良く似ているな。
ドラゴンを始末したら、あっちに行ってみよう。
「「「グルァァァァァァ!!」」」
抜け駆けした1体に遅れて残りの4体も突っ込んでくる。
ドラゴンっていうのは猪突猛進なのかな。
あまり毛竜を舐めないでほしい。
僕は毛魔法で髪を編み込み、久しぶりに竜を形作る。
このままでは燃えてしまうだろう。
毛竜は熱に弱いんだ。
僕は凝縮スキルを使い、髪に水を染み込ませた。
これで熱に強い毛竜の誕生だ。
僕は竜の尾を振るい、4体のドラゴンを叩き落とす。
竜王と同じスケールで形作られた毛竜に比べれば、レッドドラゴンなんて小鳥のようなもの。
ビチャリと重そうな音を立てて黒い竜の尾が4体のドラゴンにぶち当たる。
「「「グルァァァァァ……」」」
レッドドラゴンたちは、大きなダメージを負って地面に横たわる。
もはやまな板の鯉だ。
ちょうど池にいそうな鱗の色をしている。
僕は毛竜から触手を伸ばし、すべてのドラゴンを絡めとった。
そしてエナジードレインを発動する。
最強種である竜はあっという間に物言わぬ亡骸となった。
ごめんね、戦争なんだ。
僕の生命力となって僕の中で生き続けるといい。
「こっちは終わっちゃったな……」
僕は毛竜を消し、魔力に変換する。
レベル10となった毛魔法は魔力効率が最高だ。
ほとんど魔力を消費していないんじゃないだろうか。
というわけで僕はまだ戦える。
あちらの応援に向かおう。
王国軍の背後では、50人ほどの小規模部隊がリリー姉さんたちと戦っている。
さすがに多勢に無勢だ。
それに気になる人たちもいる。
あの人たちが僕の知っている人たちだったとしたら、姉さんたちが危ないかもしれない。
僕はガラになく走って移動した。
戦況は結構ギリギリだった。
ミゲル君はゴリラみたいな大男と戦っているし、会長は雑兵の足を止めるので精いっぱい。
そしてリリー姉さんはあの髭面と狼獣人の2人組と戦っていた。
「右だ!」
「だぁもう!鬱陶しいっての!!」
髭の男の声に反応して右を見たリリー姉さんは、左から迫る狼獣人の攻撃をかろうじてバトルアックスで受け止める。
「悪い悪い、俺から見て右だった」
この戦法、やっぱりあの人たちだ。
僕が犯罪奴隷にされてしまった事件の時に戦った盗賊のボスと用心棒の男。
僕は2人を鑑定した。
固有名:ロイド
種族:人間
スキル:【斧術lv6】【剣術lv5】【身体強化lv6】【詐術lv8】【大声lv7】【火魔法lv5】【水魔法lv5】【毒耐性lv7】
固有名:ラズリー
種族:人間
スキル:【身体強化lv8】【スラッシュlv9】
間違いないな。
それにしても、用心棒をしていたラズリーという男は確かに2つしかスキルを持っていないと自分で言っていたけれど本当だとは思わなかった。
剣術スキルとか持っていると思っていたよ。
あの剣技はスキルによるものじゃないんだな。
なんて男だ。
「左だ!」
「なんで見ちゃうのよ!むかつく!!」
僕は姉さんに向かって放たれたスラッシュを反転魔法で打ち消す。
「クロード!もう終わったの?」
「まあね」
姉さんと会話しているときも、僕は2人から目を離さない。
前の時は一瞬の油断が大変なことになった。
もう絶対に油断はしない。
「よう、久しぶりじゃねえか。元気してたか?」
「おかげさまで鉱山でいい仲間に出会えたよ」
軽口を叩きながらも、ピリピリした空気が流れる。
姉さんには僕が犯罪奴隷になった経緯を話しているから、この2人があの時の盗賊だと悟ったようだ。
「こいつらは僕が相手してもいいかな?」
「わかったわ。あたしはミゲルとローレンの援護に向かう」
ありがたい。
雪辱戦だ。
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