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14.少年との契約
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「そのへんにしておいたらどうだ?」
「あ?てめぇ見たことある面だな!」
「言っておくが、以前お前に盗られた金は預けておいただけだから。今日返せ」
「はははっ、どうやら死にてえらしい」
以前俺が抵抗もせずに金を出したものだから俺のことを舐めているらしい。
あのときはまだ俺の魔力値はこの男の半分以下だった。
だから万に一つも殴られるわけにはいかなかったから抵抗せずに金を差し出したが、今日は遠慮する必要なんてない。
元々俺は獣相手よりも人間相手の戦いのほうが得意なんだよ。
「死にさらせっ!!」
男はこれ見よがしに拳を握って見せ、ニヤニヤしながら腕を振りかぶる。
なんて大振りな攻撃なんだ。
これじゃあテレフォンパンチどころの話じゃない。
こんな男に魔力値が低いからといってビビッていたと思うと情けなくなってくる。
俺は男に向かって足をまっすぐ伸ばす。
俗に言うヤクザキック。
男の腕よりも俺の足のほうが長いために、必然的に男のパンチは俺に届かず俺の足は男の腹にめり込んだ。
男は爪先に体重移動してかなり大げさに踏み込んでいたために、全体重が俺の足にぶつかることになり悶絶した。
自分の踏み込みプラス俺の脚力をすべて腹で受けたのだ、そりゃあ悶絶するし胃の中身も吐き出す。
「ぐぅぅぅ……」
「悪いけど、俺が預けたお金を返してもらうよ」
俺は口をパクパクして何も言えない男の内ポケットを探り、財布を取り出す。
財布の中には意外にも鉄貨や銅貨だけでなく銀貨まで入っていた。
銀貨といえば1枚で1万円くらいの価値を持つ硬貨だ。
それが10枚近く入っているということは、10万円近くの金がこのチンピラの財布に入っていることになる。
絶対にろくなことで稼いだ金ではない。
俺は見なかったことにして以前カツアゲされた銅貨数枚と少年の殴られ料に銀貨を1枚だけ財布から抜き取り、男の内ポケットに戻した。
銀貨を少年に差し出す。
「ほら」
「え?」
「もらっときな」
少年は戸惑いを隠せない顔で銀貨を見つめた。
俺は銀貨を無理矢理少年に押し付け、受け取らせる。
あれだけ殴られたら銀貨の一枚も貰わなきゃ殴られ損だ。
「そろそろ衛兵が来るかもしれない。面倒なことになる前にこの場を離れよう」
「は、はい」
この町の衛兵はチンピラのカツアゲを止めてはくれないくせにチンピラを殴り倒すと捕まえにきたりするのだ。
もしかしたらチンピラから上納金でも貰っているのかもしれない。
少年にはスキルについて聞きたかったので俺は少年と共に屋台のたくさん出ている市場のあたりに向かった。
適当な屋台で軽食と飲み物を買い、空いているベンチに座る。
市場にはあちこちにこのように簡素なテーブルとベンチが置かれてイートインスペースのようになっている。
屋台の飯は安いしアタリの屋台なら味も満足できる。
俺はこうして市場の屋台で食事を済ませることも多いのだ。
「あの、助けてくれてありがとうございました。僕、ジルタっていいます」
「俺は和泉……いや、ただのイズミだ。悪いが全くの純粋な善意で助けたわけではないんだ」
「何か、僕にやって欲しいことでもあるのでしょうか……」
ジルタはどこからどう見ても孤児で、守ってくれる大人もいそうにない。
善意を装った悪い大人からその手の危ない話を持ちかけられることも多いのかもしれない。
ジルタの顔には、ああやっぱりと書いてあるようだった。
今まで苦労してきたんだろうな。
「危ない儲け話でもないから別にそんなに警戒しなくてもいい。ただ君にスキルについて聞きたいことがあっただけなんだ」
「スキル、ですか?」
「そう。申し訳ないが俺は君のステータスを鑑定してしまった。そのことは先に謝っておく」
「鑑定!?じゃ、じゃあ僕の、あのスキルも……」
「ああ、たぶん君が気にしているのは固有スキルのことだろうけどそのことじゃない」
ジルタの固有スキル【人狼化】は名前からして狼男のような姿に変身するスキルだろう。
人間の姿を捨てたようなその姿に色々と偏見があってもおかしくない。
そういったスキルを持った人間が迫害されているとかありそうだ。
だが俺が聞きたいのはそのスキルのことではない。
固有スキルは他人には絶対に身につけることはできない。
俺が聞きたいのは俺にも身につけられる可能性のある【身体強化】のスキルのことだ。
「身体強化ってスキルを持っているだろう?それって、どうやったら身に付けられるんだ?教えてくれたら金を払ってもいい」
「身体強化ですか?うーん、僕は生まれたときから持っていましたから……」
「生まれたときから?」
「僕は、獣人だから」
獣人、異世界モノではよく聞く種族だ。
人間と同じような姿形をしているが、動物の耳や尻尾が付いていたりするんだよな。
ジルタは外套のフードをかぶっているから見えないが、あの下に獣の耳があるのだろうか。
獣人は人間から迫害を受けている不遇な種族という設定が多い。
この世界ではどうなんだろうな。
そもそも俺はこの世界に獣人という種族が存在していることを知らなかった。
王城では誰の口からも出てこなかったからな。
王都やこの町で獣人を見かけたことはないから、やはり人間との間には確執がありそうだ。
その獣人は、どうやら生まれたときから身体強化のスキルを持っているのが普通なようだ。
なら俺が身体強化を習得することは不可能なのか?
