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余計な知恵
しおりを挟むお茶に呼ばれて荷車を桟橋に付ける。お茶を飲み飲み石の面取りをすると、イゼッタの厳選した石は特にキレイなストーンである事が判る。削りながら拾ってたからだな。シャリーのは罅を切り離せばキレイになったが、分割されてしまった。
俺のは小さかったので面取りしたらイゼッタのより小さくなっちゃったよ。
「皆様良い物を拾えたようで良かったですね」
「売ったら幾らになるか、シャリーは分かるか?」
「そこまでは分かりかねますね。私のジェムは皆様のよりは大きくて数がありますが色は薄いですし、お二方のは色は濃いですがストーンですからね」
「商業ギルドに売りに行ってみるか」
「でしたらバルタリンド以外の街が良いですね。場所がバレたら此処が人だらけになっちゃいますよ」
「ああ、あるある。タマリーも言ってたな、穴だらけにされるって」
ってな訳でクリューエルシュタルトに向かう事になったのだが。
「お前さぁん、クリューエルシュタルトに行くならオレも行きた~い」
「俺もー」「ハークに会いたいぜ」「稽古つけてやんぜー」
耳の良いワーリンが聞き付けて声を上げると少年隊も跳ねて来て遊びに行きたいと言う。
「ワーリンは良いがお前等はダメだ。ハークは学園に居るから遊べないんだ」
「兄貴ぃ、ひでぇよぉ…」「泣くぞ?泣いちゃうぞ?」「びぇ、びぇえ」
一瞬で涙目になる兎男子。何処で覚えたそんな技。汚くなければ抱いてなでなでしちゃいたい。泣く子と地頭……ああ、ハークか、余計な知恵を…。
「本当だってば。彼奴は今、学園で魔法習ってんだよ。休みになったら遊ばせてやるから我慢せい」
「ちっ、約束だかんな」「ちぇ~」「泣き損だぜ」
泣いた兎が悪態吐くと、妻が真似てお強請り目線で伺って来る。
「カケル様、私はお連れになっては頂けませんの?」
「旦那さま、私も行きたいです~」
結局、妻三人にメイド三人とワーリンが行く事になった。
俺とイゼッタも参加して、間引きを終えた翌日。朝食を終えるとワーリンが来たので転移門でクリューエルシュタルトへと向かう。
「久しぶりに帰って来たぜ。やっぱ寒ぃなー」
暖かい季節と言ってもバルタリンドよりは気温が低い。湿度が低いから清々しい感じだ。
「ワーリンは魔装のインナー着てるだろ?」
「上だけね。下は尻尾が出ねぇから着なくなっちまったよ」
そう言えば何時の間にか尻尾出てたな。穴開けたのかと思ってた。
「尻尾が出る迄クルクル折って履いたらどうだ?」
「今度からそうすんよ。じゃあオレはちょっくら行って来るよ」
「では私も後程合流します」
ワーリンとフラーラは此処で一旦離脱。フラーラは必需品の買い物に、ワーリンは実家に顔を出しに行くそうでお土産買いに行くのだと。俺達は商業ギルドへと向かう。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用向きで?」
「こんにちは。今日は買取りをお願いします」
「え?あら、シャリーさんお久しぶりです。また甘い物ですか?」
「今回甘くないですよー」
「あら残念。では、空きスペースを用意しますので少々お待ちください」
何度も行商に来てるシャリーは此処でも顔を売っていたようで、受付嬢の反応が良い。直ぐに四人掛けのボックス席に誘導された。
「大人数で押しかけちゃってすまんな」
「問題を起こさなければ問題ありません。それではお品を拝見します」
四人掛けのテーブルセットにシャリーとイゼッタ、対面に受付嬢と買取嬢が座り、俺達は立ち見で観戦させてもらおう。テーブルに置かれたトレーに、三人の採った石を並べると、対面に座る女達の目の色が変わった。
「ジェムにストーンじゃないですか。もしかして、これを定期の商材に?」
「それは考えてませんよ。偶々石が拾えたので幾らになるのか気になったんです」
買取嬢が眼鏡の魔道具を掛けて鑑定を始めると、板に状態やら値段やらを書き出して行く。
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