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113.帝国サイド5(前半主人公サイド)
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「雷光砲!!」
光の渦のような光線が飛んでくる。
さっき2人の後ろで戦いを見ていた男のスキルだ。
僕は反転魔法で跳ね返した。
しかしそこには男はいない。
男の護衛だった男たちが髭面と狼獣人を担ぎ上げて去っていき、殿には男が残る。
煌びやかな鎧を身にまとった、貴公子然としたイケメンだ。
たぶん指揮官なんだろうけど、なかなか男気があるじゃないか。
「撤退せよ!!」
男が叫ぶ。
姉さんやミゲル君と戦っていたものたちが撤退していく。
追撃はしないようだ。
僕たちはリグリット様の護衛であって、戦争をしに来たわけじゃないからね。
追撃しても手柄にはならない。
怪我を負った者を動けるものが担いで撤退していく様をぼうっと見守っていたら、ふいに敵の指揮官の男に話しかけられた。
「君、うちに寝返らないか?」
どこかで聞いたセリフだ。
「前にもそんなことを言っていた人がいました」
「ほう?そいつはどうなったんだね?」
「死にました。勝手に」
「そうか」
あの男のせいで僕はゲロゲロするはめになったんだ。
この人もそんなことをしそうな雰囲気があったからやめてほしいと暗に匂わせてみる。
「その男が誰なのかは知らないが、気持ちは分かるような気がするな。君のような人物が敵にいたのでは、これからの帝国を見ていたくはないだろう」
「そうですか」
男は背中を見せて去っていった。
僕も追撃はしない。
それにしても、イケメンだったな。
生まれたときから人生勝ち組の人というのは、どんな気持ちで生きてるんだろうか。
「隊長、無事だったんですか」
「ああ、なぜか追撃もしてこなかった」
私は安堵しました。
あのような化け物じみた人間を前に隊長が殿に残ったときには、ああもうこのイケメンの顔を見て眼福できるのは最後なのだなと思ったものです。
しかし隊長は怪我を負ったような様子もありません。
ラズリーさんとロイドさんは結構大怪我を負っているようですが、命に別状はないそうです。
あの少年はいったいどういう人物なのでしょうか。
疑問はつきません。
それにしても冒険者パーティのようでしたが、あの少年以外も強かったですね。
帝国の精鋭部隊がほぼ全滅の憂き目です。
死人は出ていないのが不思議です。
手加減されていたのでしょうか。
まあ冒険者なんて何を考えているのか分からない人種です。
冒険者だった叔父さんが結婚すると言って連れてきたのは魚人さんでしたしね。
私には男の人なのか女の人なのか判断がつきませんでした。
分かりません、冒険者の考えていることは全然分かりませんよ。
分からないといえば、ここがどこなのかも分かりません。
おそらく国境の山脈のどこかだと思うのですが。
「隊長ドラゴン死んじゃいましたけど、私たちどうやって帰るんでしょう……」
「さあな」
隊長は答えてくれません。
イケメン力でなんとかしてくださいよ。
「なんだと、奇襲部隊が全滅!?ドラゴンはどうした!?」
「すべて死亡した模様です!」
「そんな……ばかな……」
絶対に勝てる戦だと言われたから総指揮官を引き受けたのだぞ!?
これでは詐欺ではないか。
いやいや、まさかな。
ダグラス卿がそんな嘘をつくとは思えない。
それに今回の作戦は皇帝陛下も乗り気だったのだ。
ご自慢の新兵器を貸し出すほどに。
「ええい、ダグラス卿はどうした!?奴が死ぬわけあるまい」
「はっ。ダグラス卿の生死は不明ですが、ダグラス卿の部隊はドラゴンを失って国境の山脈に取り残されているようであります!」
「さっさと救出部隊を出さんか!」
なにをやっておるのだ、ダグラス卿。
私ではこの状況の判断はつきかねるぞ。
いったいどうすればいい。
とにかく各部隊長を招集せねば。
だがあやつらもダグラス卿が居なければ何を言い出すのかわかったものではない。
だ、ダグラス卿、早く帰ってきてくれ。
ま、まさかとは思うが、死んでないよね?
ダグラス卿が死んだらこの軍はどうなってしまうのだろうか。
隊長連中は好き勝手なことをやり始めるかもしれんし、王国内の造反者とも連絡が取れんだろう。
そうなれば5万もの軍勢を率いながら何の成果も上げられなかった私はどうなる?
いやいや、5万だよ?
