女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
806 / 1,519

間引き

しおりを挟む


 二日後。俺はお供を伴ってセカンドハウスの対岸に来ている。

「俺達は狩りしてりゃいーのか?」「夕飯はゴーラか」「トカゲ食べたーい」

「俺等はこの辺りで石ころ拾ってるから、護衛と間引きをよろしくな」

お供の内の三人は少年隊だ。最近は飯の材料としてしかこの森で狩りをしてないらしく、島側から見ても多過ぎるくらいにブフリム共が増えているのだ。ちゃんと間引きしないと外に出ちゃうって事を説明すると、渋々ながら近い奴の首を撥ねて行った。話をしてる間に囲まれていたのだ。泳いで島に入って来たらどうするつもりだったんだ?

「カケル様、流石に多過ぎませんか?」

「少し減らす?」

イゼッタとシャリーは俺と一緒に石拾いすると言って付いて来たのだが、この密度での戦闘を見た事の無いシャリーはビビって俺の腰にしがみ付いている。イゼッタは範囲攻撃での殲滅を企んでいるが、少年隊が泣き言を言って来たら助けてやるって事で矛を収めた。家族内でも依頼は依頼。成功報酬にトカゲの素材を出すのだ。甘やかしてはいかん。それに死ななきゃ治せるしな。

「シトン、オレ達も行くぜ?」

「だな。カケル様、行って来るよ」

「私が居ないんだから無理しないでよね?」

お供の友恋ワーリンの内、アズは俺の護衛に専念、残る前衛二人は少年隊とは別行動で間引きする予定だ。湖畔を背にして首を刈る。

「カケル様、お茶の時間となりましたらお伝え致しますね」

  「………」
「おっ、奥様、動くと揺れますっ」

最後のお供はリアとフラノノ。湖に浮かべた荷車に乗って優雅にクルーズを楽しんで居られる。久しぶりに水陸両用荷車が仕事してるな。フラーラは揺れるのが好みでは無いようで、ノーノの声は此処からだと聞こえないな。

 湖畔に敷き詰められた砂利は大きくは無いが角があり、その殆どが地面の砂に埋もれてる。湖の水に浸食されて露出したのだろう。因みにだが、湖と言っては居るが水の流出入が無いので正確に言うと此処は大きな池だ。雨が降ると森と島からの流入があり、それで池の水嵩が保たれている模様。多分保水層となる地底の岩盤が厚いのだろうな。

「周りも落ち着いたみたいだし、石を拾うかね」

「うぇ~い」「良いのがあると良いですね」

イゼッタはオーバーオールなので、しゃがんで石を拾っては投げている。シャリーはメイド服の裾を捲り上げて、汚さぬように物色してる。俺はうんこ座りで石を拾ってく。
灰色な石の中に、青みがかったのや赤みがかったのが稀に落ちているのだが、その中のどれかがジェムやストーンとなる。光に翳して透けていて、切って透明感があればジェムだし、透明感が無くても切ってキレイならストーンなのだそうだ。

「カケルー、これー」

「私も見付けました。持ち上がりませんっ」

二人共見付けたようだ。走り寄って見せて来たイゼッタのは、十ドン程の青いストーンだ。グラインダーで削って確認したようで削り口からは濃い青が見えている。

「良いのが拾えたな」

「ん」

シャリーの方はと言うと、スカートを捲ってて片手しか使えないからか、砂の中から露出する石を足でゲシゲシ蹴っていた。

「出してやるから退いてみれ」

「はい。お願いします」

周りの砂毎浮かせて掘り出し《洗浄》すると、四十ドン程の長さの青いジェムが姿を現した。

「ジェムだな」

「やりました!」

光を翳すと罅が見えるので取り除くように《収納》で切ってやると、淡く青味のあるガラスのようだった。

 小一オコン程の間に、イゼッタは小さくて色の濃い物を六つ厳選して採取し、シャリーは逆にデカいのを見付けては俺に掘らせていた。俺はと言うと、シャリーの手伝いをしながら探してたので赤いストーンが二つだけ。スキルを使わねばこんなモノである。だがスキル無しでデカいジェム四つも採れたシャリーは目敏いな。ハズレも沢山引いてたけど。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...