「身体強化は生まれつき以外は身に付けられないのか?後天的に身につけたということは無いんだろうか」
「人間でも持っている人はいるから生まれつきじゃなくても身につける方法はあるはずですけど、僕は知りません」
「そうか」
ラズリーさんの話ではスキルの後天的な取得条件というのは大体パターンが決まっているらしい。
その中でも一番多いパターンが、スキルの無い状態でスキルと同じことをやり続けること。
属性魔法スキルのパターンだ。
ただ魔法はスキルが無くても触媒があれば使えるが、鑑定などのアクティブスキルなどはどうしようもない。
名前の感じから、俺は身体強化はアクティブスキルだと思っている。
ジルタが身体強化スキルの習得方法を知らないとなると、誰に聞けば分かるのだろうか。
困ったな、俺はもう身体強化スキルが欲しくてしょうがなくなってしまっている。
「ジルタ、とりあえず金払うから身体強化スキルがどんなスキルなのか教えてくれないか?」
「いいえ、お金は結構です。その代わり、僕に戦い方を教えてくれませんか?」
「戦い方?」
「そうです。イズミさんは、たぶん対人戦に慣れていますよね。先ほどゴロツキを一発でやっつけたのを、僕にも教えてくれませんか?」
「対人戦か。まあいいけど」
獣人の少年が対人戦を教えてくれと言う。
チンピラに負けないようにするため、という感じでもない。
なんとなく後ろ暗いものを感じるが、深くは聞かないでおくか。
人には聞かれたくないことのひとつやふたつあるものだ。
ジルタは俺に身体強化を教え、俺はジルタに対人戦闘を教える。
そういうドライな関係が理想的だ。
「じゃ、契約成立だ。乾杯」
「はい。乾杯」
「あ?てめぇ見たことある面だな!」
「言っておくが、以前お前に盗られた金は預けておいただけだから。今日返せ」
「はははっ、どうやら死にてえらしい」
以前俺が抵抗もせずに金を出したものだから俺のことを舐めているらしい。
あのときはまだ俺の魔力値はこの男の半分以下だった。
だから万に一つも殴られるわけにはいかなかったから抵抗せずに金を差し出したが、今日は遠慮する必要なんてない。
元々俺は獣相手よりも人間相手の戦いのほうが得意なんだよ。
「死にさらせっ!!」
男はこれ見よがしに拳を握って見せ、ニヤニヤしながら腕を振りかぶる。
なんて大振りな攻撃なんだ。
これじゃあテレフォンパンチどころの話じゃない。
こんな男に魔力値が低いからといってビビッていたと思うと情けなくなってくる。
俺は男に向かって足をまっすぐ伸ばす。
俗に言うヤクザキック。
男の腕よりも俺の足のほうが長いために、必然的に男のパンチは俺に届かず俺の足は男の腹にめり込んだ。
男は爪先に体重移動してかなり大げさに踏み込んでいたために、全体重が俺の足にぶつかることになり悶絶した。
自分の踏み込みプラス俺の脚力をすべて腹で受けたのだ、そりゃあ悶絶するし胃の中身も吐き出す。
「ぐぅぅぅ……」
「悪いけど、俺が預けたお金を返してもらうよ」
俺は口をパクパクして何も言えない男の内ポケットを探り、財布を取り出す。
財布の中には意外にも鉄貨や銅貨だけでなく銀貨まで入っていた。
銀貨といえば1枚で1万円くらいの価値を持つ硬貨だ。
それが10枚近く入っているということは、10万円近くの金がこのチンピラの財布に入っていることになる。
絶対にろくなことで稼いだ金ではない。
俺は見なかったことにして以前カツアゲされた銅貨数枚と少年の殴られ料に銀貨を1枚だけ財布から抜き取り、男の内ポケットに戻した。
銀貨を少年に差し出す。
「ほら」
「え?」
「もらっときな」
少年は戸惑いを隠せない顔で銀貨を見つめた。
俺は銀貨を無理矢理少年に押し付け、受け取らせる。
あれだけ殴られたら銀貨の一枚も貰わなきゃ殴られ損だ。
「そろそろ衛兵が来るかもしれない。面倒なことになる前にこの場を離れよう」
「は、はい」
この町の衛兵はチンピラのカツアゲを止めてはくれないくせにチンピラを殴り倒すと捕まえにきたりするのだ。
もしかしたらチンピラから上納金でも貰っているのかもしれない。
少年にはスキルについて聞きたかったので俺は少年と共に屋台のたくさん出ている市場のあたりに向かった。
適当な屋台で軽食と飲み物を買い、空いているベンチに座る。
市場にはあちこちにこのように簡素なテーブルとベンチが置かれてイートインスペースのようになっている。