伯爵領くらいは取れるだろう。
さすがに2万の軍には勝てる……はずだ。
いやでも兵の運用も私は得意ではない。
ローウェン伯爵家の現当主は名将らしいからなぁ。
私の拙い用兵で勝てるかどうかやってみないことには分からない。
その辺のアドバイスも全部ダグラス卿にもらう予定だったのだけどな。
ダグラス卿にばかり頼っていたのがあだになってしまったかな。
でも私のような微妙な立場の人間に味方してくれるのは同じく微妙な立場のダグラス卿くらいなんだよな。
私は皇帝の9番目の息子ではあるが、母親の身分は正直微妙だ。
私の立場も異母兄弟たちの中では極めて微妙。
今回の戦がうまくいかなかったら、いったいどうなってしまうのか予想もできない。
こ、殺されたりしないよね。
皇帝陛下も息子を殺したりはしないはずだ。
表向きには。
裏では何があるかわかったものじゃない。
兄弟たちも何をするか分からない頭のおかしな奴ばかりだからな。
嫌だなぁ、死ぬのは嫌だなぁ。
ダグラス卿ぉ、帰ってきてよぉ。
光の渦のような光線が飛んでくる。
さっき2人の後ろで戦いを見ていた男のスキルだ。
僕は反転魔法で跳ね返した。
しかしそこには男はいない。
男の護衛だった男たちが髭面と狼獣人を担ぎ上げて去っていき、殿には男が残る。
煌びやかな鎧を身にまとった、貴公子然としたイケメンだ。
たぶん指揮官なんだろうけど、なかなか男気があるじゃないか。
「撤退せよ!!」
男が叫ぶ。
姉さんやミゲル君と戦っていたものたちが撤退していく。
追撃はしないようだ。
僕たちはリグリット様の護衛であって、戦争をしに来たわけじゃないからね。
追撃しても手柄にはならない。
怪我を負った者を動けるものが担いで撤退していく様をぼうっと見守っていたら、ふいに敵の指揮官の男に話しかけられた。
「君、うちに寝返らないか?」
どこかで聞いたセリフだ。
「前にもそんなことを言っていた人がいました」
「ほう?そいつはどうなったんだね?」
「死にました。勝手に」
「そうか」
あの男のせいで僕はゲロゲロするはめになったんだ。
この人もそんなことをしそうな雰囲気があったからやめてほしいと暗に匂わせてみる。
「その男が誰なのかは知らないが、気持ちは分かるような気がするな。君のような人物が敵にいたのでは、これからの帝国を見ていたくはないだろう」
「そうですか」
男は背中を見せて去っていった。
僕も追撃はしない。
それにしても、イケメンだったな。
生まれたときから人生勝ち組の人というのは、どんな気持ちで生きてるんだろうか。
「隊長、無事だったんですか」
「ああ、なぜか追撃もしてこなかった」
私は安堵しました。
あのような化け物じみた人間を前に隊長が殿に残ったときには、ああもうこのイケメンの顔を見て眼福できるのは最後なのだなと思ったものです。
しかし隊長は怪我を負ったような様子もありません。
ラズリーさんとロイドさんは結構大怪我を負っているようですが、命に別状はないそうです。
あの少年はいったいどういう人物なのでしょうか。
疑問はつきません。
それにしても冒険者パーティのようでしたが、あの少年以外も強かったですね。
帝国の精鋭部隊がほぼ全滅の憂き目です。
死人は出ていないのが不思議です。
手加減されていたのでしょうか。
まあ冒険者なんて何を考えているのか分からない人種です。
冒険者だった叔父さんが結婚すると言って連れてきたのは魚人さんでしたしね。
私には男の人なのか女の人なのか判断がつきませんでした。
分かりません、冒険者の考えていることは全然分かりませんよ。
分からないといえば、ここがどこなのかも分かりません。
おそらく国境の山脈のどこかだと思うのですが。
「隊長ドラゴン死んじゃいましたけど、私たちどうやって帰るんでしょう……」
「さあな」
隊長は答えてくれません。
イケメン力でなんとかしてくださいよ。
「なんだと、奇襲部隊が全滅!?ドラゴンはどうした!?」
「すべて死亡した模様です!」
「そんな……ばかな……」
絶対に勝てる戦だと言われたから総指揮官を引き受けたのだぞ!?
これでは詐欺ではないか。
いやいや、まさかな。
ダグラス卿がそんな嘘をつくとは思えない。
それに今回の作戦は皇帝陛下も乗り気だったのだ。
ご自慢の新兵器を貸し出すほどに。
「ええい、ダグラス卿はどうした!?奴が死ぬわけあるまい」
「はっ。ダグラス卿の生死は不明ですが、ダグラス卿の部隊はドラゴンを失って国境の山脈に取り残されているようであります!」
「さっさと救出部隊を出さんか!」
なにをやっておるのだ、ダグラス卿。
私ではこの状況の判断はつきかねるぞ。
いったいどうすればいい。
とにかく各部隊長を招集せねば。
だがあやつらもダグラス卿が居なければ何を言い出すのかわかったものではない。
だ、ダグラス卿、早く帰ってきてくれ。
ま、まさかとは思うが、死んでないよね?
ダグラス卿が死んだらこの軍はどうなってしまうのだろうか。
隊長連中は好き勝手なことをやり始めるかもしれんし、王国内の造反者とも連絡が取れんだろう。
そうなれば5万もの軍勢を率いながら何の成果も上げられなかった私はどうなる?
いやいや、5万だよ?
伯爵領くらいは取れるだろう。
さすがに2万の軍には勝てる……はずだ。
いやでも兵の運用も私は得意ではない。
ローウェン伯爵家の現当主は名将らしいからなぁ。
私の拙い用兵で勝てるかどうかやってみないことには分からない。
その辺のアドバイスも全部ダグラス卿にもらう予定だったのだけどな。
ダグラス卿にばかり頼っていたのがあだになってしまったかな。
でも私のような微妙な立場の人間に味方してくれるのは同じく微妙な立場のダグラス卿くらいなんだよな。
私は皇帝の9番目の息子ではあるが、母親の身分は正直微妙だ。
私の立場も異母兄弟たちの中では極めて微妙。
今回の戦がうまくいかなかったら、いったいどうなってしまうのか予想もできない。
こ、殺されたりしないよね。
皇帝陛下も息子を殺したりはしないはずだ。
表向きには。
裏では何があるかわかったものじゃない。
兄弟たちも何をするか分からない頭のおかしな奴ばかりだからな。
嫌だなぁ、死ぬのは嫌だなぁ。
ダグラス卿ぉ、帰ってきてよぉ。
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