女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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客だぞー

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 イゼッタは三日目。お茶の効果か、動いてる方が楽なのか、それともお留守番が嫌なだけかも知れんが三人で街にやって来た。

「ここが泥棒猫のハウスね」

ギルドだよ。
ギルドの受付に昨日の二人のギルド証を提出し、状況報告。何事も無く解放された。
因みに女二人の死体は穴を掘って埋めた。他のは茂みにポイ。
買取カウンターで皮八枚売り払った。作る手間を考えると買った方が早いからな。

 荷物が軽くなったので武器屋に寄る。

「客だぞー」

「客なの」

「いらっしゃいました」

「うちの客に女連れなんて居らんぞ」

両手にハンマー持ってやって来た。

「おお、小僧か!」

ハンマー振り翳すな危ない。イゼッタ押すな!テイカはナイフで迎撃するな!!
ハンマーとナイフがガチンとぶつかった。勿論テイカの負け。ゴーラナイフ折れちゃったよ。

「カケル様から頂いたナイフががが…」

「程度は多少良かったが所詮は鋳潰す素材よ」

「カケル様がー!」

俺は折れてない。

「親父、コイツのナイフを見繕ってくれ、料理にも戦闘にも使える感じでな」

「承った。それより鋸だ、逆にしただけであんなに楽になるとはな!」

泣いてるテイカを撫でてあやして慰めて、親父が持って来た鋸を手渡してやる。

「これは俺がテイカの為に作らせた鋸だ。貰ってくれるな?」

俺も使いたかったけど。

「いっぢょうだびじぃじばじゅー」

よしよしよしよし、よーしよしよし。
女泣かせな親父に皮屋を聞いたら防具屋を紹介された。大工道具が武器屋で買える世界ならそれもまたあり、か。

「私のは?」

イゼッタのナイフも依頼したよもう!

 防具屋の店主は見た目メイン盾自称アーチャーの、元冒険者の女だ。

「また来たー」

「あらイゼッタちゃんお久しー」

仲も良さそうだし革帯に関してはイゼッタに丸投げしてしまおう。

 雑談しながら革帯からハーネスの話になり、だったら俺用の革鎧を作って、それにベルト通しを付ければ良いんじゃね?って話になって行った。
だがそれだと俺がマント着けられなくて寒くね?
男は我慢…だと…。解せぬ。
で、採寸。
最後に強度だけは一箇所でもテイカ二人分以上と、かなり強めに注文して商談を終えた。加速して取れたら死んでしまうからな。

オーダーメイドなので高い。ミスリル貨十五枚だって。先払いして接続パーツの類はまけさせた。出来上がったらギルドに知らせとくそうな。

 時間は夕方。お茶と食材を買ってサミイの家に寄った。店仕舞いの途中だったのでテイカと俺でお手伝い。イゼッタにはお茶を沸かしてもらった。

「旦那さま、もっと一杯来てくれても良いんですよ?」

「一昨日からイゼッタが生理でな、わたわたしてたんだ」

「それでこのお茶ですかー」

「知ってたか」

「わたしは軽めなのですけど、ママが重いみたいなので毎月では無いですが飲んでますね」

「サミイは冒険者みたいに避妊魔法を受けてたりするのか?」

「わたしに限らず一般人はほぼしませんねー。ママも弟欲しいって言ってますし」

跡取り息子は欲しいだろうなぁ。

「じゃあサミイは俺の子を孕む可能性があるのか…」

「ありますね。嫌…ですか?」

「私が先!」

「だ、そうだ。所でサミイ、女の司祭が居る街って知らないか?」

「嫁にするのですか?」

「良い提案だが家を広くしなきゃな。イゼッタに避妊魔法が掛けられてる可能性があるので調べたいんだ」

「なるほど。地図を持って来ますね!」

階段を上がって暫くして、地図らしき物を持って降りてきた。テーブル一杯に巻物を広げると、戦国時代の古地図レベルの地図が描かれていた。地図よりも芸術品に見えるし羊皮紙って初めて見た。

「ここがバルタリンドで…、この辺りにメルタールの街があります。確かこの街だと思うんですが…、うろ覚えでごめんなさい」

「気にすんな」

地図を見る限りだとちと遠いな。黒っぽい森の手前の森がこれだとして、ここからだと倍は離れてる。

「何時頃行かれますか?」

「直ぐにでは無いが早目に行ってみたいな」

「お供します!」

「だが断る。と言うか時間が掛かり過ぎて連れて行けないんだ」

ハーネスが完成しても腹に一人背中に二人はキツい。マント着けられなくて寒いだろうし。

「待つのも妻の勤め」

お前はお留守番させようとすると泣くだろが。
良い事言った感を間に受けたサミイは納得してしまった。素直な良い子だ。

「夕飯が出来ましたのでお持ちします」

テイカの夕飯を食べて、サミイをたっぷり甘やかして帰宅した。


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