【完結】剣の世界に憧れて上京した村人だけど兵士にも冒険者にもなれませんでした。

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たまには、俺を

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 演習が終わった生徒達は色んな所に行く。武器取り扱いの教室である整備室で使った物を整備したり、整備室に入れなかった者は自分達の教室や外で整備する。洗浄の石版で済ます横着者もいて、お喋りしたり、木剣を打ち合ったりして遊んでる。僕達は外で持ち物を整備し、暗くなる前に寮に戻って来た。部屋が遠くなって面倒だけど荷物を置いて来なきゃ。

「おい、お前あの女のパーティーだろ」

 階段を上がろうとして前後を挟まれた。前が2人なら後ろは2人か3人か?邪魔だなぁ。

「お前等こそ危ない所だったんだぞ?アイツ俺の剣振り回してたけど、ナイフ抜いてたらもっとヤバかったんだからな?」

「適当言うなっ。俺達があんな女に負けっかよ」

「実際怪我してんじゃねーか。それにコレ、見てみろ」

 抜剣し、刃身を見せてやる。前後の数人は半歩引いて身構える。ビビるくらいなら武器持ってる奴に絡むなよ。

「コレな、研いではあるけどなまくらなんだよ。ブフリムの骨を折るための剣だ」

「そ、それがどうした」

「普通は斬れねーの。分かるだろ?なのになんで出血してんだよ。アイツにナイフ持たせたらヤバいって、意味分かったか?」

 男達は黙ってしまった。さらに追い討ちしてやろう。

「それに魔法見せたよな。火魔法」

「そ、それが…」「あ」

「お前は気付いたか。俺魔法はからっきしだから魔法の授業は出た事無いけどさ。火魔法の使い手は貴族か元貴族がほとんどなんだよ。逃げといて正解だったろ?」

「へっ、元、なんだろ?ンなモン怖くねーよ」

「元の友達が元ならな。エリザベス様と親交あるぞ?」

 魔法の事を思い出した男はビクッとして固まった。現貴族様の中で女子はエリザベス様だけ。クラスが違ってても派手なので、知らない者は居ないだろう。僕も教室の移動でチラチラ見掛ける事がある程だ。彼等が隣のクラスでも、その隣に居る訳だしな。

「迂闊に絡むと女は怖いよ」

「ハーレムパーティーのクセしやがって…」「お前みたいなチビが何でモテてんだよっ」

「邪魔だ不細工共」「モテんのを人のせいにするな。退け退けー」

 背後から現れた大男2人が咥え楊枝で声を上げた。そりゃあ邪魔だよな。

「ミルコにクリス。今日もデカイね。もう食べたの?」

「お前はまだみたいだな。剣を振るなら外でやれ」

「ほれほれ、退かんと推して参るぞー」

 クリスが無理矢理推して参り、階段を塞いでいた者を僕毎上に押して行く。退かせるつもり無いじゃないか。

「ク、クリスさん知り合いスかっうわっ」

「知り合いっちゃあ知り合いだが、1人を囲むにゃ感心しねーな」

「剣抜いた奴に絡んでくバカはぶちのめされても文句言えんぞ?抜いたお前もな」

「斬り合うために出した訳じゃ無いんだけどね」

 2階まで押し出され、やっと解放された。囲んでた5人はデカ兄弟に詫びを入れて道を開ける。2人はおうっと返してさらに階段を上がって行った。僕も続く。

「ん?お前3階か」

「うん。たまたま空いたんだって」

 2人が気付いてミルコが問うのを答えると、ふうんと鼻息を吐いてそれ以降の詮索は無かった。男の部屋の場所に興味を持つ男なんてのは居ないのだ。女子だとどこ?広い?日当たりは?掃除してる?隣は?と来る。そんな事知ってどうすると言うのか。これが分からない。

「俺等はこの並びだ」

「面倒なのに絡まれて助かったよ。ありがと。お休みー」

「おう、またな」

 2人の部屋は手前から2番3番目。男臭い部屋が閉まると自室へ向かった。急いで荷降ろしして食堂に向かうも、夕飯の肉は小さかった。遅くなったせいだ。あの野郎共…。焼き野菜山盛りにしてもらったよ。

 寝て起きて休日。まだ寝ていたいが勘定のお勉強をロシェルにしなきゃならんので、鐘の音と共に起き出して、食事を摂って弁当をもらって寮を出た。






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