屋台の飯は安いしアタリの屋台なら味も満足できる。
俺はこうして市場の屋台で食事を済ませることも多いのだ。
「あの、助けてくれてありがとうございました。僕、ジルタっていいます」
「俺は和泉……いや、ただのイズミだ。悪いが全くの純粋な善意で助けたわけではないんだ」
「何か、僕にやって欲しいことでもあるのでしょうか……」
ジルタはどこからどう見ても孤児で、守ってくれる大人もいそうにない。
善意を装った悪い大人からその手の危ない話を持ちかけられることも多いのかもしれない。
ジルタの顔には、ああやっぱりと書いてあるようだった。
今まで苦労してきたんだろうな。
「危ない儲け話でもないから別にそんなに警戒しなくてもいい。ただ君にスキルについて聞きたいことがあっただけなんだ」
「スキル、ですか?」
「そう。申し訳ないが俺は君のステータスを鑑定してしまった。そのことは先に謝っておく」
「鑑定!?じゃ、じゃあ僕の、あのスキルも……」
「ああ、たぶん君が気にしているのは固有スキルのことだろうけどそのことじゃない」
ジルタの固有スキル【人狼化】は名前からして狼男のような姿に変身するスキルだろう。
人間の姿を捨てたようなその姿に色々と偏見があってもおかしくない。
そういったスキルを持った人間が迫害されているとかありそうだ。
だが俺が聞きたいのはそのスキルのことではない。
固有スキルは他人には絶対に身につけることはできない。
俺が聞きたいのは俺にも身につけられる可能性のある【身体強化】のスキルのことだ。
「身体強化ってスキルを持っているだろう?それって、どうやったら身に付けられるんだ?教えてくれたら金を払ってもいい」
「身体強化ですか?うーん、僕は生まれたときから持っていましたから……」
「生まれたときから?」
「僕は、獣人だから」
獣人、異世界モノではよく聞く種族だ。
人間と同じような姿形をしているが、動物の耳や尻尾が付いていたりするんだよな。
ジルタは外套のフードをかぶっているから見えないが、あの下に獣の耳があるのだろうか。
獣人は人間から迫害を受けている不遇な種族という設定が多い。
この世界ではどうなんだろうな。
そもそも俺はこの世界に獣人という種族が存在していることを知らなかった。
王城では誰の口からも出てこなかったからな。
王都やこの町で獣人を見かけたことはないから、やはり人間との間には確執がありそうだ。
その獣人は、どうやら生まれたときから身体強化のスキルを持っているのが普通なようだ。
なら俺が身体強化を習得することは不可能なのか?
「身体強化は生まれつき以外は身に付けられないのか?後天的に身につけたということは無いんだろうか」
「人間でも持っている人はいるから生まれつきじゃなくても身につける方法はあるはずですけど、僕は知りません」
「そうか」
ラズリーさんの話ではスキルの後天的な取得条件というのは大体パターンが決まっているらしい。
その中でも一番多いパターンが、スキルの無い状態でスキルと同じことをやり続けること。
属性魔法スキルのパターンだ。
ただ魔法はスキルが無くても触媒があれば使えるが、鑑定などのアクティブスキルなどはどうしようもない。
名前の感じから、俺は身体強化はアクティブスキルだと思っている。
ジルタが身体強化スキルの習得方法を知らないとなると、誰に聞けば分かるのだろうか。
困ったな、俺はもう身体強化スキルが欲しくてしょうがなくなってしまっている。
「ジルタ、とりあえず金払うから身体強化スキルがどんなスキルなのか教えてくれないか?」
「いいえ、お金は結構です。その代わり、僕に戦い方を教えてくれませんか?」
「戦い方?」
「そうです。イズミさんは、たぶん対人戦に慣れていますよね。先ほどゴロツキを一発でやっつけたのを、僕にも教えてくれませんか?」
「対人戦か。まあいいけど」
獣人の少年が対人戦を教えてくれと言う。
チンピラに負けないようにするため、という感じでもない。
なんとなく後ろ暗いものを感じるが、深くは聞かないでおくか。
人には聞かれたくないことのひとつやふたつあるものだ。
ジルタは俺に身体強化を教え、俺はジルタに対人戦闘を教える。
そういうドライな関係が理想的だ。
「じゃ、契約成立だ。乾杯」
「はい。乾杯」
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