女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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中はダメっ

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「お帰りなさいませ。仕事は終わりですか?」

「只今テイカ。メルタールに着いたから一時帰宅だよ」

 島に《転移》し新居に向かうとテイカが待ち受け匂いを嗅ぐ…今日は誰も抱いてないぞ?

「女の匂いはしますが…」

「今から付け…って、在らぬ疑いを掛けられそうだ。とにかく入ろう」

「残念です」

「「「カーーケルーー」」」

 居間に上がるとイゼッタ、ネーヴェ、カラクレナイに飛び掛かられて肺から空気が抜ける。

「うげ…、た、只今。明日には戻るからお土産は明日な?」

「カケルが、お土産」

顔をグリグリ擦り付け、マーキングするイゼッタを撫で付ける。

「一緒に寝るのーっ!」

抱き着く圧に《強化》を掛ける。肋骨がヤバい。

「魔力で良い」

背後から、ちゅーーっと魔力を吸い取られ、回復しながら寝室へと移動して、皆と寝た。勿論寝られる筈も無く、何本も生やしたアイツが女達の性欲を満たし、溜まった子種を吐き出し続けた。
結果、寝たのは風呂場の二階。

 女達の朝食を持ってメルタールへ向かうと、まだ早朝と言うのに小型UFOの下は見物人がチラホラ集まっている。衛兵も居るな。構わず空に上がり、《結界》を解いてハッチをノックする。

「カケルだ。皆起きろー、飯持って来たぞー」

「まっ、待って!今開けるからっ」

慌ただしい声が上がり、待つ事暫し。バタバタ感のある音が止むとハッチが開かれた。

「お、遅かったじゃない」

冷静を装うヘンプシャーは怪しさ満載だ。

「飯食ったらギルドに行くんだろ?中に入るぞ」

「中はダメっ」

「何でよ?」

中に入ろうとする俺を大の字になって遮るヘンプシャー。

「女の部屋に立ち入ろうなんて、そうは行か「《消臭》これで良かろ」だっ、ダメっ」

焦るヘンプシャーを浮かせ、推して参る。

「…野盗に襲われたのか?」

「いえっ、コレは…」「直ぐに片付けますからっ」

大した荷物を持ってなかったと思うのだが、何故か船内は脱ぎ散らした服やら食べ物のゴミ、畳む事無く丸められた雑木シーツが散らばっていた。
一先ず全部《収納》し、所有者のある物を端に追いやった。

「とにかく飯だ。配膳しろ」

「「「はいっ」」」

テーブル等を出してやり、飯を食わせて片付ける。俺はお前等の母ちゃんじゃ無いんだぞ?


 女達を連れてギルドに着くと、受付嬢に下へ行くよう告げられて、地下へと続く階段を降りる。訓練場のような空間には、既に付き添い達が揃っており、お手頃価格達も大体揃っているようだった。

「カケルと、ヘンプシャーで最後か」

「翔、やったか!?」

「やったぜ」「やってないわよ!」

「どっちなんだい!?」

「お前等静まれ。剥ぎ取りの報酬を分けるぞー!」

各組の付き添いに渡された金はしっかり等分してあるようだ。

「翔、どれだけ稼げた?」

「んー、三万六千ヤンだから…、ごしち……一人七千二百ヤンだな」

「そんなモンか」

「三十人で割ればそうなるわな。一人で殺れればミスリル二枚程って感じだし、中々稼げたんじゃないか?」

それぞれの付き添いがお手頃価格達に金を分ける。皆の顔は一喜一憂と言った感じだ。

「安宿からは出られないっすね」

「あるだけ有難いさ。少しなら飲めるし」

「スリに遭う前に預けるなり、取られない場所に仕舞っておけよ」

「「「おう」」」

 金の分配が終わると、皆適当に階段を上がって行く。昨日宿が取れなかった運の良い者達は早めのチェックインに向かい、運悪く安宿に泊まった者等は街や近辺を彷徨きに行くとガヤの中から聞こえて来た。

「翔、ちょっと良いか?」

「何ぞ?」

「一狩り行こうぜ」

「パパパ~?」

俺はお土産を買いたいんだが、弥一は一狩り行こうと誘う。

「スキルの使い勝手を知りたくてな」

冒険者は、基本他人に自分の能力を晒さない。弥一もそれを理解しているのだろう。

「依頼は受けられんぞ?」

「常設しか出来んし、ブフリムとゴーラくらいしか殺れんよ」

ならばと言う事で外に出る。俺達が入って来た門を東へ曲がり、森の中に進んでく。



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